カレー研究家の水野仁輔さんと、
「ほんとにだいじなカレー皿」の作者である
土楽の福森道歩さん。
「ほぼ日」でカレーといえば‥‥のふたりですが、
じつはちゃんと話したことが、なかったのです。
ふだんからカレー皿を使ってくださっている、
という水野さんをお招きして、
道歩さんといっしょに、それぞれが料理をつくり、
ふたりで食べながら、おしゃべりをしました。
もちろん使うお皿は、道歩さんのカレー皿です。
「器の色に合わせて、カレーを考えてきました」
という水野さんは、じっくりと、
自作のスパイスを使ったカレー3種。
道歩さんは驚異の手早さで、カレーと副菜を8種。
料理の色と器のことから、カレー文化のこと、
日本のカレーの原点についてなど、
いろいろな話題がとびかいましたよ。
んんん? ほんのりと、燻香のような、BBQ的な香りが口にひろがる! 「鶏肉を炒めてる時に焦がすんです。これが好きなんですよ、ちょっと香ばしい感じになって」と水野さん。なんと、あえて焦がすとは‥‥。トマト、玉ねぎ、生姜、にんにく入りです。Air Spice「基本のチキンカレー」使用。器はアメ釉の「ほんとにだいじなカレー皿」。白いごはんがきりりと浮かび上がり、赤茶色のカレーもよく映えています。
目立つ具材は、あえてじゃがいもだけ、という潔いカレーです。出汁やにんにくは使わず、ヨーグルト、ココナッツミルクでまろやかさを、玉ねぎと生姜でコクを出しました。「“夏野菜のカレー”というのも、色とりどりでキレイなんだけれど、今日は『カレー皿』のために、ソースの色をメインにしたかったので、色をジャマしない野菜にしたんです」と水野さん。Air Spice「ミックスベジタブルカレー」使用。器は、青織部の「ほんとにだいじなカレー皿」。黄色とグリーンは相性がいい! そしてふしぎとエスニックの印象が強まりますね。
見た目は「強そう」なのに、食べると甘さを感じるカレーです。「玉ねぎを、ほかのカレーに比べて多めに入れて、飴色にしているから、そのぶん、甘みが出ているかもしれないですね」と水野さん。さらに生姜とにんにく、そして隠し味にチョコレートを使っています。Air Spice「ドライキーマカレー」使用。器は灰釉の「ほんとにだいじなカレー皿」です。ちょっと和のムードが出ますよね。
「スパイスは『カレーの恩返し』だけを使っています。炒め煮です」と道歩さん。このままカレーとして食べるというよりも、カレーの副菜としての一品です。器は青織部の「ひとくちカレー皿」。グリーン・オン・グリーンの盛りつけ、かっこいいです。
すりおろしたじゃがいもと、合い挽き肉、そして「カレーの恩返し」でつくったカレーです。「これをパンに入れてカレーパンにしてもおいしいかも」と道歩さん。ホットサンドの具にしてもよさそうな、とろみでした。器は「中のカレー皿」の青織部。茹でたグリーンアスパラガス、そしてごはん(ベーコンとグリーンピースの炊き込みごはん)に入っているアスパラガスのグリーンが、お皿の色とカレーをつないでいます。
インドのお米料理、ビリヤニをつくりました。具材は鶏もも。スパイスとして「カレーの恩返し」をたっぷり使っています。土鍋(ベア1号)で、お米とお肉を炒めてから、じっくり炊いています。おこげもおいしい! アメ釉の「中のカレー皿」は、食材との色のコントラストがはっきりするので、額縁効果がありますよね。
「カレーに合うように」と、うすく塩味のあるごはんです。もちろん、このまま食べてもおいしいのですけれど、道歩さんの、ひよこ豆のカレー風味や、グリーンピースのカレー炒め、もちもちカレーに合わせてみたら、うまさ倍増。おどろきました。青織部の「中のカレー皿」に盛りました。
クミンを使うことで、ぐっと「カレー寄り」の副菜になったサラダです。ピクルスがわりにポリポリ食べられそう。(じっさい、試食で人気でした。)アメ釉の「ひとくちカレー皿」を使いました。こういうみずみずしいドレッシングなど、光を反射するものって、アメ釉のピカピカな感じとよく合います。
カレーに合う、さっぱりとした副菜をと、道歩さんがつくりました。色味もとてもきれい。塩炒めをした落花生をそえています。酢の物がカレーに合うって、意外。和食らしく、灰釉の「ひとくちカレー皿」に盛りました。
ひよこ豆は水煮缶を使って時間短縮。トマトと、カレーの恩返しを使って、炊くように加熱しています。このまま「おつまみ」としてもいただけそうなところは、さすがお酒の好きな道歩さんならでは。青織部の「ひとくちカレー皿」に盛っています。中心を高く、山のように盛っているのが、うつくしい。
さっと炊いたあさりと、かぶ、スナップえんどう、にんにく。塩で味をととのえて「カレーの恩返し」を入れて、シンプルでおいしいスープカレーをつくりました。ごはんじゃなく、おそうめんでも、おいしいかも。たっぷりスープが入る「ほんとにだいじなカレー皿」を使っています。灰釉を使っているので、やさしい雰囲気に。アメ釉や青織部だとまたちがった印象になりそうですよね。
調理中はちゃんと話せなかったふたりですが、
いざ試食を始めたら、食べる・話すで大盛り上がり。
その様子を、次回からお届けしますね。
(つづきます。)
2017-08-08-TUE