平松 |
我が国は、66台のうちの16台を建設しますが、
基本的には
日本の工場であるところまで組み上げ、
一度バラして輸送し、
2900メートルまで上げて、組み立て直します。
直径7mのアンテナのほうは
日本でぜんぶ組み上げてから「3分割」して
山麓施設まで持ってきています。
1カ月をかけて、船で太平洋を横断して。
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── |
ひとつ組み上げるには、どのくらいの時間が?
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平松 |
1個1週間。
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わ、意外に早いんですね。
ガチャコン、ガチャコンという感じで?
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平松 |
あっという間ですよ。
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米欧のアンテナも同じような方法ですか?
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平松 |
アメリカも、カタチにしてから
現地で組み上げるというやりかたを取ってます。
ただ、ヨーロッパは
ちょっとアンテナの素材が違っているので‥‥。
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── |
素材?
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平松 |
炭素系の素材を使っているんです。
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それって、理由は「軽量化」ですか?
ボーイング787みたいに。
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平松 |
ひとつには、そうですね。
加えて、金属を使った場合には
強い日差しによる温度変化で変形してしまう。
それを防ぐために
カーボン素材でつくっているんですが
カーボンって「ネジ止め」できないんですよ。
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ははあ。
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平松 |
そのために、ヨーロッパの場合は
12mのアンテナを
半分づつ、半円形につくってからチリに運び、
接着剤でくっつけてるんです。 |