ほぼ日 |
(みうらさんの引いたくじを見て)
あ、鳥取県です。
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みうら |
わぁ、鳥取県は、
語ることが多すぎて困るんです。 |
ほぼ日 |
いつもそのようなことを
おっしゃっているような気が‥‥。 |
みうら |
鳥取県というと当然、
砂丘の話をされる方が多いでしょう。 |
ほぼ日 |
やっぱりそうでしょう。 |
みうら |
しかし、鳥取県についてぼくが驚いたのは
カニの甲羅投げのコンテストと、
柿の種を吹き飛ばすコンテストが
行なわれているということです。 |
ほぼ日 |
はあ。 |
みうら |
それから、最近は
ブームになりました「ゆるキャラ」の
大会があるんです。
はい、これを見てください。
これは、2007年11月に開催された
第2回ゆるキャラカップin鳥取砂丘
という大会のチラシです。
みうらじゅん事務所も協力に名を連ねまして、
やっております。
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ほぼ日 |
そうなんですか。 |
みうら |
ゆるキャラブームは、ま、みなさん、
ひこにゃんで起こったとお思いでしょう。
しかし、ゆるキャラは着々と
いろんな地方に根づいています。
2年前からこのように、鳥取砂丘で、
ゆるキャラ人気投票などの催しを
やっておられます。
その大会では、私が宅録しました
「ゆるキャラ音頭」という楽曲が、
ゆるーい音源で、
鳥取砂丘に鳴り響いてるとも聞いております。 |
ほぼ日 |
すごいですね。 |
みうら |
このように、すごい大会が
鳥取県で、実はいっぱい
行なわれてるということなんです。 |
ほぼ日 |
知りませんでした。
そして、さきほどたしか、
柿の種吹き飛ばし、と
おっしゃいましたでしょうか。 |
みうら |
柿の種飛ばしコンテストはね、
一度見に行ったことがあるんですが、
体育館みたいなところでやっておられます。
柿を食べますと、中に種がありますね?
体育館に線が引かれていまして、
中の種をですね、
こうやって飛ばすわけですよ。
何と言えばいいんでしょうか、
室伏さんがハンマー投げをされるとき、
ちょっとつられ気味になるでしょ?
つい鉄球につられて
線からギリギリに、
飛び出してはいけないんだけど、
前に出るようになられます。
あれと同じような現象です。
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ほぼ日 |
ほっぺがプルーッと種につられる、と。 |
みうら |
ええ、プルーッと震えるのが魅力的でした。
一方、ぼくがとても見たかった
カニの甲羅コンテストは
その節はやっていませんでしたけども、
想像するに、あれは
フリスビーの要領だと思うんですよ。
カニをフリスビーのようにピュッと飛ばして
──ブーメランのようには
もちろん戻ってはこないですけども──
クルクルクルーッと回って、
イメージ的には、犬がカプーンと
くわえたりしてるんじゃないかなと
思います。
きっと、中はきれいに洗ってあるんでしょうね?
中にみそがあれば、回転したときに
飛び散ると思うんです。
それではもったいないですし。 |
ほぼ日 |
そうですね。 |
みうら |
それから、もういまから
10年ぐらい前になるでしょうか、
鳥取県で、
カニ大使を募集されていました。 |
ほぼ日 |
‥‥? |
みうら |
カニ大使です。 |
ほぼ日 |
はい、はい、カニ大使。 |
みうら |
東京の新聞に
そういった告知が載っていたんです。
「あなたの名字か名前に
カニはついてませんか?」
というふうに書いてありました。
ぼくは、蟹江敬三さんしか
思い浮かべられませんでした。
いまで言うと、カニエ・ウェストですか。
おそらく、そのぐらいですよ、
カニがついてる人というのは。 |
ほぼ日 |
カニが名前に‥‥。 |
みうら |
大使募集要項には、つづいて
「カニの名前の人が
カニ大使として
鳥取県のカニのよさを広めてください」
というようにも書いてありました。
これはあまりにもおもしろい大会だな、と思い、
問い合わせをしたんですが、
「募集はかけたんですけども、今年はやらない」
ということでした。 |
ほぼ日 |
ははは。 |
みうら |
いろいろ何か、あったんでしょう。
それ以来、カニ大使募集は
新聞には一切載らなくなりました。
けれども、こうしていろいろと
イベントで仕掛けていく、
どげんかせんといかん、ということでしょう。
県を活性化させる、大事なことなんですよ。
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ほぼ日 |
なるほど。 |
みうら |
境港市には、
鬼太郎や妖怪がいっぱい立っている、
水木しげるロードもあります。
羽合(はわい)町というところには、
「外国よりも近いハワイ」って書いてありました。
わかってます、わかってますけども、
そういうこともありますし、
いいところがいっぱいあります。 |
ほぼ日 |
そうですね。 |
みうら |
ぼくが大学生のときに知り合った友人に
鳥取県出身の人がいます。
やっぱりトットリくんという
あだ名がつきました。
鳥取県は、
「上京してきて、
その県のあだ名がつくナンバー1」
だと思います。
それは『忍者ハットリくん』などでも
わかるように、
「ットリくん」というのが言いやすいから
かもしれません。
ぼくも、大学に入って1ヶ月ぐらいは
「京都」というあだ名でした。
しかし、根づくことなく、
「みうら」とか「じゅん」になりました。
だけど、トットリくんはずーっとその後も、
現在でもトットリくんと呼ばれています。
弟が上京してきたときには、
弟も当然トットリくんなわけで、
みんなは何と呼んでいいのかわからないので、
結局、トットリくん兄、トットリくん弟、と
呼んでいました。 |
ほぼ日 |
乱暴ですね。 |
みうら |
それほど県を背負ったあだ名になりやすい、
日本ではいちばん県である、ということも
魅力なんじゃないでしょうか。 |
ほぼ日 |
県があだ名になるということは、つまり、
いい県だということですね。 |
みうら |
いい県です。
鳥取県はあだ名でも大会でもナンバー1、
ゆるキャラでもナンバー1でしょう。 |
ほぼ日 |
ええっと、調べによりますと、
鳥取県は、人口が
いちばん少ないようです。 |
みうら |
ああー、はい、はい。
その分、ゆるキャラが
多いですから。 |
ほぼ日 |
あ、なるほど。 |
みうら |
ゆるキャラは
人口に入ってないんですよ、
残念なことに。 |
ほぼ日 |
ああ、それはちょっと
納得できないですね。 |
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今回のお話をノーカットでごらんになりたい方は
下の動画でおたのしみください。 |