第1回いい色が出る枝は、光って見える。
桜と茜(夜桜、薄墨桜、茜雲、茜空)
夜桜(よざくら)
薄墨桜(うすずみさくら)
染料:桜
桜での染色は、季節を選んで染めます。
花が咲く前、直前の枝を使う。
木の状態はまだ冬ですけれど、もう花の準備をしてる。
だから、赤がすごく強く出ます。
いい色が出る枝は、光って見えるんですよ。
枝が光って、「色出るよ」って言っているんです。
日に日に溜めてるんです、桜って。
だから、早い時期に切られた枝は、ちょっと儚く、
まだ幼い感じの色が出て。
それが花に近づけば近づくほど、大人になるというか。
「夜桜」はとても初々しい色に染まって、
それを1枚ものに織っていただいたら、
華やかな感じに、とても春らしいというか、
あたたかい色に仕上がったなと思っています。
「薄墨桜」は、桜を鉄で媒染したもので、淡いグレーです。
鉄を使うと、その背後に、
その植物の持ってる特色というか、
色がフッと見えます。
「薄墨桜」は、桜っぽいなって思わせる色が
グレーの背景に出てくれている。
それがすごいうれしかったんですよ。
特別に作ってもらった
シルクコットンの糸の特徴でもあるのかな。
こんなキレイなグレーって、
なかなか、出せない――。
この「薄墨桜」のグレーは特別です。
茜雲(あかねぐも)
茜空(あかねそら)
染料:茜
今回の茜の色は、上品に仕上がりました。
アトリエシムラの色は、透明感を大切にしていますが、
今回の茜の色は、いずれも
透明感とあたたかみが良く出たと思います。
染料は茜の根を乾燥させたものを使います。
古くから染料として用いられてきたもので、
薄い赤系統の色をした根を、
たくさん使って色を染めます。
同じ茜を染めていくにしても、
ずっと同じ色が取れるかというとそうじゃない。
茜の色は黄色系からはじまって、
媒染剤と合わせることによって、
赤に変化させるんですけど、
茜の力が弱いときは黄色が濃くなります。
薄い色は弱く染めないといけないけど、
ただ弱いと黄色のほうにふれてしまう。
これがとてもむずかしいんです。
色の境目を見極めて、せめぎあいながら
「ここだ」というところに色を留める。
「茜空」のグラデーションは、
色を出す者の見せ場でもありました。
販売時期
2017年10月13日(金)午前11時より、
「ほぼ日ストア」(ネットショップ)で販売開始。
売り切れ次第販売を終了します。
販売方法と出荷時期
数量限定販売です。
お申し込みから
1~3営業日以内に出荷いたします。
「第2回 生活のたのしみ展」に
atelier shimuraが出展します。
2017年11月15日(水)から19日(日)、
ストールの試着や機織り体験ができます。
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STAFF
モデル:KIKI / 撮影(モデル):菅原一剛 / 写真(取材):神ノ川智早 /
スタイリング:轟木節子 / ヘアメイク:草場妙子