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ひときわ暗〜い、暗〜いコーナーがありました。 このコーナーは「観察室」と呼ばれています。 なんか、ちょっと、あやしい雰囲気。 虫眼鏡などのアイテムも置かれています。 近づいていくと、闇の中からキラキラした光が‥‥。
「箔押し5版で写真分解、世界初!です! でもこれ大変だったんですよ‥‥職人さんが。 版がずれないように、1回ごとに位置を合わせて、 印圧の調整用に絵柄をあわせて、 薄い紙で高さの微調整をして、 温度調整もして。 1枚つくるのに、 20回そんなふうに押してるんです。 1回でも失敗したら、アウトなんですよ。 印刷ではかんたんなことだけど、 色箔での写真の再現なんて、 だれもやってなかったんです。 箔は不透明なので、 押す順番も計算しながらの色分解だったんですよ。 もちろん、色校正なんてとれないので、 一発勝負なんです。 左下の5つのまるいのが押した箔の色で、 押した順に並んでいるんですよ。」
※『ヒゲのおいらん』は、 映画『真夜中の弥次さん喜多さん』(監督:宮藤官九郎)の 登場人物。配役は松尾スズキさん。
「これは実現されなかった貴重なものです。 よぉーく見てくださいね。」
「著者本人の生ひげを混入した本を 作る予定だったの! このテスト印刷でできることがわかって、 大よろこびしたんですよ。 わーい!って踊っていたら、 『段ボール1箱分のひげを用意してください。』 って言われて‥‥‥‥断念したんです。 相原さんのひげ、ダンボール1箱分なんて、 ためるまでに何十年もかかっちゃうものね。 ムリですよね。うーーん、残念でした。」 ※上の「ご注文はこちら!」のリンク先は、 販売された、ひげのない『もにもに』です。
「写真には写らないねー。 残念だねー。 ホログラムって、 立体か動画のどちらかに決まっているんですよ。 でも、よく見てください。 立体なのにさらに清明の手や首が動くでしょ? 大日本印刷さんの技術があってできました! 立体動画ホログラムって、 最初は無理だって言われてたんですよ。」
※※2002年に発行された初版のみ 立体動画ホログラムになっています。
「これねえ、夜光で別の絵が 浮かび上がるんですよー。 これも、気がついてない人が多くて。 電気を消さないと、 オチがわからないんだけどね。」
「ほらほら、これなんか、 光っているところがないと、 ただ、タコが並んでるだけの 4コママンガでしょ? ちゃんともうひとりいるのにねー。」
※光るのは、『山田タコ丸くん』の第1巻だけで 2巻目以降は光りません。
「このメガネを使って読むと、 マンガが立体的になりまーす。 3Dメガネつきです!」
この展覧会を機に作られた 祖父江さん率いるcozfishの 15年間のデザインの軌跡と 作品が一挙にわかるぶ厚い作品集です。 造本プラン、用紙選び、 文字と色の関係、本文組など、 ブックデザインのすべてが 凝縮しているそうなんですが、 まだまだ制作途中(!)のため、 形になるまで今しばらくお待ちください‥‥。 祖父江さんも申し訳なさそうに 頭をさげておられました。 これから本の形になっていくと思うので、 ぜひ、ご注目ください! この他にもたくさんのご本とひみつでいっぱいです! 例えば、当時大学生だった祖父江さんが、 初めてブックデザインされた、 多摩美術大学漫研の雑誌『タンマ』も出品されていました。 開いて見ると、祖父江さん作のマンガが! しかも、名前が「そぶえしん」。 ひらがなだったんですねー。 祖父江さんの先輩のしりあがり寿さんの作品も掲載された、 お宝本もぜひご覧ください!
次回は、来月、 『新宿2丁目のますますほがらかな人々』の ブックデザイン秘話をお伝えします!
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