新作「アメトリンのペンダント」は
9カラットのホワイトゴールド製で、
こちらのコンテンツでもご紹介したイギリスの
19世紀末~20世紀初頭に流行したモチーフ、
月桂樹の2枚葉がポイントです。
葉の上には当時のスタイルに倣ってシードパールを
あしらっています。
その下に揺れる、
パープル × イエローのステップカットの石は、
アメシストとシトリンの両方を有する「アメトリン」。
ボリビアで採れるめずらしい宝石です。
シードパールはヴィクトリア時代のイギリスで大人気で
ジュエリーにさかんに使われていましたが、
デリケートな極小の真珠を貴金属に埋め込み、
絶妙な力加減で留めることができる人は、
残念ながら、もう現代にはそうそういません。
今回の宝石のセッティングを
担当してくださったのは、過去に英国の
ザ ゴールドスミス カンパニー主催の
セッターのコンペティションで銀賞を受賞された
ロンドンの職人さん。
彼の技術なしでは、このペンダントは作れなかったので
とても感謝しています。
『イセキアヤコさんのジュエリーのお店』では、
これまでアンティークやヴィンテージのジュエリーの
復刻品を中心に販売してきましたが、
今回は、デザインはアンティークの
エッセンスをとりいれながら、
当時流通していなかった「アメトリン」を
組み合わせている、という点がいつもと違っています。
「アメトリン」という宝石の存在を私が知ったのは、
ロンドンのGem-A(英国宝石学協会)で
宝石学を学んでいた頃のことです。
※Gem-Aについては当時のエッセイ、
ある日の日記(13)をご覧ください。
教科書をめくっていたとき、
美しいアメトリンの写真が
載っているページで思わず手がとまりました。
アメシストもシトリンもクオーツの一種です。
けれど、まさかそれらがひとつになった宝石があったとは。
ただ一点、「おや?」と疑問に思ったことがありました。
イギリスのアンティークジュエリーで、
アメトリンが使われた品というのをこれまでにいちども
見た記憶がなかったからです。
実は、アメトリンが市場に出回りはじめたのは
1970年代になってから。
商業規模で産出されているのは
ブラジルとの国境にほど近い東ボリビアのみで、
この産出地、すでに1600年代に発見されていたものの、
あまりに荒涼とした僻地にあったため、その後ずっと
忘れ去られていたというのです。
約300年もの眠りから目覚めた、宝のありか。
なんともワクワクする話です。
アメトリンは色に個体差があり、
濃く、色の境界線がはっきり入った石もありますが、
淡く繊細なパープルとイエローのほうが
お洋服を選ばず着けられるのではと思い、
そちらの色味をあえてセレクトしました。
また、当品に使用しているペンダントチェーンは、
細いながらも目が詰まっており、
しっかりとした存在感と上品さがあります。
年齢を問わず多くの方に手にとっていただけると幸いです。
イセキ アヤコ
イセキアヤコ presents
Ametrine Pendant
税込49,000円
*すべて税込・配送手数料別です。
2019-12-11-WED
美大卒業後、
手縫いで作るすべて1点物の人形制作をはじめ、
イラストレーターとしても活動。
イセキアヤコさんとのコラボレーションによる
展示会「Rosa」2012年開催。
Blog:
http://hibi-no-rakugaki.blogspot.jp