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観覧客A |
ほぼ日の会議室をギャラリーにした
「劇団セルフタイマー展」は、
いよいよ最後の展示作品となりました。
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糸井 |
そのようですね。
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観覧客B |
糸井さんの劇団行為はこのあとも続いていますが、
ひとまず、ここまでを展示しました。
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はやめのさんぽ。(4)
さぁさぁ、
「劇団セルフタイマー」の公演。
山道でもチャレンジします。
観客は、特になし。
2013/05/02 18:46 |
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糸井 |
これはゴールデンウィークの京都ですね。
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観覧客B |
この日、何度か更新されていた中のひとつが
「劇団セルフタイマー」だったのです。
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観覧客C |
これがまた‥‥
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観覧客D |
ね(笑)。
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観覧客A |
過去最高にすばらしい
「セルフタイマーポーズ」だと思います(笑)。
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観覧客B |
姿勢をぐーーッと(笑)。
このしずめ方は、すごい。
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観覧客C |
ぎりぎりで、フレームに入ってるんですよ。
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糸井 |
うん。
すれっすれで、セーフ。
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観覧客D |
これ、まっすぐ立ってたら、
たぶん頭が切れちゃってましたよね。
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観覧客A |
何を目印にして、この高さになれたんですか?
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糸井 |
これは、あれです。
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観覧客B |
はい。
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糸井 |
勘。
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一同 |
はああーーーー。
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糸井 |
勘です。
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観覧客C |
経験を重ねてきたから、の勘ですよね。
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糸井 |
そうなのかもしれない。
これもたしか、切り株にカメラを置いたんです。
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観覧客D |
公演を重ねるたびに、
心なしか女優さんも落ち着いてきたような‥‥。
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糸井 |
ですから、それはつまり、
ぼくにちょっとだけ余裕が出てきたということです。
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観覧客A |
あー、なるほど、そうでした。
監督の心理状態に女優は敏感ですから。
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糸井 |
「ああしなさい、こうしなさい」
って言うのも、最近はなるべく言わないんです。
あんまり注文をつけすぎると
「私は女優よ!」ってなっちゃうから。
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観覧客B |
へええー(笑)、
やっぱり監督というのはむずかしそうです。
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糸井 |
簡単ではないですよねぇ‥‥。
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観覧客A |
というわけで、展示作品は以上です。
すべての解説をありがとうございました。
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糸井 |
こちらこそありがとうございました。
けっこうたくさん撮ってましたね。
あと、それなりにおもしろかった(笑)。
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観覧客B |
それなりにどころか、
これは展示会として
十分濃くておもしろい内容でしたよ。
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観覧客A |
ですからこれを機会に、
読者のみなさんにも
セルフタイマーで撮った写真を送ってもらおうと。
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糸井 |
そうですか、読者に募集を。
‥‥応募があるかなぁ(笑)。
いや、やってみるのはいいと思いますよ。
たいていのカメラにはついている機能ですからね。
要は、やろうと思うかどうかなわけで。
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観覧客A |
はい。
「劇団セルフタイマー」の団員になるにあたって、
つまり自分で撮ってみるにあたって、
なにかポイントがあればうかがいたいのですが。
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糸井 |
撮影のポイントは、そうですね‥‥
やっぱり、新しい地平を開拓するような写真を
ぼくは見たいです。
セルフタイマーでこんなことができるんだ、
っていうのを劇団員同士で教え合いたい。
あとはそう、
ぼくの場合はわがままな女優がいるから、
苦労をするわけで。
その苦労が写真の味になるんでしょうね。
ひとりで写るだけだったら苦労はないんです、
タイマーをセットして走るだけですから。
その意味では、苦労の要素を課したほうが
いい写真になると思います。
動物といっしょに写るのは、基本的にいいです。
何を撮るかで迷ったら、犬や猫と一緒に。
それでいいと思います。
どんな写真が届くか、たのしみにしています。 |
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観覧客A |
はい、たのしみです。
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糸井 |
なんていうんでしょう‥‥
ここにある写真はぜんぶ「偶然そうなった」んですよ。
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観覧客B |
ええ、わかります。
おもしろくしようとはしていない。
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糸井 |
うん。
だから、これをやりはじめたころ、
「おもしろいですファンです」って山下さんに笑われて、
「ええ?」って思ったもん。
撮ってるときは、
これを見て人が笑うなんて思わなかったもん。
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観覧客B |
むとんちゃく、なんですね(笑)。
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糸井 |
そうそう、そうなんだと思う。
とんちゃくがない。
きれいな写真を撮ろうとか、上手に撮ろうとか、
そういうのは、もう、まったくない。
何かあるとすれば、
「気まぐれカメらを更新しなきゃ!」。
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一同 |
(笑)
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糸井 |
「どうだ、いい写真だろう?」っていうのは、
基本的にはないから、
そこが長続きしてる理由だと思う。
やっぱりさ、
写真は写真で、俳句とかと同じでさ、
「こういう俳句がいいんだよね」
っていうのがあるんですよ。
で、そういうのが撮れると、
「おぉ、いいね」ってなっちゃう。
そういうの、ぼくの写真には、ないもん。
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観覧客C |
言われてみれば、みごとにないです。
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糸井 |
もともとむとんちゃくに撮ってたんだけど、
このセルフタイマーで
さらにぼくは、とんちゃくがなくなってますよね。
いいだの悪いだのじゃないものなぁ‥‥これは。
いや、いいことに気づきました。
これからの人生、
ぼくはさらに「むとんちゃく」でいきます。
本日はありがとうございました。
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一同 |
(拍手)
ありがとうございましたー!
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観覧客B |
最後に監督、最高傑作の前で、
記念写真をお願いしまーす。
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観覧客C |
はーい。
じゃあ、撮りまーーーす。
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観覧客B |
なんてすばらしい、「セルフタイマー顔」!
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一同 |
(笑)
「劇団セルフタイマー」、作品鑑賞会は今回で終了です。
現在、みなさまからの投稿がどしどし届いています。
そちらをすべて見せていただいて、
選考会を行いましたら、
あらためて結果をお伝えいたします。
しばし、お待ちを。
ひとまずここまで、ありがとうございました!
後日また、お会いしましょー。
(つづきます) |