富澤先生 |
きょうはおふたりとも
ご自分の手帳をお持ちなので、
まずはそちらを見せていただいても
よろしいでしょうか。
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ナカバヤシ |
あ、はい。
覚悟はしてました‥‥よね?
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西田 |
はい(笑)。
もう、ほんとうに恥ずかしいんですけど。
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富澤先生 |
では、男性のほうから。
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西田 |
ぼくはまさにその、字がきたなすぎて、
自分で書いたものが読めなくなっちゃうんです。
たとえば、これとか‥‥。
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富澤先生 |
ああ‥‥。
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ナカバヤシ |
なんて書いてあるの?
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西田 |
ええと‥‥
販売テストは26日‥‥金?
15時、ハサ‥‥め?
‥‥すみません、読めません。
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富澤先生 |
‥‥‥‥これは、
急いでお書きになってるんですよね。
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西田 |
そ、そうですねぇ‥‥。
ただ、デフォルトでこんな感じなんです。
殴り書きみたいになってしまう。
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富澤先生 |
‥‥セミナーを受けた方から、
「六度法だときれいに書けます。
ところが急いで書くと元の木阿弥です。
早くてもきれいに書ける方法はありませんか」
というお尋ねがよくあるのですが、
それはなかなか難しいんです。
「六度法」は「速書き法」ではありませんから。
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西田 |
はい、それはもう‥‥はい。
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富澤先生 |
「六度法」は基本的に、
ていねいに書くときのものです。
ていねいに書くときに、
さっきの3つのルールが使えます。
無論、習熟することによって速さも増しますけど。
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西田 |
なるほど、わかりました。
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富澤先生 |
「読み直したいと思う手帳にする」
という目標を持たれると、
いいかもしれません。
そうすれば、
最低限のていねいさが出て、
「六度法」が有効になると思います。
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西田 |
そうですよね‥‥
きたない字だから読み返さない。
それじゃあ、メモの意味がないですよね‥‥。
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富澤先生 |
まずは右上がり六度にすることです。
女性のかたは、いかがでしょう。
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ナカバヤシ |
わたしもやっぱり、速書きなのかも‥‥
いつもこういう‥‥。
読めないというほどではないんですが。
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富澤先生 |
なるほど。
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ナカバヤシ |
なんだか年々、
字がダメになってるんです。
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富澤先生 |
‥‥たとえばここに、
「人員」というのが書いてありますよね。
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ナカバヤシ |
え? あ、はい。
「人員」。書いてます。
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富澤先生 |
「人」は、最後の右下のはらいをですね、
こう、左サイドよりも、下までもってくる。
これだけでいいんですよ。
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ナカバヤシ |
ああー、はい。右下に重心を。
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富澤先生 |
そうです。
で、「員」でしたら、
何本かの横の線を右上がりにしまして、
最後の点をやや引っ張り気味にするんです。
これで右下重心になります。
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西田 |
なるほどー。
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富澤先生 |
この「員」という字は、
3つのルールをすべて使いますね。
第1ルールの「右上がり六度法」、
第2ルールの「右下重心法」、
そして第3ルールの「等間隔法」も。
「目」の部分の横線を等間隔にするんです。
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ナカバヤシ |
そうか、すべての漢字が
3つのルールを使うわけではないんですね。
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富澤先生 |
そうですね、パターンがあります。
「人」という字は、
第2ルールの「右下重心法」だけで書けます。
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ナカバヤシ |
‥‥ほんとだ、
第2ルールだけですね。
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富澤先生 |
細かくご説明すればいろいろありますが、
まずは3つのルールを意識しながら、
いろいろ書いてみることですね。
要するに3つのルールの、
どれかを使えばいいわけです。
さあ、どうぞ書いてみてください。
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ナカバヤシ |
はい。
‥‥右上に6度。
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西田 |
右下に、重心を‥‥。
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西田 |
‥‥あ、なんかちょっと。
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ナカバヤシ |
もう、きれいになった(笑)。
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西田 |
気のせいかな、なんかちょっと。
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富澤先生 |
いいと思います。ていねいですし。
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ナカバヤシ |
‥‥ああ、たしかに。
なんだかちょっと、うまくなってる、
うまくなってるかも(笑)。
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西田 |
おお、ほんとだ。
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ナカバヤシ |
へえーーーーー!
そうですか‥‥
いやあ、すごいですね、
いまちょっと、お話をうかがっただけで。
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富澤先生 |
簡単なんです。
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西田 |
六度の角度で‥‥。
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富澤先生 |
右上がり6度というのは、
どれくらいかというとですね、
時計の文字盤でいうと14分のところです。
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西田 |
14分?
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富澤先生 |
時計の針は、1分が6度なんです。
ですから14分のところが、
右上がり六度ですね。
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西田 |
腕時計で確認を‥‥。
ええと‥‥14分に分針をあわせて‥‥。
こうだ。
このくらいが、六度。
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富澤先生 |
そうです。
ただ、ほんとうに美しい角度は
「六度強」なんです。
六度と、ちょっと。ですから、
13分から14分くらい。
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西田 |
ちょっと微妙な位置ですね。
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富澤先生 |
だいたいの見当でいいんです、
ファジーでいいんです。
たいせつなのは、
この角度でそろえて書くということですから。
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ナカバヤシ |
うーーん、すごい。
ほんとに簡単なんですねぇ‥‥。
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富澤先生 |
そう、まずは3つのルールを知るだけで、
ずいぶんきれいになるんです。
それだけで、
心を込めてきたない字を書くことがなくなる。
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西田 |
心を込めてきたない字を(笑)。
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ナカバヤシ |
いっやぁ(笑)、
まさしくわたしは、
いままでそれでした。
心を込めてきたない字を
書き続けてきました。
(つづきます) |