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関根 |
補助先生には、そのくらいのデカさがないと
いけません。
あの先生は面白いこと言ってんな、
煙草やめようかな、という気持ちになります。
「なんで煙草喫ってんだ、喫うんじゃない!」
じゃなくて、
なんで吸ってんだ、
なんかイライラしてんのか、ということを
問うていくことも必要なんです。
「お母さんとお父さんが、不仲なのか?」 |
ほぼ日 |
いろんなことをフォロー‥‥大変ですね、
補助先生は。 |
関根 |
ですから、補助離婚先生も必要なんですよ。
バツ3先生。 |
ほぼ日 |
ご自身が体験なさってるから
「お父さん、お母さんにもいろいろあるよ」と。 |
関根 |
「君らのお父さん、お母さんも、
すごく、がんばってるぞ。
俺もそうなんだよ。
息子に『ふざけんな』とか言われて
殴られることもあるよ。
でも、結局は、
夫婦は別れるけど親子は別れられないんだよ」 |
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ほぼ日 |
息子に殴られている先生(笑)。 |
関根 |
お父さんが厳しすぎて
子どもがイライラしている家も、あるでしょう?
そのお父さんだって、もともとはおじいさんに
そういうふうに育てられたんです。
ところが、お父さんには
それに耐え得る世の中の環境と
自己の心があったわけです。
おじいさんの厳しさに耐える、
モチベーションがあったわけですよ。 |
ほぼ日 |
はい、はい、はい。 |
関根 |
ところがそれを息子に、
同じようにやってはいけないんです。
だって、自分の遺伝子は
半分しか伝わってないし、
世の中は緩くなってるわけですよ。 |
ほぼ日 |
そうすると、まるで違ってくる‥‥。 |
関根 |
子どもには動機もないし、
耐えられないんですよ。 |
ほぼ日 |
うーん。 |
関根 |
そこも補助先生がフォローするんです。
補助親子先生っていうのも、必要なんですよ。 |
ほぼ日 |
親子を補助するんですか? |
関根 |
「お父さん、ちょっと待ってださい。
たしかに、お父さんは耐えられたでしょう。
あなたは強い人だからね?
でも、息子さんはナイーブなんですよ。
そんなモチベーションまで押しつけて
どうします?
こういう事件、こういう事件、起きてますよ?
確かにお父さんがおっしゃること、
正しいんですよ。
自分が自分のお父さんにやってもらった、
あんとき、きつかった、やめたかった、
でも結果、あなたはそうやって
医者になったり、出世した。
『ああ、あのときのお父さんの
厳しさのおかげで、今の俺があるんだ』
それは正しいです。
それを、息子さんに押し付けちゃった。
それもわかります。
だけど、息子さんの気持ちもわかってください。
辛いんです、お父さん。ね?
じゃあ、お父さん、ね?
お父さんが今、
たとえば、えー、10キロ、
10,000メートルです、
10,000メートルを30分以内に走りなさい、
つったらきついでしょ?」 |
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ほぼ日 |
(その気になって)きついですよ。 |
関根 |
「ところが、1時間で走ってください、
って言ったら、
今のお父さんは走れないけど、
毎日ジョギングして、
3年ぐらいかけたら、できるかもしれない。
だから、息子さんには30分じゃなくて
1時間ぐらいの余裕を与えてくださいよ」 |
ほぼ日 |
たとえが具体的で。 |
関根 |
そういう家庭の先生も必要なんです。
もう世の中が間違い過ぎちゃってんですよ。
だから補助先生は、いっぱい必要なんです。 |
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(つづきます!) |
2008-07-25-FRI |