ごはんを炊く、野菜や魚を煮る、お肉を煮込む、
すき焼きや水炊きをつくる、そしてステーキを焼く。
いろいろな調理法ができる「ベア」シリーズの土鍋ですが、
これまで蒸し料理を紹介したことはありませんでした。
もちろんできるのです。できるのですけれど、
そもそも土鍋で蒸し料理をする必要があるのかな?
‥‥という疑問がありました。
蒸すのならアルミ鍋でもほうろう鍋でもいいわけです。
料理の好きな人なら専用の鍋を持っているかもしれないし、
中華鍋に蒸篭をのせて蒸している人もいますよね。
たっぷりの蒸気が食材を包んで加熱すればいいので、
鍋じたいの特徴が味に関係することは、
そんなにないんじゃないのかな? と。
そんななか、昨年、京都・高台寺「金網 つじ」の
辻徹さんに出会いました。
大柄な身体と手でとても丁寧かつ繊細な仕事をする人で、
彼のつくりだす金網製品は、まさしく工芸品。
とくに細い銅を使って編んだものなど、
その美しさと実用性から、海外でも評価が高まっています。
いっぽうで、ちょっと太めのステンレス鋼を使った
カジュアルな台所用品もつくっていて、
たとえば「トースト用の焼き網」などは
ロングセラーのひとつになっています。
そのなかに、今回販売する蒸し網のもととなった
「足付き蒸し網」がありました。
ステンレスの太いワイヤーを手で編み、
溶接して仕上げた、とてもじょうぶなものです。
鍋に置いて使うことを前提に3つの足がついているため、
そのままでは土鍋にぴったりとはいえない網でしたが、
ためしに(ひっくりかえして)
ベア1号で使ってみたところ、
とても具合がよかったのです。
土鍋のつくり手である道歩さんと私たちの感想は、
「同じ蒸すのでも、こう違うのか!」
というものでした。
ベアシリーズの土鍋は、熱のまわりがよく、蓄熱性も高く、
蒸し器として使うと水蒸気に輻射熱が足されるのか、
食材の食感を保ちながら火が通り、
かつ、そのあとも熱が冷めにくいのでした。
芋をふかしただけでも「おおっ!」と感嘆、
大根をおつゆにつけて蒸し器に入れて調理したら、
おでんや風呂吹きとは違う食感で、
「サクサクしているのに味がしっかりしみている」
というような状態になりました。
直火で煮るのとは、別の料理になるのです。
この蒸し器としての使い方を、
ぜひ紹介したいと思いました。
そして、その入り口となった
辻さんの金網も、いっしょにならべたいと。
今回「ほぼ日」で販売する辻さんの蒸し網は、
道歩さんの監修で、サイズや使い勝手をととのえ、
ベア1号、ベア2号にぴったりのもの。
「金網 つじ」さんでは扱わないオリジナルのものです。
次回の予告から、辻徹さんのことや
道歩さんによる蒸し料理を紹介していきますね。
この冬の土鍋は、
11月22日(火)午前11時販売開始。
辻さんの蒸し網も
いっしょにならびます。
どうぞおたのしみに!
2016-11-16-WED