「しいたけ占い」などで人気の
占い師・作家のしいたけ.さんによる、
ざっくばらんな悩み相談室です。
みなさんからの青春の悩み相談と、
しいたけ.さんのお返事を、
毎回ひとつずつご紹介していきます。
私のことなんて
好きになるはずがない。
送ってくれたひと
じゅん 26歳 女
1993/6/11生まれ
しいたけ.さんへの相談
今までの人生で好きな人が出来ても告白できず、
そのうえ、私のことなんて好きになるはずがない、
私みたいな人間が好いていては
気持ち悪くて仕方がないだろうと
好きでいることも必死にやめてしまいます。
今も好きな人がおり、20歳以上歳上の方で
私のことを悪く思っていなさそうなのですが、
悪癖が首をもたげてきて、いつものように
好きでいることさえやめてしまいそうです。
好きな人と両想いになって付き合うことを
イメージしきれないまま
年齢だけ重ねてきてしまいました。
ここから先、どうしたら自分に自信を持って
好きな人と向き合っていけるでしょうか。
私のマイブーム
上海焼きそばにハマっています。
数か月前に人生ではじめて上海焼きそばを食べてから
どこの中華料理屋さんでも注文しています。
会社近くの小さな中華料理屋さんの上海焼きそばが
とてもお気に入りです。
店は小さくて汚いですが、雰囲気含めて最高です。
この前ですね、あるテレビ番組で、
とても人情味あふれるカウンセラーの女性が
お笑い芸人の男女二人をカウンセリングしていました。
その二人はすごく素敵な人たちで、僕は大好きなのです。
頭が良いし、優しいし、機転が効くし、
毒も持っているし。
あの人たちの頭の回転の速さと
空気を読む「すごみ」というのは、
とても素人の僕なんて追いつかず、出会ってからずっと、
ただただ敬服してきた人たちなのです。
その二人がね、じゅんさんと全く同じことを
言っていたのです。
自分のことを好きになる人なんていると思えなくて
「好きでいることを必死でやめてきた」って。
それを見て少し悲しくなったのと同時に、
そのカウンセラーの人の台詞に、
テレビを見ていた僕も救われました。
「あなたがね、そうやって自分を閉ざしていたらね、
あなたはありえないと思うかも知れないけど、
誰かがあなたを好きになるチャンスを
自分から拒んできたことになるんですよ」って。
いまのじゅんさんも
同じ状態かもしれないな、と思います。
自分を閉ざしても良いけど、閉ざしすぎてもいけない。
コンプレックスは大事だけど、大事にしすぎてもいけない。
それは僕の感覚的な持論です。
自分を閉ざすということには、
それによって得られるものもあるけれど、
同時に、失うものがあるということでもあります。
もちろんその逆もまたあって、
失うものがあれば、得るものもあるんですけれども。
さて、じゅんさんのように
20代で人を好きになるのが怖い人、
人に好かれる自信がない人は、まずは焦らずに
「この人カッコイイな」と思える40代や50代を
探してみるといいと思いました。
できれば恋愛対象以外で。
「容姿」や「人付き合いの良さ」で
勝負しているわけではない、
どこかに自分の「誇り」を持っている人、です。
そういう大人って、けっこう身近にいます。
たとえば、自分で誇りを磨いてきた、
居酒屋や個人料理店の40代~50代の
マスターとか店員さんとか。
そういう人たちって、じゅんさんのようなことを
思ったことがあるはずなのです。
「昔はコンプレックスがすごかった」って。
僕は最近、近所の寿司居酒屋で、
お客の注文に笑顔で答えて、
多分目は老眼が入ってきているけど
真剣に魚を切っている厨房のおっさんが、
「カッコイイなぁ」と思うんですね。
多分その人、仕事以外はテキトーなんです。
でも、仕事は誇りをもってやっている。
なにか、もうギラギラはしていない、
なにかを諦めた人ならではの
カッコ良さがあるわけなのです。
まずは、そういう人たちを見るようにしてみてください。
そうすると自分も磨かれるし
「良い20代の人」を見つける目も養われますから。
これ、どういうことかわかりますか?
つまり、「カッコイイ若い人」というのは、
「この人が年を取ったらカッコイイだろうな」
と思える人でもあるから。
(明日につづきます)
2020-02-28-FRI