ほぼ日 |
では、どんどんいきましょう。
あ、お待たせしました。宮崎県です。
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みうら |
宮崎県ねぇ。どこからいきましょうか。
やっぱり、西都原(さいとばる)の
古墳群というのは、すごいんですよ。
そこの博物館というのが、またすごい。 |
ほぼ日 |
このコーナーには博物館が
何度も出てきますね。 |
みうら |
ぼくはこれまでいろんな記念館、博物館を
見てまいりましたが、
そこの博物館は土器関係ではナンバーワン、
つまり「土器ナンバーワン」です。
土器にさわることができるんです。 |
ほぼ日 |
おお、それはめずらしいですね。 |
みうら |
縄文にふれるという機会は
なかなかありませんよ。
ゴットハンドの人はよく
ふれてこられたらしいですが、
そこは、平気でふれることができます。
それほどふんだんに出土しているんだ
ということをあらわしているのだと思います。
ぼくはデパートの食料品売り場に行くのが
好きなんですけども、試食のコーナーに
ふんだんに置いてあるところと、
そうでもないところがあります。
ふんだんに置いてあるところは
ふんだんに採れたんだと思うんです。
この前も伊勢丹で北海道物産展を
やっておりまして、そこでは
塩辛がふんだんに試食用に出ていました。
通常、ふんだんに採れてないとこはケチります。
透明のプラスチック容器も小さいですし、
爪楊枝もちょっとしか置きません。
しかし、北海道の物産展では、爪楊枝も
買ってきたまんまの姿でまるごと
ボーンと置いてあるんですよ。
その姿を見ると、北海道の物産は
すごいということがわかります。 |
ほぼ日 |
なるほど、なるほど。 |
みうら |
それと同様に、博物館でさわれるということで
宮崎の土器がふんだんに出土していることが
わかるんです。
土器にはあまりくわしくないんですが、
「出てんな、ここ」ということだけは
ひしひしと伝わってきます。
また、その博物館には
「あらかじめ失われた」という
キャッチコピーが書いてあります。 |
ほぼ日 |
??? |
みうら |
いまだにぼくは、その意味が
わからないんです。
昔、『あらかじめ失われた恋人たちよ』
という映画がありましたね?
はて何のことだろか、
ということかもしれませんが、
その西都原古墳の博物館に行くと
「あらかじめ失われた」と書いてあるんです。
ぼくはそこでもその意味を
訊き逃してしまいました。
どうやらそこでも何かが
あらかじめ失われているらしいです。
「あらかじめ失われた」って聞くと、
気が遠くなるでしょ? |
ほぼ日 |
たしかに、わけがわかりません。 |
みうら |
たとえば
「俺って、あらかじめ失われてるんだ」
と言うと、「俺」に深みが出るでしょ? |
ほぼ日 |
いや、どうでしょうか‥‥。 |
みうら |
「ああ、あらかじめ失われてんのか〜」
「もう、ないの?」
みたいな。ね?
「あらためて」じゃなくて「あらかじめ」
なんです。
それが、宮崎県全体の
キャッチフレーズだと思います。
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ほぼ日 |
はあ。 |
みうら |
それから、宮崎県といえば、
天岩戸(あまのいわと)伝説があります。
アマテラスオオミカミが隠れられて
世の中に光がなくなってしまったので、
アメノウズメノミコトという方が
踊られたという伝説です。
「外で陽気なことをやってるらしい」と
アマテラスがちょ〜っとのぞいたときに
タヂカラオノミコトという方が
あーーーっと一気にその戸を持って、
ぼーんと飛ばしました。
それが長野県まで飛びました。
戸隠という名前は戸を隠すという意味だと
聞いております。
それは、ものすごく飛んだってことです。
ものすごく飛んでますでしょ? |
ほぼ日 |
宮崎県と長野県といえば、そりゃ、もう。 |
みうら |
チョロッと出るとね、
ガッとやられるんです。
そのことを充分に教えてくれる伝説だと思います。
高千穂峡というところに行きますと、
本来は年末にやる天岩戸の祭事を、またこれも
観光のためにやっておられます。
ちょっと広いお家のようなところで
見せていただくんですけれども、
そのショーがしこたま行なわれたあとに、
夫婦和合の舞がくり広げられます。 |
ほぼ日 |
和合の舞が。 |
みうら |
はい。それは、酔っぱらって帰った旦那さんが
叱られるのと同じようなストーリーで、
「ちょっとほろ酔い気分の神さまなのかな?」
「奥さんらしい神さまと、これから
夫婦喧嘩を起こされるのかな?」
という内容でした。
男の神さまがゴローンと寝転んで
ふて寝してるところに
女の神さまが股間にザルを置いたりして、
「へへー」と笑ったりするショーです。 |
ほぼ日 |
‥‥? |
みうら |
ぼくはこれまでにそれを
2回見たんですけども、
おもしろかったです。
そして、神様は
「げへへー」とか言って、
観客席に下りてこられて、
女性客にわーっと抱きついたりされます。 |
ほぼ日 |
ひえぇ。 |
みうら |
ま、それはおおらかな、
セクハラがなかった時代の
儀式なもんですから。 |
ほぼ日 |
ははは。 |
みうら |
そこでは「ああ、おおらかだな」という気持ちを
きっと持つことができるでしょう。
現在は、いろいろ決めごとがありまして、
殺伐としてる部分もあります。
そりゃあ、よくないことはよくないですが、
おおらかさがなくなっている、
ということもあるのではないでしょうか。
そういうときは宮崎県に行っていただいて、
「おおらか」を体験していただくと
いいと思います。
鬼の洗濯岩というのもありますが、
洗濯するには大きすぎます。
このように、宮崎県は全体的に
おおらかです。
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ほぼ日 |
いい県ですね。 |
みうら |
ところで、みなさんが宮崎県に行くには
おそらく空港から入ると思うんですけれども、
そこにはからくり時計があります。
旅慣れてくると、
「ここもからくりかよ!」
と言いたくなるくらい、
日本はからくりだらけです。 |
ほぼ日 |
そうでしょうか。 |
みうら |
有名なところでは、
愛媛県の坊ちゃん温泉の前に
からくり時計があります。
これまでいろんな場所で、ぼくは
からくり時計の写真を撮ってきました。
でも、考えてみてくださいよ。
からくってる状態は
写真にはおさめられないんです。
静止してる状態でしか、
からくりは撮れないんですよ。
でも観光客の人は、
「あ、からくりだ!」と、
あわててカメラを取り出しています。
あとで現像して見てくださいよ、
写真では、からくってませんから。 |
ほぼ日 |
はははは。 |
みうら |
宮崎空港では、
1時間に1回、神楽が鳴って、
舞のからくりがはじまります。
ジャストの時間より15〜20分前に
宮崎空港に飛行機で到着された方は、
そのからくりを見ることができます。
けれども、何度その地を訪れようとも、
一度もからくってるところを見たことがない人が
おられます。
人というものは、
からくり時計に出会う人と、
そうでない人とに
大きく分けられると思います。 |
ほぼ日 |
日本各地に
そんなにもからくり時計があるという事実に
気づいていませんでした。
ということは、つまり、出会わないタイプ‥‥。 |
みうら |
そうですね。
ぼくは、からくってるときに
よく出会うんですよ。 |
ほぼ日 |
からくるタイプですか。 |
みうら |
はい、からくるタイプです。
からくりは、1時間に1回ですからね。
1発やられてしまうと1時間、
待ってなきゃなんないわけですから。 |
ほぼ日 |
ちょっと時間が惜しくなって
イラッとしますね。 |
みうら |
しかし、からくりに出会えたことを、
ラッキーと取るかどうかは
わからないところです。 |
ほぼ日 |
しかし、からくり時計が
そんなに全国にありますか? |
みうら |
だってからくり時計ですから。 |
ほぼ日 |
はあ。 |
みうら |
いつもは閉じていて、
何気ない顔してるわけですよ。 |
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今回のお話をノーカットでごらんになりたい方は
下の動画でおたのしみください。 |