忘れられない「1000万分の1日」教えてください。

2024/04/23

祖父を送る時間

体調を崩し入院した祖父が、
1週間と経たずにこの世を去っていきました。
「ちょ、待てよ!!」
私をはじめ、家族のだれもがそう思ったことでしょう。
この日はとても忙しく、
普段ならすぐに気がつく家族からの電話にも応答できず、
病院に到着した時には既に祖父の意識はほぼありませんでした。
心の準備が何一つできていない家族をおいて、
祖父は逝ってしまいました。
不幸中の幸いだったのは、日程の調整が合わず、
亡くなった日から納棺・通夜、火入れ、葬式が
毎日1つずつ進んでいったことです。
亡くなった翌日、家に戻ってきた祖父は
自身が古美術商をして集めた古き良きモノに囲まれて、
静かに横たわっていました。
祖父の静けさとは裏腹に、
棺の周りでは幼いひ孫がお鈴を打ち鳴らしながら
ニコニコと笑い、居合わせた親戚が
「やかましいって言いながらじいさんが化けて出るぞ」と
冗談を言って笑い。
なんとも賑やかな1日でした。
ひとつひとつお勤めを果たすたび、
私たち家族は祖父の死を受け入れる
心の準備を整えていきました。
手帳を見返すと、
親戚がこぼした何気ない言葉や祖父との思い出、
お寺の方丈さんのお話など様々なことが書いてありました。
その時にしか書けない気持ちを書くことで
心の整理になりました。
当時はなんとも思わずに書いていた一言が、見返した時に
「あぁそういうことか」と思えることもありました。
かなしい思い出でしたが、
記録に残しておいてよかったと思いました。

(まぁちゃん)



かなしいことって、
「かなしい」という気持ちに
大きく覆われてしまいそうになりますが、
まぁちゃんさんが何気なく書き留めたことばや
ちょっとした場面に、おじいさまへの思いが
たいせつに残されているような気がしました。