番外篇 Q5 ワンコイン制度をどう思いますか。
ほぼ日
では、次の質問に移ります。
その前に、ちょっと休憩しましょうか。
みうら
タバコ吸っていいですか?
ほぼ日
どうぞ、どうぞ。
みうら
タバコって、昨今は印象悪いですよね。
ほぼ日
いえ、いえ。
みうら
ワルみたいなイメージでしょ。
だけど、いまのワルは、
体にワルだから。
精神的なもんではありません。
ほぼ日
次の質問は、あの‥‥
また不況つながりなんですが。
みうら
また。
ほぼ日
はい。最近、
ワンコイン・ランチ、
ワンコイン・エステ、
ワンコイン・ヘアカット、
などがありまして。
みうら
ええ、言いますね。
ワンコインというと、ぼくには
笑福亭鶴光さんの
「わんばんこ」のイメージがあります。
ワンコインと言われると、
「わんばんこ」と
応えなきゃいけないような気がします。

ほぼ日
いえ、そんなことは‥‥
みうら
このまえ美容院で、ぼくも、
ワンコインでヘッドマッサージを受けましたよ。
当然、ワンコインは生活に取り入れていますが、
しかし、ワンコインがすなわち
500円のことである、ということは
知りませんでした。
ほぼ日
言われてみれば、そうですね。
みうら
100円玉だってコインなのに、
なんで500円玉以外のものは
ワンコインに入れてもらってないのか?
それが不思議です。
だれが500円と決めたんですか?
新聞とかで決められたんですか?
ほぼ日
いや、それは企業が、
勝手に、なんとなく。
みうら
勝手にですか。
ほぼ日
ワンコインと言えば、もう
言わずもがなで、500円。
みうら
ほうー‥‥。
ツーコインは?
ツーコインは、あるんですか。
ほぼ日
ツーコイン?
みうら
ツーコインといったら、
千円じゃないですか、
高いじゃないですか、ということに
なるわけですもんね?
ああー、じゃあ、
スリーコインもない、
フォーコインもない、ってことですよね。
ワンコインだけが、
なぜそんなにもてはやされるのか
ということを、いま、
問われているということですか。

ほぼ日
‥‥‥‥。
みうら
日本の500円玉ってね、
韓国のお金に似てるんですよ。
知ってます?
韓国のお金に、
おなじ大きさのコインがあるんです。
あれを削って、
重さを同じにする悪いやつがいるらしくて、
ぼくはその偽造コインを、
知らないうちにつかまされたことがあります。
ほぼ日
ええ? そうなんですか。
みうら
長いあいだ、ぼくの
カードも何も入ってない財布の中に、
ワンコイン、入ってたんですよ。
ほぼ日
それはすごいワンコイン問題ですね。
みうら
どこでそのワンコインを
手に入れたかはわかりません。
ある日気づいたら財布に入ってた。
でも、捨てるわけにもいかないでしょ?
ずっとそれを財布に入れたまんま
活動してたんですけど、
でも、何かの拍子に、
そのワンコインを出しちゃう場合が
ありますからね。
ほぼ日
あぶないですね。
みうら
酔ってタクシーに乗ったときなど、
つい気がつかず
そのワンコインを出す場合があるから、
出してはいけない、出してはいけない、
と思って、ずーっと気をつけて
それを見てたんですけど。

ほぼ日
はははは。
みうら
でも、いつの間にか、
なくなってたんですよ。
ほぼ日
‥‥‥‥う、うはははは。
わ、笑っちゃいけないけど。
みうら
すいません。
これ、告白しますけど、
いつの間にかないんですよ。
ぼくの財布の中から、ワンコイン。
ほぼ日
う、うはははは。
みうら
どうしましょう。
犯罪に加担したことになってるんです。
いま、はじめての告白です。
どこかで、無意識に渡したんですよ、
ワンコインを
きっと、そのワンコインは
どこかでまだ回ってますよ。
ほぼ日
あぶない落とし穴がありますね。
みうら
ね? 偽造であるとわかったワンコインは、
どうすればいいんですか?
ただちにどうにかすべきですか。
ほぼ日
やはり警察に持ち込むべきでしょう。
みうら
警察に持っていったら、
どうなるんですか。
ワンコイン500円と交換
できるんですか。
ほぼ日
いや、それは‥‥。
みうら
できないでしょ?
そこらへんのことを、
国はすごく、ほったらかしにしませんか。
パスポートとかにも、
あなたは日本国籍であって
なんとかかんとか、などと書いてありますが、
あとのことはあまり
責任持ってくれないじゃないですか。
ほぼ日
‥‥‥‥あとのこと?
みうら
ニセのワンコインをつかんだときにも
警察はただちに対処してくれるのか、
という憤りが、ぼくにはあります。
ほぼ日
うーん、やはりそうなると
「ワンコイン回ってき損」ですね。
みうら
でしょ。
ほぼ日
ワンコイン保険などがあって
回ってきたときに保障するシステムがあれば
助けてくれますけど、
それはあくまで民間です。
みうら
そうでしょ?
警察に届けても「ふーん」でしょ?
‥‥ぼくはね、警察にお金を届けるのが、
昔っから、大好きなんです。
ほぼ日
‥‥そうなんですか。
みうら
小学生のとき、昭和30年ごろですけども、
うちの近くはまだジャリ道でしたので、
よくコインが落ちていました。
お金を拾って、坂の上の交番に届けにいくと、
おまわりさんが
「きみは正直もんだね」
「えらいね、ぼく」
と言ってくれるんです。
よしよし、と頭を撫でてくれるから、
味をしめて毎日のように、
探しては持っていきました。
ところが、ある日とうとう
道からお金がなくなっちゃったんですよ。
ほぼ日
みうらさんが拾いすぎて。
みうら
そのとき、ぼくは
ほんとうに褒めてもらいたかったから、
自分のなけなしの10円玉を出して、
ウソをついて「拾いました」と言って、
その一日をクリアしたことがあります。
それが、あってたのか、まちがってたのか、
ぼくは、よくわからない。
ほぼ日
わははははは。
みうら
当然、みなさんも、警察官に
褒めてもらいたいと思ってますでしょ?
賞状とかもらってる人、
いまだにうらやましいですもんね。
でも、いま、問いたいことは
ワンコインが落ちてたら
自分は警察に届けるのか、ということです。
わりといい歳をした大人が
ワンコインを警察に届けに行ったとき、
褒めてもらえるかどうかが
ぼくは疑問なんですよ。
ほぼ日
どうでしょう、微妙ですね。
みうら
褒めてもらえるんだったら、
行ってもいいです。
ぼくはホントに怒られること多いですから、
褒めてもらえるんだったら、
500円は安いと思っています。
ほぼ日
あくまでも、
褒めてもらうためのワンコイン。
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2009-07-06-MON
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