友森 | 最近、糸井さんと会社を作ったんですよ。 「ミグノンプラン」っていうんですけど、 動物病院と、動物の美容室とグッズショップが いっしょになった場所を作るんです。 3階建てのビルを借りて、 1階がショップで、2階が動物病院、 3階をシェルターにします。 |
中川 | すばらしい。 |
友森 | いままで7年間愛護団体をやってわかったのは 医療費がいちばんネックだということでした。 愛護センターからガンガン老犬を引き取ってくると、 鬼のように医療費がかかります。 そこをクリアできれば 「寄付金くれ」と騒がなくても、 いっぱい動物を助けられます。 だから、自前で動物病院とショップを やることにして、そこでがんばって利益を出します。 場所も、最寄り駅が北参道。 代々木駅からも歩いていけます。 都心で譲渡会をやると、 たくさんの人が来てくれるかな、とも思うし。 |
中川 | それはいい。来やすいですもんね。 |
友森 | シェルターの場所が狭くて、保護数が少なくても、 みんなが来てくれて回転させ、 たくさん保護できるかなと思ってます。 5月24日オープンをめざして、いまは準備中。 愛護センターの人も楽しみにしてくれています。 |
中川 | ‥‥それって、並々ならぬ大変なことだし、 時間もお金も努力もかかるものを、 愛で、それをいま、実現に。 すばらしすぎる。 |
友森 | 会社って、わりとすぐにできちゃうんですよ。 1か月くらいでした。 |
中川 | そうなんですか? |
友森 | むずかしそうなことも、意外とできるんだ、 と思いました。 私はほんとうは働かないで、 動物の世話だけをして生きていきたいんだけど、 それは無理です。 いろんな子たちを、どんどん次々に 助けていくことを考えると、 「じゃあ、会社作ったほうがいいのかな」と、 道筋が見えてきたんです。 糸井さんも「やったら」と言ってくれたし、 動物目線で考えてたら、 「あ、こうしたらいいんだ」って道が開けました。 そのとおりにやると、簡単なんです。 |
糸井 | 動物の言うとおりにね。 |
友森 | しかも早い。 「そんなの大変かも!」と思ってても、 ピョンってできちゃう。 だからこれからも、 動物の言うとおりに生きていこうと思ってます。 |
中川 | それをすることで 助かる命がたくさん増える、 未来を変えることができるっていう、 すごいことをするんですもんね。はぁあ‥‥! |
糸井 | いままでは、外にいるお医者さんの助けを借りて、 友森さんの保護活動がまわっていたんだけど、 もっと助けられるようになるには、 病院も自分で持ったほうが、循環します。 そういうところから、考えついたんです。 もし友森さんがやろうとしていることがうまくいけば、 たとえば地方のお医者さんが、 「そうか、愛護団体といっしょの場所に 病院があればいいんだ」 みたいに考えてくれるかもしれない。 友森さんは、これまで、 犬を洗いながら、犬を助けてたんです。 |
友森 | トリマーなので、 犬をカットしたり洗ったりしたお金で、 動物持ってきちゃう、みたいな生活をしてました。 |
中川 | 私もできること、ご協力したいです。 |
糸井 | 何なのかまだわからないことだらけだけど、 また、よろしくお願いします。 |
中川 | はい。 猫のためなら、犬のためなら えんやこら、です。 私以外でも、犬や猫のことって、 ぼんやり思ってるだけで 「何からどうしたらいいんだろう?」 と考えてる人は、いると思います。 |
友森 | うん、いると思います。 |
糸井 | 友森さんが言ってたんだけど、 会社の1年間の業績は、売上じゃなくて 「何匹助けられたか、その数で考えましょう」 って。 |
中川 | うーん、うーん! いいなぁ!! |
友森 | 「年商何千万」とか言っても、 ぜんぜん偉くないですよね。 でも、1年間で、 「猫100頭、犬50頭、助けました」と言ったら。 |
中川 | すごいですね。 |
糸井 | これまでは、センターから連れてきた数は どのくらいだったの? |
友森 | これまでは犬猫合わせて 年間120〜150くらいでした。 次の目標を、年間200頭にしたいです。 200の次は300にして、どんどん、 処分器のスイッチを入れることがないくらい 全部持って来たい。 |
中川 | ああ、なんとすばらしい。 人間の一瞬のさじ加減で決められちゃうことや、 「知らない」ということだけで そうなってしまっていることが あまりにもありすぎる世の中で、 絶対できると思えばできることがある。 でも、まず何からどうしようと考えるだけで ストップしちゃって 何もできてない人がいっぱいいるから、 協力できる場所があることを知ることができたら、 それだけできっと、みんなの 思いとお金の持って行き場ができると思います。 お金って、やっぱりすごく必要です。 お金は自分の納得できる活用ができて、 「あぁ、よかった」という、 ハッピーな使い方をするのがいちばんですもんね。 「どうしよう。あ、こうすればいいんだ」 という、正しい、安全でハッピーな場所が、 こうやってできるって、すばらしいと思う。 |
(つづきます) | |
写真:小川拓洋 |
みなワン、おひさしぶりじゃ、ワシじゃよ、
動物を飼っていない人もおみやげにできるグッズも |