レストランのサービスは4段階で
提供されると言われます。
まずスタートがお出迎え。
ご挨拶からはじまって、お荷物をお預かりしたり
お席にご案内したりという、
お食事の環境を整えて差し上げるコトが主な目的。
次に、ご注文をいただくという段階。
メニューをお渡しし、必要とあればご説明申し上げ、
注文をとる。
3段階目が料理の提供。
そしてお見送りという最後の段階で幕を下ろすという流れ。
中でも一番の腕の見せどころが
実は注文を取るという2段階目。
ご注文をいただきながら、
そのテーブルでくりひろげられるであろう
おいしい時間をイメージする。
例えばこの温かい前菜のご注文であれば、
冷たい前菜との間に
20分ほどの時間がかかってしまうであろう。
お急ぎのようであれば、別の前菜をオススメするか、
会話が弾みそうなお客様ならば、
そこでワインリストをお持ちして、
メインディッシュ用のワインのご説明をしてみようかと、
頭の中でサービスのストーリーを組み立てながら
注文をとる。
首尾よく注文をとりおえることができれば、
そこからはお客様のリズムにあわせて
料理を提供するばかり。
サービスの神様は続けます。
「オススメしてたのんで頂いた料理を提供するときには、
その説明にも力が入ります。
そのお料理のお皿を下げにいくときは、
『いかがでしたか?』
と自然にお声をかけることもできたりします。
つまり、『注文をお受けする』というサービスは、
お客様とわたくしどもとの
コミュニケーションのはじまりなのだと
思っていただけるととても助かる。
だからどんどん、質問をしてもらいたいのです。
クエスチョンこそが、よいサービスを引き出すキッカケ、
鍵なのですネ。
なのに、『知らない』と言えない人が多いのでしょう。
なかなか質問をなさらない。
知らないコトがまるで恥のように思われて、
プロの知恵や経験を借りるコトをしないって
もったいないと思いますよね。
特にメニュー。
文字だけのメニューではわかりにくいから、
写真を入れてとおっしゃる方があまりに多い。
たしかに写真があればどんな料理か一目瞭然。
でもどんな料理かが食べる前から
わかってしまっているなんて、
タネを教わってから手品をみるようなもの。
食材や料理方法が詳細に説明されて、
料理自体のイメージが大体ついたとしても、
どんなお皿でやってくるんだろう。
どんな盛り付けなんだろうと想像するのも
おいしく料理をたのしむ時間。
イマジネーションをふくらませるお手伝いをするのが、
私たち、サービススタッフの大切な仕事。
私たちの言葉に耳を傾けていただけるお客様が
ひとりで増えてくれればいいのに‥‥、と思いながら、
日々、精進いたしております‥‥」
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