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ぼくは、お菓子そのものが
概念として好きなんですよ。
お菓子というものが
世の中にあるっていうこと自体が、
ハーッと、気持ちいいんです。 |
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お菓子は、ぼくらを
甘えさせてくれるものなんです。
お砂糖が必要不可欠かどうかの話じゃなくて、
お菓子は、みんなが好きなものなんです。
お菓子の話をするときは、
みんながにこやかでしょう。
ぼくは、お菓子は花よりすごいと
思うくらいなんです。
そこの仕事をしてるということ自体が、
斎藤さんっていいなぁと思うんですよ。
この「社長に学べ」のシリーズでは
いろんな方と話してきましたが、
次に誰に出ていただこう、と考えたときに
「そうだ、斎藤さんだ。
あの人は、お菓子の場所にいる人だ」
と思いついたんです。 |
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例えば「自転車部品ってすごいんだよ」という
物語だとして、
とてもいいお話を伺えたとしても、
きっとこんなには広がらないと思うんです。
景気がもっと悪くなったり、
争いが起こったとき、
「お菓子の話すること少なくなったね」
となったら、もうそれは終わりです。 |
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お菓子の話をできるぼくたち、
ということの裾野を、
もっとつくっていけたらな、と
思うんです。 |
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お話をうかがってて、
何よりおもしろかったのは‥‥
斎藤さん、悩んでないじゃないですか。 |
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大局を語りすぎず、
自分がやりたいこととやれることを
順番にやってきたという感じが
やっぱりしました。
これは今の時代に勇気がいるなと思うんです。
「世界はこうなるから」
と言いながら、一生懸命考えたって
どうにもならないですよね。
「やっぱり、できることを順番に」
そういう社長が、本当は
世の中にいっぱいいると思うんです。
それは会社員にも役に立つ。
こういうコンテンツを
みんなに読んでほしいなと思う時期が
来たんだなと思うんです。 |
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チョコレートを割ったり
モデムつけちゃって怒られたり(笑)、
そういう社長が。 |
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この会社がクオカという名前になって
ちょうど10年経つんですけど、
クオカは、30年、50年、100年と
お客さまのお菓子づくりを
お手伝いしていく会社にしたいなと
思っています。
ですから、会社としては
もっとしっかり組織を
つくっていかなきゃいけないという、
そういう段階に来ちゃったなと思っています。
ぼく自身は、昔のほうが絶対たのしいんですよ。
あの、寝ないでやってたときのほうが、
たのしいんです。
だけど、社長としてやらなきゃいけないことに、
自分の仕事をシフトしているところです。
それを喜びにしていくしかないと思ってます。 |
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ホームページを見ると、スタッフの方も
たのしそうにやってらっしゃいますね。 |
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たのしそうにやってると思います。
売上げがどうのとかいうことよりも
それが今、いちばんうれしいですね。
「クオカのみなさん、元気いいですね」とか
「たのしそうですね」って
お客さまに言ってもらえるのが
何よりの喜びです。 |
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ぼくも、そこはよくわかります。
ああ、たくさん話しましたね。おもしろかった。
斎藤さんが、普通で、ほんとうにおもしろかった。
ありがとうございました。
言い足りないこと、ありませんか。 |
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あの‥‥前に「いろどり」の横石さんと
トークイベントをさせていただいたときに
糸井さんの言葉に
ぼくは感銘を受けたんですけど。 |
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いや、そうじゃなくて(笑)。
糸井さんは
「買うことがいい製造者を育てる」という
話をされたんです。 |
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よく考えると、製造する人とお客さまの間に
ぼくらのような小売りする人間がいます。
ですから、我々は両方見なきゃいけないです。
いい消費者も育てて
いい製造業も育てなきゃいけない。
糸井さんのお言葉を聞いて
ぼくらは社会的使命が大きいなと思いました。
製造者とお客さま、そこに我々が間違いなく
介在していて、
いいものが売れれば
いいものをつくる人ができる。
だから、我々も
いいものを売っていいものをつくってもらい、
いいものを買ってもらって喜んでもらう、
それはすごく大切だなと思いました。 |
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そうですね。
お客さんに対していい顔できても、
製造する人がどう喜んでくれるだろう、
ということについては
つい後回しになっちゃうんですよね。 |
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バレンタインが終わると、
ぼくらも少しは時間ができる時期が来るので、
そのときには
できるだけ製造者の方々のところを
回ることにしています。 |
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そこはとても大事なことですよね。
ぼくらも見習うようにします。
最後に、お父さんのことを訊いていいですか?
徳島で、インターネットを熱心にやってる
斎藤さんを
柱の影から見ていたお父さんは、
今、何とおっしゃってますか?
「えらいところまで行ったな」とか‥‥ |
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はははは。
お父さんって、
砂糖の悪口言ってると電話する人でしたよね、
たしか。 |
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ラジオで歯科医師会が
砂糖で虫歯になると放送したとたん、
歯科医師会に電話して怒鳴り込み、
2時間説教してきました。 |
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そこにもビール会社の社員と
共通したものを感じるなぁ。 |
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(おしまい。ご愛読、ありがとうございました) |