「しいたけ占い」などで人気の
占い師・作家のしいたけ.さんによる、
ざっくばらんな悩み相談室です。
みなさんからの青春の悩み相談と、
しいたけ.さんのお返事を、
毎回ひとつずつご紹介していきます。
子どもに生きる意味を
問われたら?
送ってくれたひと
ドレミ 35歳 女
しいたけ.さんへの相談
こんにちは。私は専業主婦で4人の子どもがいます。
子どもの年は2歳ずつ離れています。
しいたけ.さんの文章が好きで、
落ち込んだときに癒されています。
以前、ドライブ中に、助手席に座っていた
小学5年の息子に
「生きてる意味がわからない。生きている意味って何?」
と聞かれました。
私なりに、
「意味は自分で見つけるもので一人一人違う、
そもそも生命は生まれたら亡くなる、
そこに意味を見出すかどうかも人それぞれだよ」
というようなことを答えました。
私が母や祖母に「心配だ、心配だ」と
言われて育ったこともあり、
「お母さんやまわりの人が悲しむから生きてほしい」
とは言わないほうが良い気がしました。
なんとなく重い感じがして。
しいたけ.さんなら、子どもに生きる意味を問われたら
なんと答えますか?
私にはこの相談を真剣に話し合える相手がいないので、
しいたけ.さんに聞いてみたいと思いました。
ちなみに子どもは、学校が嫌とか
いじめられているというわけではなく、
嫌われてもバンバン自分の意見を言う
2008/9/30生まれの天秤座です。
私のマイブーム
ストレッチと筋トレです。体重は減らないけど、
自分の身体が引き締まっていく感覚がよいです。
産後10キロ増加したので、痩せたいです。
自粛の今、お家で運動が楽しいです。
素敵な質問をありがとうございます。
何か、この質問そのものよりも、
子どもの急な直球の質問に対して
すごく真剣に考えて答えた相談者の方と
お子様との関係性に胸を打たれました。
おそらく、ある種の直球の質問って、
正解を出すことが大事なわけじゃ
ない気がするのです。
それこそ、
「正解のない直球の質問」の代表例として
「仕事と私(or 僕)どっちが大切なの?」
というものがあります。
それって、何を答えるかというよりも
「それをぶつけて相手がどれぐらい
その質問の意味を真剣に考えてくれるか」
の反応を見るための質問なわけでしょう?
ただ、今回の小学5年生の息子さんからの
「生きてる意味がわからない。生きている意味って何?」
という質問は、
ちょっと特殊な角度からの質問になると思います。
これは推測なのですが、
多分、小学校の高学年あたりから人は
「親としての回答だけじゃなくて、
個人としての回答が欲しい」
と思うときがある気もするのです。
ほら、たとえばもう少し子どもが大きくなると、
「お母さんだって親に隠れて
友達と遊びに行ったこともあったわけでしょう?」
とか、普通に疑問が湧く。
そこで
「まぁ、お母さんも個人として
縛り過ぎは良くないと思うけど、
私はあなたの母親だからね。
あんまり無茶なことをされると心配なわけよ」
と、個人としてと母親としての
両方の意見を伝えた場合に
安心するケースはあると思います。
話を戻すと、この息子さんはそろそろ
お母さんに
「親としてではなくて、個人としてどう思っているか」
の話を聞きたくなったんじゃないでしょうか。
僕だったらなんて答えますかね。
「生きてる意味がわからない。生きている意味って何?」
「腹が立つからかな」
と答えるかもしれないです。
「え?」
とされたら
「いや、だって世の中にはもっとおいしいものが
たくさんあるわけでしょう。
今日で終わっちゃったらすごくもったいない」
とか
「色々やってきたけど、まだ自分で
100点を取ったことがない気がする。
だから、生きたいの」
とかね、言うかもしれない。
わかりやすい答えじゃないかもしれないけど。
また子どもって、大人に直球の質問を投げかけて、
それで答えてもらった回答を
「自分の大切な宝物」として
取っておくこともするんじゃないかと思います。
だから生きる意味を聞かれたときに、
さっきのような答えを返したら、
給食できなこパンを食べるときにも
「おいしいものの話って深いな。
お母さんはこのきなこパンは
おいしく感じるのかな?」とか。
「これは100点なのかな」
とか思ったりするかもしれない。
だから、直球の質問に対しては、
変に「この人を導く」とか
「この人に規範を示す」とかじゃなくて、
自分の等身大の回答をしちゃった方が良い気がします。
これからもそういう機会は増えていくでしょうし。
僕も占いをやってて、占った回答を
偉そうにお客さんに説明することはあります。
でも、
「じゃあしいたけ.さんは好きな人に
浮気されたらどうするの?」
と聞かれたら
「多分1年間泣き続けます。
相手に気づいてほしくて
SNSで『ちょっと旅に出ます』とか、
そういうことも書くと思います!」
とか、自分の回答をすると思います。
何か、人はときどき
「模範解答以外の、直球の等身大の回答」を
聞きたくなるのだと思います。
個人的には、僕が好きな大人はけっこう
頼まれてもないのに「等身大の自分」を
話してくれたりしました。
「昨日夜中までゲームやっちゃってさ。
眠いんだよね」とか、
こっちが心配になるようなことも言ってくれます。
でも、その人のことが心配になっても
「信頼されているんだな」と感じて嬉しいのです。
お子様たちとこれからお互いに
素敵な質疑応答ができると良いですね。
(第2シーズンは今回でおしまい。
ご愛読ありがとうございました。
しいたけさんへのお手紙は、
引き続き受け付け中です。
今後もどうぞ、おたのしみに!)
2020-10-29-THU