Hobo Nikkan Itoi Shinbun 社長に学べ! おとなの勉強は終わらない。vol.6  株式会社パソナ社長 南部靖之×糸井重里


第2回 会いたい人に、すぐ手紙。

僕は人に会うのが好きだから、
会いたいと思ったらね、すぐ行く。
今日の晩もね、
バラの苗を仕入れに、八ヶ岳に行くんですよ。
で、明日帰ってくる、トラックで。
さっき急に「よし行こう」と決めて、
もう行くんだけどね。
  ハハハハハ。  
それはもう、世界中の方々に対して、
そうなんです。
塩野七生さんの本を読んで、
「イタリアか、よし、行こう!」
パッと電話かけて、
返事来る前にダーッと行っちゃうんです。
  まず行って待ってる(笑)。  
塩野七生さんが
「あんたみたいな人、知らんわ」
と言ってね(笑)。
35歳くらいの頃で、もうずいぶん前だけど、
今でも覚えています。
レーガン大統領からはじまって、
会いたいと思ったらバーッと行きます。
  「近くに来てるんだけど」(笑)。  
ハハハ、
いや、そんなわけじゃないんだけども、
ちゃんと手紙を書いて送るんです。
  南部さんの本『この指とまれ』のなかでも
「どういう人ですか」と人から訊かれた
本宮ひろ志さんが
「こういう人だ」って巻きものみたいな手紙を
見せるシーンがありますね。
 
そうなんです。
僕、アナログなんですよ。
  手紙を書くときは筆を使われるんですか。  
筆なんです、今でも。すぐ筆。
筆だけで100本ぐらい
ザーッと並んで持っています。
墨も全部自分で中国行って買ってきますし、
朱の色は自分で作ります。
だから、僕の書いたものは100年先でも
朱肉を見れば偽物か本物か全部わかるわけ。
特殊なインクを使っていますから(笑)。
  はああ‥‥。  
結局、好きだからやってるんです。
だって、半紙も自分で漉きに行きますから。
  !!!  
社員の誕生日、結婚式にも、
そうとう長い手紙を筆で書いたりして。
  パソコンは
今でもしないままですか?
 
できない。ほんとにもう、
僕は超時代遅れですよ。
テレビなんてまったく見ないし。
  都会が、もしかして
山や川に見えるのかなあ。
江戸時代みたいに。
 
糸井さんは、いま
京都にお住まいなんですか?
  いいえ、住まいは東京ですが、
月のうち何日かは
京都にいるようにしてるんです。
明後日からまた5〜6日ぐらい
行くことにしてます。
 
ほう。
  きっと、自分の見る景色を
変えたいからなんでしょうね。
山や田んぼが目の前にあるような場所で
ゴロゴロしてると、
また東京に戻りたくなるんですよ。
これからぼくは、できれば
「変える」ということを
テーマ
にしたいとも思っているんです。
 
そうね。これは偶然かもしれないけども、
僕たちも、町の中で、
自分の「庵」のようなものを
作りたいと思ってるんです。
土地は350坪、建坪は35坪(笑)。
  それはすごい。  
35坪の家以外の、残った300坪には
そのままみんなで畑を作って
採れたものを食べよう、
ということになったんです。
それで、段々畑を作りましてね。
  もう作ったんですか?  
いやいや、いまその最中です。
その段々畑、自分たちで作ったもんだから、
先日、雨がたくさん降ったとき、
崩れちゃってね(笑)。
長靴はいて、ようすを見に行きました。
  ああ‥‥それでしたら、
永田野菜DVDセット
お渡ししますよ。
 
え?
  野菜の育て方をDVDにしたものです。
それを見ながらおいしい野菜がつくれますよ。
 
おもしろいねえ。
糸井さんの話はいろいろ聞いてるけど、
すごいですね。
いや、もう忙しいのに、よくまあ
DVDまで制作されて(笑)。
その野菜のDVDは、どうして?
  「これからは農業だ」「農地もある」
「人手もある」
そこがわかっているときに、
どうすれば早いかというと、
「ノウハウをばらまく仕事だよ」
ということになって、
ノウハウを通販しているんです。
 
すっごく大切。
大切、僕、そう思います。
(明日につづきます!)
2006-09-06-WED
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