ひびのこづえさんが訪問した
「sunui(素縫い)」のアトリエ。
天井からぶらさがった、たくさんのもの。
壁に描かれた試し刷りの跡。
棚に並んでいるカラフルな雑貨たち。
おもちゃ箱みたいな1階
(でもちゃんとした作業場なんです)の
見学を終えて、
一同、いよいよ2階へ上がります。
2階で見つけたものは、なんと‥‥。



根岸「ちょっと狭いし、犬もいるんですが、どうぞ」
ひびの「ドキドキしますね」
根岸「こんな人数が来るのは、初めてじゃない?」



真っ黒い犬が出迎えてくれました。
けっこう「ゆうこうてき」です。



糸井「お、かわいいねーーー。名前は?」
根岸「クルリです」
糸井「クールリー、クルリー、クルリー」



糸井「ああ、これくらいのスペースで
   作業できちゃうもんなんだね」
ひびの「ねぇ。コンパクトですよね」



「sunui(素縫い)」がつくる
さまざまな作品の材料になるのが、
アジアの国々で買い付けてきた「素材」。
2階の棚には「素材」がびっしりと並んでます。



冨沢「ビーズ屋さんでビーズを買ったりしますけど、
   そういう、かわいい素材よりも、
   工具屋さんで買ったワッシャー
   とかのほうが素材になったりして(笑)」



冨沢「旅行先で、4人がそれぞれの目で、
   素材になりそうなものを買い集めるんですけど、
   ふつうの人が見るとギョッとするようなものを
   こう、大事そうに抱えてたりするんです(笑)」



ひびの「いろんな種類のものが
    ばらばらに並んでいるわりに、
    トーンがけっこうまとまってますよね」
糸井「要するにさ、同じバンドなんだよ」
ひびの「ああー、なるほど」



糸井「(素材を観察する、ひびのさんを見て)
   おもしろいねぇ、ひびのさん、
   ぼくらとはぜんぜん違う目で見てる」
ひびの「そうですか(笑)。
    こういうものが欲しくなったら
    どこで買ったらいいか訊いてたんです」



糸井「ひびのさんは、こういうふうに
   まず材料を集めておいてっていう発想は
   あまりしないんですか?」
ひびの「あたし、だめなんですよ。
    買ってきて、集めとくのが苦手なんです。
    だからこういうのって憧れるんだけど、
    できない性分なの」



根岸「あたしたちは逆に、素材を見ると、
   使ってみたい !ってすごく思うんだね」
糸井「つまり、先に素材が現物として
   見えていたほうがいいんだね」
糸井「だから、ひびのさんとは作家性が違うんだね」
ひびの「ええ、違うんでしょうね」
糸井「違うバンドなんだ」



ひびの「あと、4人でやれている、
    っていうのが、うらやましいですね。
    あたしは絶対、ケンカ別れしちゃうと思う」
糸井「音楽でいえばソロなんだね、ひびのさんは。
   譜面を1人でつくって演奏する、
   みたいなことですよね」



片平「譜面、1人で書けないよね、私たち(笑)」
冨沢「ふふふふ」



冨沢「これ、カンカンバッチの初代バージョンです」
糸井「へーーー!」
白石「道路で、カンカン叩いて、つくってました」
根岸「アスファルトの跡がある(笑)」
ひびの「クルマに踏ませてつくったのかと思った」
一同(笑)



片平「そもそものはじまりは、最初の展示会のとき、
   誰がsunuiの人かわかるように
   バッチを作ろうって言って
   自分たち4人用に作ったものなんです」



糸井「気持ちはいまと同じなんだろうね。
   初代のバッチを取っておいてあるのいいね」

(つづきます)


2011-04-15-FRI