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つづきまして、ここからは「動物と」部門です。
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糸井 |
はい‥‥(この部門ぜんたいを見渡し)いいですね。
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いいです。
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糸井 |
全体的に言えるのは、
「いっしょに正面を向いて写りたい」
という欲望がみんなにあるんですよ。
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はい、はい、わかります。
ふたりでカメラ目線で写りたい。
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糸井 |
ところが、こうなります。 |
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劇団セルフタイマー監督 (crann3)さん |
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ははははは。
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糸井 |
この、ネコの名前は?
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ええと(コメントを読む)‥‥コドモちゃんです。
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糸井 |
「コドモちゃん、ほら、前向いて!」
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そういうことを言ったんでしょうね(笑)。
「あっち向いて! ほら、カメラの方!」
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糸井 |
そうすると、コドモちゃんは、
「なあに?」と、にんげんを見る(笑)。
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そう(笑)、声がする方を向きますよね。
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糸井 |
で、自分も、コドモちゃんを見る(笑)。
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いいなぁ(笑)。
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糸井 |
ものすごく多いパターンです。
これも、ほら。 |
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劇団セルフタイマー監督 (akkoxx)さん |
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(笑)ほんとだ。
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糸井 |
結局、本人と動物が見つめ合うの(笑)。
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いっしょにカメラを見ようとしている写真は
多いですね、ほんとに。
わぁ、これ(笑)。 |
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劇団セルフタイマー監督 (せれな)さん |
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糸井 |
おさえ技ですね。
うちの妻もよくやっています。
でも、そんなにね、無理やりでもないんです。
こう、手を添えて、
「ほら、あっち向いてー」と。
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みんな、いっしょに写りたいんですねぇ。
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糸井 |
あ、これは撮れてますよ。 |
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劇団セルフタイマー監督 (ぐりぐりコ)さん |
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糸井 |
撮れてますけど、
そーっと、後ろから近づいたんでしょうね。
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ああー。
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糸井 |
このネコが不動であることを確信してます。
寝てたんでしょう、たぶん。
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ネコの顔がトロンとしてますもんね(笑)。
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糸井 |
これも、撮れちゃってます。 |
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劇団セルフタイマー監督 (オクー)さん |
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撮れてますね。
いっしょにカメラを見ています。
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糸井 |
高さをあきらめたからじゃないかな。
「自分が低くなれば撮れる」っていうのは、
方法としてひとつあるんです。
ぼくにもほら、ありますよね、
地面にはいつくばってる作品が。
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はい。
今回のシンボルのような作品です。
コンテンツのトップ画像であり、
この会場にもパネルにして展示しました。
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糸井 |
ああ、そう、これです。
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糸井 |
つまり、こういうことですよ。
撮りやすいんです。 |
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劇団セルフタイマー家元・糸井重里監督 |
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‥‥でも、いくら撮りやすくても、地べたですよ。
さっきのかたは、まだ家の中ですが、
これは道路です。
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糸井 |
まぁ、服は汚れますね。
でもそんなのは
散歩から帰ってきたら着替えればいい。
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汚れることもそうですが、
道路で、糸井重里が、10秒寝てるわけです。
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糸井 |
何枚か撮ったので、10秒以上寝ました。
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なぜそこまで‥‥。
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糸井 |
「蟻など地を這う観客に向けての公演」
ということで、ひとつネタになりますから。
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その舞台根性‥‥。
鬼監督であり、役者馬鹿でもあります。
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糸井 |
そうですね。
らくな仕事ではないです。
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誰かにツイートされないか、心配です。
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糸井 |
見られてますよね。
この写真でも、横を車が走ってる。
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くれぐれも気をつけてください。
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糸井 |
ぼくの話はもういいでしょう。
次いきましょう。
これもね、気持ちがわかる。 |
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劇団セルフタイマー監督 (主演チャム)さん |
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桜の下で。
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糸井 |
撮れないんだ、これが。
「桜、私、犬」っていうのは
ぼくも何度か挑戦しています。
難しいんです。
この写真も、女優がよそ向いてる(笑)。
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それを「私」が見ている(笑)。
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糸井 |
どんどんいきましょう。
‥‥ああ、この顔は、いいなぁ(笑)。 |
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劇団セルフタイマー監督 (虎太郎の僕)さん |
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糸井 |
(コメントを読んで)そうかそうか、
これから歯を磨くところなんだ(笑)。
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ぺろんと、舌が(笑)。
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糸井 |
ほんと、いい顔してるなぁ(笑)。
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同じ方が、こんな作品も。 |
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劇団セルフタイマー監督 (虎太郎の僕)さん |
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糸井 |
へええーー、すてきじゃないですか。
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(コメントを読む)
「シャッターが降りる寸前
波が足元に押し寄せキャッとなった瞬間です。」
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糸井 |
すばらしいね。
なんならもう、表紙にしたいくらいだね。
‥‥何の表紙だろう?
そうだ、この人の本の表紙だ。
『LIFEのBOOK』の。
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ほんと、このまま手帳のカバーにしても。
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糸井 |
うん。いいね。
‥‥こっちの写真も、ちょっと気になる。
これはどういう場面だろう? |
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劇団セルフタイマー監督 (タオル)さん |
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散歩の途中で撮った、
ふつうのセルフタイマーでは?
(コメントを読む)‥‥あ。
これ、おもしろいです。
読みます。
「近所の公園に夫婦で紅葉を見に行きました。
木のテーブルにカメラを置いて撮影。
すると、散歩中の犬が乱入。
犬が苦手なわたしは身構えました。」
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糸井 |
なんと、しらない犬だった!(笑)
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関係のない犬だった!
すごい瞬間ですねぇ(笑)。
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糸井 |
つづきまして‥‥ええと‥‥これ。
この写真は、距離をとりすぎた(笑)。 |
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劇団セルフタイマー監督 (稲)さん |
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ちいさい(笑)。
でも、この安全な撮り方は‥‥
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糸井 |
ええ、ぼくもときどきやります。
だから気持ちがわかる。
ぜんぶ撮りたいんですよね。
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カメラを遠くにおけば、
画面からはずれる危険が減る。
でもそのかわり、ちっちゃくなっちゃう。
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糸井 |
一方で、これは近い(笑)。 |
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劇団セルフタイマー監督 (サンキュー三郎)さん |
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糸井 |
これも、やっぱりね、
3人並んでニッコリしたかったんだろうね(笑)。
それがもう、
なにがなにやらわからないことに。
右の犬なんか、どこが顔だかわかんない(笑)。
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ははははは。
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糸井 |
しかもこのひと、ダルマの顔のシャツを着て、
そのダルマの上にはスヌーピーが寝てる。
あのね、要素が多い!(笑)
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ごっちゃごちゃです(笑)。
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糸井 |
でもいいなぁ、動物の写真は。
ん? これは‥‥。 |
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劇団セルフタイマー監督 (ハッチママ)さん |
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糸井 |
お薬を持ってるみたいだね。
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ほんとうだ。
‥‥どっちが病気なんでしょう?
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糸井 |
(コメントを読む)
「マムシに噛まれ治療中です。」‥‥だって。
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えーー!
ど、どっちが噛まれたんですか?
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糸井 |
(コメントを読む)
‥‥それについては書いていません。
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書かれてない‥‥。
写真の感じでは、どっちとも言えますね。
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糸井 |
ふたりとも、なんかぼんやりしてる。
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気になります‥‥。
ちょっと待ってください(PCで画像を開く)‥‥。
送っていただいたこの画像の、
この、薬袋のところを拡大すれば‥‥‥‥
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糸井 |
どう‥‥?
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あ、ああーーーー!
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動物用の薬です!
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糸井 |
そうかーー。
(次の部門へ、つづきます!)
みなさんの投稿作をギャラリーにしました。
グランプリや佳作に選ばれるのはどの作品なのか、
予想しながらこの先の連載を読めば
さらにおたのしみいただけるかも?
ぜひ、ご覧ください。 |