ナカバヤシ |
ひらがなやカタカナにも
「六度法」が使えると先ほどうかがいました。
その場合も、右上がり六度で書くのでしょうか。
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富澤先生 |
そうですね、基本的には。
それでは、
仮名を書く前に、
ちょっとこれを使って練習してみてください。
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西田 |
この用紙の線が、六度なんですね。
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富澤先生 |
ええ、右上がり六度です。
まずはそれを、左から右に、なぞってください。
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ふたり |
はい‥‥(書く)。
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ナカバヤシ |
(集中)
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西田 |
(集中)
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富澤先生 |
‥‥それが、右上がり六度です。
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ナカバヤシ |
ん、ちょっと右に上がりすぎちゃう‥‥。
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西田 |
ほんとですね、ぼくも上がりぎみかも。
意外と難しいですよ、これ。
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富澤先生 |
子ども向けの講座でも、
大人向けの講座でも、
最初にこれをやっていただくんです。
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ナカバヤシ |
野球で言うと、素振りみたいなものですね。
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西田 |
フォームを覚える、みたいな。
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富澤先生 |
そうですね。
この角度、右上がり六度を
からだの癖にしてしまうと、いいと思います。
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ナカバヤシ |
なるほど(書く)。
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西田 |
からだの癖に(書く)。
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富澤先生 |
‥‥いいですね、いい感じです。
それではそこに、
カタカナの「ア」を書いてみてください。
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ナカバヤシ |
(書く)‥‥おー。
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西田 |
(書く)書きやすい。
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富澤先生 |
次に、カタカナの「ウ」を書いてみてください。
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ナカバヤシ |
(書く)‥‥スムーズに斜めに書ける。
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西田 |
(書く)‥‥六度という感覚が、よくわかります。
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富澤先生 |
次はですね、
カタカナの「ソ」を書いてみてください。
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ナカバヤシ |
‥‥ソ?
むつかしいですね。
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西田 |
このマス目に、どう配置をすれば‥‥?
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富澤先生 |
ポイントは、
1画目と2画目の書き出しです。
1画目のスタート位置からみて
右上がり六度の位置から
2画目をスタートしてください。
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西田 |
(書く)‥‥こうでしょうか?
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富澤先生 |
そうです、それです。
では同じように、
「ツ」を書いてください。
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ナカバヤシ |
(書く)‥‥書ける。
なんかうれしい(笑)。
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西田 |
(書く)あ、きれい。
きれい、きれい。
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ナカバヤシ |
西田くん、すごい!
「ツ」がきれいだよ。
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西田 |
「ツ」がきれいなんて、
人生ではじめて言われました(笑)。
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富澤先生 |
横の線を右上がり六度にする。
スタート地点を六度の位置関係にする。
このふたつで、
カタカナ46字中の39字がきれいに書けます。
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ナカバヤシ |
‥‥なんか、
みるみる字がうまくなってゆく(笑)。
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西田 |
ねえ(笑)。
調子いいことを言ってるように
思われるかもしれないけど、
ほんとにそんな気がしてます、いま。
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ナカバヤシ |
そう、すんなりと書けたんです。
カタカナって、六度法にぴったりなんですね。
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富澤先生 |
カタカナは
漢字の一部が独立したものですから、
漢字を分析して発見した
「六度法」が当てはまるんです。
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ナカバヤシ |
そうかそうか、なるほどー。
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富澤先生 |
ただし、
「イ、ト、ノ、ヘ、ム、メ、レ」の
7文字だけは例外で、
六度法に当てはまりません。
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西田 |
「イ、ト、ノ、ヘ、ム、メ、レ」
‥‥そうですね、当てはまらない感じです。
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富澤先生 |
それでは今度は、
ひらがなを書いてみましょう。
「つ」を書いてみてください。
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西田 |
「つ」。
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富澤先生 |
ひらがなは曲線的になりますけれど、
丸みを帯びながら右上がりで。
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ナカバヤシ |
(書く)丸みを帯びながら‥‥。
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西田 |
(書く)右上がりで‥‥。
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ナカバヤシ |
‥‥あ、きれいだわ。
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富澤先生 |
じゃあ、「て」を書いてください。
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西田 |
て?
‥‥あれ?
「て」って、どうなるんだろう?
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富澤先生 |
「て」のようにですね、
折り返しになるところはこうやって、
深く重ねてこうやって持ってくると‥‥。
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ナカバヤシ |
おー、深く。
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西田 |
へぇー。
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富澤先生 |
これを2回重ねると、
「そ」になりますね。
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ナカバヤシ |
え? ‥‥ああー、そうですね、
深く折り返すところが2回あるのが、
ひらがなの「そ」ですね(書いている)。
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西田 |
「そ」をそんなふうに見たことは
いままでなかったです(書いている)。
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富澤先生 |
「さ」はどうでしょう。
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ナカバヤシ |
「さ」‥‥むずかしいですね。
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富澤先生 |
まずは書き出しを‥‥(書く)、
右上がり六度に持っていきます。
そうしましたら‥‥
こことここの位置が六度になります。
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西田 |
あ、そこですかー。
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富澤先生 |
六度法を使った
カタカナとひらがなにつきましては
こちらにまとめたものがあります。
どうぞお使いください。
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西田 |
あぁ‥‥これはいいですね。
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富澤先生 |
ちょっと練習していただければ、
すぐに整ってくると思います。
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ナカバヤシ |
これはうれしい。
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西田 |
こちらを「ほぼ日」の読者と、
共有させていただいてかまわないのでしょうか。
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富澤先生 |
どうぞ。
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ナカバヤシ |
わぁー、ありがとうございます。
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※画像クリックでダウンロードできます。 |
ナカバヤシ |
これはうれしい。
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富澤先生 |
右上がり六度線は
『六度法マスターノート』
というのがありますので、
そのノートで2週間ほど、
毎日15本から20本くらい引いていただくと
感覚が身につくと思います。
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西田 |
さっきの素振りですね。
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ナカバヤシ |
フォームをつくる。
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富澤先生 |
はい。
あとは、「六度法」の本で自学できますので、
ご覧になってみていただければと思います。
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西田 |
なるほど、なるほど。
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富澤先生 |
それと、そうですね、
先ほども申し上げましたが、
「六度法」というのは横書きのときに
ひときわ威力を発揮しますので、
その意味では、この手帳に向いていると言えます。
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ナカバヤシ |
そうですか。
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富澤先生 |
この手帳のマス目の上に、
目に見えない右上がり六度線を想定しまして、
それで書いていただければ、
文字もセンテンスも整うと思います。
簡単にコツがつかめると思いますので、
なさってみてください。
(つづきます) |