10代、20代のみなさん、あなたの悩み、教えてください。 10代、20代のみなさん、あなたの悩み、教えてください。
しいたけ.青春の悩み相談室。

「しいたけ占い」などで人気の
占い師・作家のしいたけ.さんによる、
ざっくばらんな悩み相談室です。
みなさんからの青春の悩み相談と、
しいたけ.さんのお返事を、
毎回ひとつずつご紹介していきます。

青春の悩み 5
自分はなんて
つまらない人間なのか。

送ってくれたひと

はっち 21歳 女
1998/1/18生まれ

しいたけ.さんへの相談

私の相談なのですが、最近自分の中の自分に
気づいてしまったような、
突然冷静に(ネガティブとも言えるかも)なりすぎてしまって
自分の事が嫌で嫌で仕方なくなってしまいました。
どういう事かと言いますと、
面白いノリの良い友人達と比べて
自分はなんてつまらない人間なのか、という悩みなのです。
昔から私は自分から物凄くふざけたり
ギャグをやったりというような人ではなく、
その横で笑ったり、いじられる側のような存在です。
前まではそれについて劣等感を感じたり
ギャップに感じたことはないのですが、
大学に入学し、サークルなど、
より大きなコミュニティ、人に出会う中で、
劣等感を感じる事が多くなりました。
なぜか仲良いグループ、友人は毎回面白い人たちばかりで、
「どうして私と仲良くするんだろう?」や、
遊んで帰ってきた後は「私って本当につまらない」と
最近いつも自己嫌悪に走ってしまいます。
そもそも大人数でいたり人と群れたりする事に
絶対的な魅力を感じず、
人のSNS(インスタのストーリーとか)にも
なんの興味もわかない人間です。
ですが、その"1人"が好きな自分が
実は"独り"なんじゃないか?
自分のそういう所はおかしいんじゃないか?と
自分の気にしていなかった特徴が
そのギャップを生んでるんじゃないかと。

そのギャップを埋めないといけないと
思えば思うほど劣等感が募り、
自分にこれ以上"ダメ"のレッテルを貼り付けてしまいそうで
怖くて同年代の人と一緒にいるのを避けようとしてしまいます。
だからって、無理してふざけて
ノリノリになるのは違う気がして‥‥。
考え方次第なのはわかってはいるのですが、
辛さがピークに達してしまい相談させていただきました。

私のマイブーム

お笑いの動画を検索して見まくること!

しいたけ.さんからの答え

このお便りを寄せてくださったはっちさんは、
多分頭が良い人だと思います。
だから遠回りせず、思いっきり直球を投げさせてください。

あなたが誰かや集団と会っているとき、
ひどく疲れを感じてしまうのは、
おそらくあなたがそこで「一番」じゃないからです。

その集団で一番を自称している人、
そして一番だと扱われている人を
「この人はどう考えても一番の器じゃないだろ」
と思ってしまうからです。

ごめんなさい。直球をぶちこみました。

どうしてこんな品のないことを言ったかというと、
僕ははっちさんに
僕が好きな人たちが持つ「毒」を感じたからです。

いま僕が好きな友人たちや仕事仲間って、
「一芸に秀でたポンコツ」ばかりなんですね。
そういう人たちって、忘年会やクラス会や
結婚式の誘いから、一斉に逃げ出すんです(笑)。
僕も逃げます。なんでか。

ちょっと最低なことを言いますよ?

「自分が一番になれない環境の中で
2時間以上も拘束される」ということに
我慢がならないからです。
あまりに耐えられなくて、
頭がフラフラして、蕁麻疹が出ることもある。

そんなふうに自分にとって
無意味な時間にからめとられることを
「命そのものを削られるように苦痛」
だと感じてしまう人は、おめでとうございます。
体内に毒を持っています。

そういう人は、なにか、
自分にとっての一番を目指さなきゃいけないです。

はっちさんの疲労が限界なのは、自分を封印して
「社会適合者にならなきゃ」と
思っているからじゃないでしょうか。
でも、あなたの体内には毒があるんだから
別の道を選んでもいいと思うのです。

だから、今度飲み会があると言われても、
「あー、あなたは行かないでいいよ。
あなたはあなたを貫け」と自分で自分に言って、
同じ時間を、自分が一番面白くなれる何かを
追求することに使ってみてください。
人付き合いも努力ですが、
人と離れて自分を磨くのも努力です。
「どの苦痛が自分にとって楽しいか」で、
行動を選んでいっても良いんじゃないかと思います。

そんなことをしていると、いつのまにか
「ボランティア猛獣使い」の人が現れて、
あなたを応援してくれるようになりますから。

他人から離れて、自分にとっての一番を
目指しはじめる人が最初に通る道は、
「私には何もない」です。
だから、はっちさん、合ってますよ。道筋も全部合ってる。

とはいえ、才能や一番は一日にしてならず、です。
そういう道を選ぶ人たちはみんな、
人の何倍も自分に失望していきます。
でも、失望しながら
「なんかその自分が好きなんだよね。
自分で自分を応援したいんだよね」とか
アホなことばっかり言って自分をはげましています。
そして鋭さとアホさ、ひたむきさが
セットになって、
「愛されるアホ」という魅力の人になっていきます。

だから、あなたも、やってみて。

後は、月並みだけど、
本や文章はたくさん読むと良いと思います。
自分に響いた言葉や感じたことを
ぜひ、メモ帳などに書いていってください。

(明日につづきます)

2020-02-29-SAT

イラスト:死後くん