5DW メンズショップ イシカワ
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ナイフとフォークは
シルバーでしょ。
今週の「5DW メンズショップイシカワ」では、
「ULTRA HEAVY」(ウルトラヘビー)の
コーチジャケットが登場します。



ブラウンのナイロンボディの
左胸にはなぜに、ナイフとフォーク?
そもそも、「ULTRA HEAVY」とは何者なのか?



「5DW メンズショップイシカワ」の
石川顕店長自らが語る、
「ULTRA HEAVY」とコーチジャケット。
本人に聞かなきゃわからないことって
案外多いんです。
コーチジャケットができるまで。
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――
いきなりですけど、
「ULTRA HEAVY」ってどんな集団なんですか? 
ブランドというわけではないんですよね?
石川
まあ、チームみたいなものですね。
僕とジェリー鵜飼(うかい)くん(*1)
「Bonzaipaint」(バンザイペイント)(*2)
はじめたのが「ULTRA HEAVY」。
「Bonzaipaint」の中で
Tシャツをつくったりしていました。
そのあとに神山くん(*3)が加わって、
今の「ULTRA HEAVY」になったわけです。
虎ノ門の「CURATOR’S CUBE」
(キュレーターズキューブ)
というギャラリーで
僕らの最初のイベントをやったんだけど、
そのときは、鵜飼くんの文字が入ったタイベック(*4)
キキちゃん(*5)の写真をプリントして、
神山がシルクスクリーンプリントを刷って
売ったんですよ。
額縁のサイズくらいの小さいものをね。
でも、厳密にいうと、
僕らが神山の展覧会にのっかっただけなんですけどね。
「ULTRA HEAVY」を簡単にいうと、
ものづくりしたり、展覧会をやったり、イベントをやって、
手を動かして何かを売っている集団です。
昨年、10周年だったみたいですが、
誰も何も気にもとめていないんです。
(*1)ジェリー鵜飼さんはアートディレクターであり、イラストレーター。個展も開くアーティストでもある。

(*2)グラフィックデザイナーの立沢トオルさんが1994年に立ち上げたサイクリストのためのブランド。

(*3)アーティストの神山隆二(かみやま・りゅうじ)さん。「ULTRA HEAVY」の一員。

(*4)タイベックはアメリカのデュポン社が開発した高密度ポリエチレン不織布。

(*5)モデルのKIKIさん。エッセイの執筆、フィルムカメラで収めた作品を写真展などで発表も。
――
今回のコーチジャケットですが、
なんで胸にナイフとフォークが入っているんですか?
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石川
これはね、もう10年以上前になるんですけど、
「ULTRA HEAVY」で鵜飼くんとつくった
タイベックのバゲット袋があって、
そのデザインのモノグラムの一部に描かれていたのが
このナイフとフォークだったの。
単純に僕が好きだったってのもあるんだけど、
なんか小さく埋もれているのが
もったいないくらいのかわいさがありますからね。
Heavy Metal Gear!! 
という文字がその下に入っていますが、
これも鵜飼くんの手がけた何かから
引っこ抜いてきて入れました。
ただ、いつものごとく当然、
鵜飼くんには許可はもらってなくて、
事後報告案件です。
――
それは、いつもどおりのやり口ですね(笑)。
これは初めてつくったアイテムなんですか?
石川
いや、このコーチジャケットはもともと
「ULTRA HEAVY」でつくっていたものなの。
でも、ナイフとフォークは黒でプリントしていたから、
つーか、だったらシルバーじゃんって思って、
シルバー感が出るような白っぽいグレーで
プリントしました。
――
そもそも、ジェリーさんはなんで
そのモノグラムに
ナイフとフォークを描いたんでしょうね?
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石川
それはね、僕もわからないのよ。
理由も聞いたことないしね。
本人は覚えているんでしょうけど、
そういう理由が大事というよりは、
もう見た目のカッコよさがいちばんですよね。
――
バゲット袋のモノグラムもそうですが、
ジェリーさんって小さいモチーフを並べるのが
好きですよね。
石川
すごい好きだし、ものすごく上手。
しかも、こういうタイベックのものは
モノグラムにしたほうがプリントも
しやすいですからね。
切れ端が気にならなくなるので。
このモノグラムのタイベックも
いまだに再販のリクエストがありますよ。
――
石川さんたちは
タイベックっていつから使っているんですか?
石川
ファーストコンタクトとしては
なぜか洋服で使われたりして流行った
30年以上前のことですけど、
10年以上前に鵜飼くんと僕で個人輸入していたんですよ。
日本のものだとカタカナで「タイベック」って
入っちゃっているけど、
アメリカのものは「Tyvek」ですから。
もうそれだけでデザインとしても成立していて
カッコいいんですよ。
で、僕らは、90cm×2mっていう
細めのシングルベッドサイズが欲しかったわけです。
キャンプのときにテントの下に
グランドシートとして敷きたいから。
軽くてポケットにも入れられるので、
僕は魔法のじゅうたんって呼んでいましたね。
それからですかね、
「ULTRA HEAVY」でオリジナルのものを
つくりはじめたのは。
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――
まっさらなタイベックにプリントする人って
あんまりいなかったんじゃないですか?
石川
どうだろうね、あんまりいなかったかもね。
僕らは、キキちゃんの写真を使って、
立沢くん(*6)がデザインしたり、
豊田さん(*7)が絵を描いたり、
神山がシルク刷ったり。
まあ、それはTシャツの話になるから
また次回にでも。
(*6)グラフィックデザイナーの立沢トオル(たちざわ・とおる)さん。「UNHALFDRAWING」(アンハーフドローイング)などを手がける。5DWではこちらのインタビューでも登場している。

(*7)「パームグラフィックス」の豊田弘治(とよだ・こうじ)さん。モダンサーフアートの第一人者。
――
石川さんはコーチジャケットって
普段から着ているんですか?
石川
それがさ、
コーチジャケットはあんまり着たことないんだよね。
そんなにコーチジャケットって持ってないから
なんか欲しいんだよ。
でも、3年から4年に1回くらい
コーチジャケットのブームってやってこない? 
「急にコーチジャケット流行ってない?」って時期がさ。
みんなFBIのを着はじめたりして、
クーパー捜査官? なんか「ツイン・ピークス」(*8)
みたいなね。
ほんとはコーチジャケットももう少し柔らかいのないの? 
なんて思ったりもしてたけど、
コーチジャケットってそんなもんじゃん。
素材がどうこう言いはじめたらダメなもの。
そもそもこんな感じだから、カッコいいんだ、バカ! 
ってのはある。
(*8)1990年から91年、2017年に放送されたアメリカの連続テレビドラマ。監督はデイヴィッド・リンチ。FBI特別捜査官デイル・クーパーを演じたのはカイル・マクラクラン。
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――
このコーチジャケットはどう撮りましょうかね?
石川
テーブルにジャケットを敷いてさ、
胸のナイフとフォークの手前か奥に
食器に半分に切ったリンゴでものせて
撮りたいなって思ったの。
もちろん、ジョークですけどね。
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2024-04-19-FRI
(おわります)




「ULTRA HEAVY」のコーチジャケットが
5DW WEBショップにて
2024年4月23日(火)午前11時 発売!
[STAFF]

企画・プロデュース:石川顕

スタイリング:野崎未菜美

ヘアメイク:勝健太郎

モデル:沖ちづる(168cm)、佐藤岳(182cm)

文:小笠原民織

撮影:吉嗣裕馬