パジャマを作りたいという私たちの想いを
まっすぐに受け止めてくださったのは、
二人だけでパジャマを作っているチーム、
NOWHAW(ノウハウ)です。
いままで一緒につくってきた過程を思い出しながら、
お話ししました。
- 十河幸太郎(とがわこうたろう)さん
- チューソン(十河美紀=とがわみき)さん
パジャマによる
「新しく思いがけない驚きのある休日と世界」
を過ごす為のノウハウ
Know-how for passing
“New Odd Wonder Holiday And World” by pajamas
暮らしに潤いと、精神的・感覚的豊かさを与える
“インテリア(空間)” , “ファッション(スタイル)” , “アート(表現)”
の要素を “寝心地最優先”という信念のもと、
“パジャマ”に落とし込む取り組みです。
“インテリア(空間)”としての“パジャマ”
“ファッション(スタイル)”としての“パジャマ”
“アート(表現)としてのパジャマ”
寝ること・寛ぐことが好きな夫婦が営むパジャマメーカー。
国内外の宿泊施設で、
アメニティパジャマとして採用されるなど、
スタイルや年齢を問わず、
ギフトにもおすすめな、
デザインと使い心地を追及した日常を彩るパジャマです。
- ──
- 今回、私たちと一緒にパジャマを
つくっていただいたわけですが、
さいしょのスタートは、ハラマキを夜にもつけてもらって、
あたたかく過ごしてもらいたいなあと考えていたときに
一緒に夜を過ごせるパジャマを作りたいな、
と考えていたことでした。
そんなときにNOWHAWのお二人と知りあって。
- 十河
- うれしいです。
- ──
- NOWHAWの商品って、
スタンダードなデザインなのにおしゃれでかっこいい。
かと思えばカンフージャケットをモチーフにしたパジャマや、
ミリタリー風のドテラなんかがあったり。
けっこうデザインで遊んでいても、
そのなかに生活の中で便利な工夫がつめこまれていたり、
素材や縫製はすごく良くて、使っていてとても気持ちがいい。
自分たちのスタイルを確立しているなあと思っていました。
- チューソン
- ありがとうございます。
- ──
- ほぼ日ハラマキは、
世の中のハラマキがまだ
“カッコワルイ”ものだった頃、
糸井重里が
“こんなにいいものなのだから、
もっとカッコイイものがあれば、
みんな、うれしいんじゃないかな?”
という発想からはじまったんです。
ハラマキをするとすごく調子が良いのだけれど、
その当時はラクダ色のような、
いわゆるハラマキしかなかった。
なので、今のほぼ日ハラマキが
大切にしていることのひとつに、
ちらっと見えても素敵、というのがあるんです。
パジャマも本来は誰かに見せるものではないけれど、
そこにデザイン性をもたせたり、
着る人がうれしくなるような
かっこいい商品をつくられているところに、
通ずるものを感じていました。
- 十河
- それは僕がこのお話しをいただいたときも、
そう思いました。
なので、一緒につかってもらうのも
相性がいいと思います。
パジャマをつくっているときは、
生活の中で行う動作で
あったらいいな、と思うことを
機能性として散りばめながら、
かつ、誰かに見られても恥ずかしくないという
デザイン性を意識しています。
- ──
- 実際にNOWHAWのパジャマを着てみると、
ストレスなく着られるというのが
いろいろ考えられているんだなあと思います。
そもそも、おふたりはどうしてパジャマを
作ろうと思ったんですか?
- 十河
- モノをつくる人の性格もあると思うんですけど、
ぼくらは家でくつろぐのが好きで、
旅行とか外出で戻ったときに、
やっぱり家が一番だな、って思うくらい
家が好きなんです。
その家の中でパジャマに着替えて、
ようやく帰ってきたな、という感覚があって、
パジャマって家みたいな感覚がある。
まあ要するに、
ぼくらはごろごろするのが大好きで、
好きが高じてパジャマを作っています(笑)。
- チューソン
- そして、これは作りはじめて気がついたんですが、
パジャマはみんなに似合います。
それがやり甲斐で、やっていてうれしい。
パジャマは人を選ばないです。
- ──
- 似合わない人はいない?
- 十河
- 子供からおじいちゃん、おばあちゃんまで
みんな似合います。
それは共通してみんな「寝る」ということが
あるからだと思います。
そして、もともと洋服が好きで
そういう仕事もしてましたけど、
いま自分たちが嘘なく活動できてるな、と
思うのがパジャマです。
- チューソン
- 自分たちのなかで変わらず
ずっと続けられるのもパジャマぐらいですね。
- 十河
- 私服も最近は決まったスタイルになってきましたが、
ことパジャマのことになると創作意欲がわきます(笑)。
- ──
- 今回つくるパジャマは、
あたたかいパジャマを、と
リクエストしました。
いま世の中には良いパジャマがたくさんありますが、
私たちがつくるなら、やっぱり、
着心地がよくてあたたかいもの、と思いまして。
- チューソン
- 「あたためるもののお店。」ですもんね。
- 十河
- 今回は冬にもぴったりな
フランネルの生地を、
両面起毛させて使いました。
とてもあたたかい生地になりましたよ。
- ──
- 両面起毛。あたたかそうです。
- 十河
- フランネルの起毛の生地で多いのは、
片面起毛のものです。
外側、内側、どちらに起毛面を使うかというのは
各メーカーそれぞれ。
けっこう多いのは、外側に起毛面がくることかな。
そうすると、
お店にかかっている状態はあったかそうなんだけど、
いざ着てみると
見た目ほどのあたたかさはないんです。
あたたかいパジャマなら
両面起毛がいいと思いましたね。
- チューソン
- フランネルはよくネル生地と略されるんですけど、
“寝る”生地だからパジャマにもぴったりです。
- ──
- なるほど(笑)。いいですね、寝る生地!
- 十河
- そして、素材の一番の特徴は
ストレッチがきくということです。
僕らのテーマのひとつに、
素材は天然素材を使う、ということがあります。
着ていて気持ちがいいですし、
天然素材は吸水性が高いんです。
寝汗ってけっこうかくんですが、
汗を吸水してくれる素材のほうが
同じ睡眠時間でも睡眠の質が変わる、
と僕たちは思っています。
そしてこの素材も綿100%なんですが、
伸縮性があるんです。
- ──
- 綿には伸縮性がないイメージでした。
どうしたらそんなことができるんですか?
- 十河
- これはNOWHAWの商品でも
今年の冬の新作用にはじめてチャレンジしたやり方で、
ナチュラルストレッチ加工という技術をつかいました。
簡単に説明すると、
生地をぎゅっと縮めたんです。
そうすることで伸びる余地をつくってあげる。
ただ、単純に縮めただけだと厚みや硬さがでるので
さらに加工をかけて
生地のコシやハリをぬいて、やわらかくします。
パリッと、というよりも、
お洗濯したような風合いです。
- ──
- はい、肌ざわりがすっごくやわらかいです!
- 十河
- ポリウレタンなど
化学繊維が入っているものにくらべると
収縮性はそんなにつよいものではないんですが、
ただメリットもあって、
ウレタン系のストレッチは伸びたら伸び切っちゃう。
でもこれは必ず戻る。
- ──
- 洗濯をしてもですか?
- 十河
- はい戻ります、
そこは強度はつよいですね。
生地も、ナチュラルストレッチの加工をかけることで、
より厚みもでてあたたかいです。
- ──
- おおー!
- 十河
- それに加えての両面起毛なので、
とてもあたたかい生地になったと思います。
事前にとっていただいた社内アンケートでも
寝るまえにストレッチをするという方か多くいたので、
なおさらこのストレッチ生地を使いたかったです。
チューソンもストレッチを毎晩してますよ。
- チューソン
- ストレッチせずに子供と一緒に寝ちゃったときなんかは、
ストレッチしてない、ってとびおきて
ストレッチしないと気がすまないくらい毎日します(笑)。
- ──
- もう習慣になってるんですね。
パジャマを作りたい、と思ってから
まずは社内のみんなは、
寝るときにどういうものを着たり、
眠る前にどういうことをしているのかな?
と思って、アンケートをとりました。
乗組員50人程度なんですけど、
ストレッチしてる人もちらほらいました。
- チューソン
- ああ、ストレッチって、
ほんと、いいんですよね!
- ──
- 睡眠導入としても
効果があると言われているストレッチですが、
このたびTKさんこと格闘家の高阪剛さんに
ねむりの前におすすめのストレッチを
教えていただいたんですよ。
TKさんは、
総合格闘家やスポーツ指導者としてご活躍されながら、
ほぼ日では週に1回、
「TK体操」の先生としてきてくださっているんです。
今回は、ふとんやベッドの上でできる
簡単なものを教えていただきました。
- ──
- 生地についてもうひとつ、
今回色のバリエーションが2色あるわけですが、
これは一枚の布の表裏なんですよね。
- 十河
- この布は綾織という織り方をしていて、
それはデニムも同じ織り方なんですけど、
縦糸と横糸、それぞれ違った色をつかっています。
そうすると、表と裏で色の見え方が違うんです。
今回だと表がネイビーで、
裏が杢になっているほうなんですが
どちらもいい色だったので、ふたつとも作りました!
色の違いを楽しんでもらえればうれしいです。
(つづきます)
2018-10-31-WED