![2013年のインタビュー(その1)「光象展」に参加して。](images/yamanaka/midashi01.gif)
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去年の9月に、奈良で、
(福森)道歩ちゃんと、
彫刻をやってる岸野承くんが中心になってやってる、
「光象展」っていうグループ展に誘ってもらったんですよ。
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おもしろかったですね。
ほとんど若い人たちばっかりで。
参加していたのは、20人たらずで、
やきものだけじゃなくて、彫刻も、
ガラスも、木工も唐紙もいれば、絵画の人もいる。
やっぱり、若い人のエネルギーって、いいですね。
すごく新鮮でした。
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うん、刺激されるっていうか。
やっぱり、この年になっちゃうと、
もう先が見えてくるじゃないですか。
だから、僕にもこんな頃があったなっていうのを
思い出せるのは、うれしかったんです。
「この時期が、一番大事なんだな」っていう、
こうやって、なにかができていくんだなぁっていうことを、
今さらながらに考えさせられたっていうか。
自分がその時にいるとわからなくて。
通り過ぎてきたから、わかる。
だから、若い人たちを見るのって、楽しいですよね。
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僕自身、若い時に、いろんな年配の人に会って、
すごく教えられたことがいっぱいあります。
僕がいまだに思い出すのは、
石川県の九谷青窯にいたころ、
その時は専務だった秦燿一さんの
お母さまがいらっしゃいました。
つまり、魯山人の「星岡茶寮」の支配人だった、
秦秀雄さんの奥さん。
その方のお供で、
あちこち行ったんですよ。
骨董屋さんに行くと、
奥から、すごく大事そうなものが出てくる。
おいしいお蕎麦を食べに行って、
昼からビール飲んでるのを
「お、いいなぁ」なんて思いながら見てました。
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そのおばあちゃんがお料理してくれて、
おいしいものもいっぱい食べさせてもらいました。
すごく印象的なのが、
ガラスの瑠璃の鉢があったんです。
で、その鉢に、四角いお豆腐を、
1個、ポンと入れて、出してくれて、
それがすごくきれいでね。
若いときに、いい人に会うことや、
いいものを見ておくことが、
すごく大事だと思うんです。
そのときはわかりませんよ。
わからなくていいんです。
おとなになってから、わかればいい。
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若いときからわかってたら、気持ち悪いですよ。
若い人には、今はそんなことを考えないでほしい。
若い時には、もうメチャクチャなことやらないと。
僕だって、そのときは、
それほど恩義にも感じていなかったことが、
この年になって考えてみると、
あぁ、あの時のあれが、
僕の今を作ってるんだなってわかる。
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僕は、本当に幸せだったと思う。
だから、僕も若い人のお手伝いができるんだったら、
うれしいですよね。
楽しいですよ、若い人と話してると。
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(次回につづきます)
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