ところでブランド。
飲食店の人たちを勉強をしていると、
彼らは一様に「ブランドイメージを高めたい」と言う。
ならば「ブランドの本質って一体、
どういうものだと思いますか?」と聞くと、
なかなかスパッと答えがでない。
ボクはそんなとき、こう答えることにしています。
ブランドっていうものは、
自分の売りたい値段で売り切るコトができると
いうコトなんだよ。
値引き販売をしなくていい店。
あるいは会社。
つまり「定価でお客様をよろこばせる」ように
努力しつづけている人たちが、
その努力の結果手にするコトができる栄誉がブランドで、
有名だとか、高価だとかで線引することができない言葉。
なのに中には一生懸命、有名になりたくって
値引き販売をしたりする人がいるのです。
見当違いだし、とてももったいないと思う。
そもそも飲食店というのは、ちょっと変わった商売で、
値付けする人と、製造する人、そして販売する人が同じ人。
他の人が決めた値段で仕入れて
そのまま売るような商売じゃなく、
ある意味、値付けが自由にできる。
自分で決めた値段を自分であっさり下げる。
それなら最初からもっと慎重に
値段を決めればいいのになぁ‥‥、
と値段をつけた人の誠意を疑ってしまう。
何割引という言葉のうつろなコト。
限定何食というのにもかすかな嘘の香りがします。
高級を名乗る立派なレストランが、
始終、何割引きかのクーポンを出して、
お客様を呼び込もうとする。
その一方で、大衆的なビストロだけど、
決して値引きをすることなく
この何十年もお客様をもてなしている。
どちらにブランド価値が有るかといえば、
絶対それは後者に違いない。
信用するに足りるお店のひとつの指針。
さまざまなリスクを考えて、
長くひとつの値段で商売できるように、
価格設定には命をかけましょう‥‥、
とボクはレストランの人たちに言う。
ただ、抜け道が一つだけある。
コンサルタントとは時に
悪知恵を働かせるコトも仕事のひとつ‥‥、
自虐的に過ぎますけれど(笑)。
さて、その抜け道とは一体なにでありましょう?
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