糸井	（授乳を終えて） ふー、飲み終わりました。 ごちそうさま。 もうごちそうさまだよ。
中川	こんなかわいい子を捨てるようなヤツ‥‥‥‥！
友森	ほんとに、ねぇ。 うちに来たとき110グラムだったんですよ。
糸井	怖くてさわれなかったもん。
友森	顔も、まるでラッキョウみたいだった。 最初のうちは、 そんなラッキョウ顔の猫たちに あまり愛情もなく‥‥時間が来たらミルクをやる、 という感じでした。 でも、目が開いて「ピー」とか言うようになったら まるで我が子のような気持ちになって、 さらにそこから「猫度」が上がってくると、 もう、かわくてたまんない。
糸井	（子猫に話しかけるように） 猫って、ラッキョウから猫になるんだよ。 カレーライスを食べると、 猫がついてくるんだよ（笑）。
中川	目が青くて、鼻と耳がピンクで‥‥ きれいですね。
友森	かわいくなるかな。
中川	かわいくなるでしょう。
友森	（猫を見て）よかったね。 猫は、生後２ヶ月くらいまでは子猫だけど、 ３、４ヶ月あたりから大人に、 顔がクックックって変わっていきますよね。 シャキーンとした、 猫らしい顔になったら売れないから、 ペットショップは１ヶ月ちょっとで 売ろうとするんだと思います。 小っちゃいうちにブリーダーから仕入れて、 まるっこいうちに売っちゃう。
中川	犬もそうですか？
友森	そうですね、犬だと１歳くらいかな。 近所の人が 「あのペットショップは、 　１歳になると犬がいなくなる」 なんて言ってたことがありました。 実際、１歳近くで３万円に値下げされた犬がいて、 ミグノンの散歩ボランティアさんたちみんなで 「１人５千円ずつ出して買って、 　引き取ってくれる人を探そうか」 なんて言ってたこともありました。 結局その犬は、ギリギリで売れちゃったんだけど、 ３万円で犬を買った人のことも気になります。 店で生きものを売るのは、 やっぱり、無理があると思う。 動物ってどんどん大きくなるから。
糸井	うん。
中川	ペットショップで犬や猫を 買ったことがないので、 わからないことが多いなぁ。
友森	「早い時期に親から離されて、 　ショーケースで暮らしてて、 　ちょっとかわいそうだね」 というような視点が伝われば、 ペットショップで動物を買うことについて 少し考えてもらえるかもしれない。 それでも買う人は買うだろうけど。
中川	ペットショップにいる動物の 全員が全員、売れるわけじゃないですもんね。 残っちゃう子はどうなるんでしょうか。
友森	ひどいところだと安楽死させるという話も 聞いたことはありました。 でも、大手のショップは、 ネットで里親探しをして、 欲しい人に譲渡しているみたいです。
中川	それならまだ、いいですが‥‥。
友森	でも、ショーケースの中で１年をすごした犬は、 トイレは覚えないし、 お散歩は怖がって歩けないし、吠えまくる。 だから結局、飼えなくなって、 その先捨てちゃう人もいるかもしれない、 という実情があります。 やっぱりすごくむずかしい。
中川	そうか‥‥かわいそうだな。
糸井	授乳が終わったけど、 ぼくは心が戻りません。
中川	（子猫を見て） ミルク飲んだら、おちついた。 かわいい格好になってる。 いい子だね、おとなしくてね。
糸井	いい子だね。
中川	あんた、かわいいね。 死ぬほどかわいい。 お前、鼻ピンクで、この手のポーズ。 かわいい、かわいい、かわいい。
友森	あぁ（笑）。
中川	手がクロスしてる、かわいい、かわいい。 クロス状態、撮っておく。 （パシャっと写真を撮る） あぁ、かわいい。 さすが、子猫はまだ世界を、宇宙を、 ほとんど知らないから、写真を撮らせてくれますね。 うちのマミタスは熟女になっちゃったから、 カメラを向けるとわかっちゃって、 「フン」という感じになってしまいます。
マミタスの本名は 中川魔法の天使クリィミーマミたん と言うんジャス。 しょこたんのニューアルム「9lives」の ジャケットを飾った、 しょこたんとテレパシートークのできる、 チョ〜カワイイ女の子ニャのです！ くわしくは次回（第４回で）！
糸井	わかる。うちの犬もそう。 よく横向くよ。
中川	ほんとうに、すべての猫の、 毛並みもかわいさも、すばらしい。 猫のすばらしさというものは それぞれ違って、個性さまざまで。 ほんとうに、宇宙中すべての猫が ハッピーになるべきなのに。
友森	うん、ほんとに。 ほんとにそうなのに。
	（つづきます）
	写真：小川拓洋

　2014-05-01-THU