ほぼ日の「おちつけ」インタビュー 目を見ておちつけ ほぼ日の「おちつけ」インタビュー 目を見ておちつけ
ほぼ日の「おちつけ」グッズに、
新商品「おちつけ」レザーミラーが登場です。
目元や口元をチェックできる
スリムなレザーミラーに
石川九楊さんの「おちつけ」の型押し。
スライドすれば、鏡が現れます。

シックな牛革製のこちらの鏡が
よく似合うお仕事について考えてみました。
羽田空港の国際線ターミナルに直結するホテル
「ヴィラフォンテーヌ プレミア 羽田空港」の
フロントで働くおふたりに、
身だしなみで気にかけていることや
おちつかない状況についてお話をうかがいました。
(前編)おちつけのおもてなし
写真
──
つねに身だしなみに気をつかうかたや、
どんな状況でも「おちつけ」が必要なかたって、
どんなお仕事なんだろうと考えたときに、
ホテルで働くみなさんが思い浮かんだんです。
ふたり
ありがとうございます。
──
羽田空港の国際線ターミナルに
直結しているということで、
今年に入って海外からの旅行者が
一気に増えたんじゃないでしょうか。
遠藤
だんだんと戻ってきてくださった実感はあります。
こちらの羽田空港の店舗は昨年12月の開業ですが、
私たちはふたりともこちらの配属になる前は
六本木の店舗におりましたので、
海外からのお客さまが多いエリアではありました。
ですので今、「さあ、忙しい波が来たぞ」と
気分が盛り上がってきたところなんです。
写真
石山
お客さまの香水の香りがホテルに充満して、
「あ、戻ってきていらっしゃったんだな」って。
写真
──
ようやく忙しさが戻ってきたところですね。
その逆で、緊急事態宣言の時期なんかは、
ホテルの利用者が少ない焦りもあったんじゃ‥‥。
遠藤
お客さまが少なかったからこそ、
今できることをみんなで考えていましたね。
別の店舗の話にはなりますが、
このタイミングで
忙しい時にはできない部分を改装するとか。
石山
私はサービス接遇検定の資格を
イチから学ぶ時間にあてていましたね。
語学の習得や個人的な課題を各々で掲げて
取り組んでいる社員もおりました。
──
その成果を発揮できるタイミングが
きたところなんですね。
石山
そうですね、お待ちしておりました!
遠藤
お客さまの近くにいて、
目の前で喜んでもらえるのはうれしいですね。
現場のスタッフやお客さまと
コミュニケーションをとりながら
お仕事をするのが一番好きです。
──
突然忙しくなるタイミングや、
イレギュラー対応もあると思うのですが、
表情や態度には出せませんよね、きっと。
石山
表に出さないようにはしていても、
スタッフ同士なら隠しているのは伝わりますね。
余裕はないだろうけど、
平静を装っているのかなってわかります。
そういうときは私自身も慌てているので、
それこそ自分に「おちつけ」と。
遠藤
みんなが焦っているんだと思えば、大丈夫。
焦っているからこそ一呼吸おいて、
お客さまにより丁寧に対応するよう心がけます。
それでもピンチになっている時は、
お互いにフォローをするようにします。
目いっぱい平静を装っていても、
表情の機微でわかりますから。
ちょっと横入りさせてもらったり、
後ろを通った時にポンポンと背中をたたいたり。
石山
そう、遠藤さんはいつも助けてくれるんです。
「なにかあったらサインちょうだいね」
みたいな目配せをチラチラとくれて。
遠藤
「あっ、いま困ってるな」というのは、
アイコンタクトでわかりますね。
スタッフ同士のアイコンタクトは
すごく重要視していますし、
お客さまがお困りになっていることも
目を見れば伝わってきますから。
いつでもお声掛けできるように待機しています。
写真
──
緊急時には、お客さんも慌てていたり、
感情的になっていたりしますよね。
どういった対応をなさるんですか。
石山
たしかに救急車をお呼びしたり、
緊急のお手配をすることはありますね。
遠藤
目の前の私たちが焦ってしまうと、
お客さまがより焦ってしまって、
よくない方向に向いてしまうので。
より一層、おちついて見えるようにします。
──
ただ、新人のかたはそれでも
おちつかないことがあるのでは。
遠藤
日々、イレギュラーはありますからね。
新人のスタッフの場合、
場数をどんどん踏んで判断力がつくまでに、
1年半から2年ぐらいはかかります。
ですが、すべてが完璧にできるとなると、
私たちも含めて、まだまだ未熟です。
──
空港に直結しているからこそ、
特にイレギュラーな出来事は
多いんじゃないでしょうか。
遠藤
そうですね。たとえばエアライン様が
悪天候や飛行機のシステムトラブルで欠航になると、
フロントに問い合わせをいただくことがあります。
たとえば、急遽100部屋が必要になって、
1、2時間後には200名のゲストを
お迎えしなければならない場合でも、
私たちはすぐに対応できるよう準備をしております。
お客さまにとってこちらの準備時間は関係ないので、
それが当日であっても
同じような条件で出迎えなければなりませんから。
石山
特に、システムトラブルでの欠航は
こちらでは予測できませんので。
私どものホテルには温泉がございますので、
ご旅行に行けなくて残念に思っているお客さまに、
限られた条件の中でも、
リフレッシュしていただけるように考えています。
少しでも残念な気持ちが和らげばいいなって。
──
緊急時やイレギュラーな対応をしていると、
失敗を引きずったりしませんか。
石山
「こういうアプローチをお客さまにして差し上げたら、
もう少し笑顔が広がったのではないか」
といった反省は、もう毎日のようにありますね。
個人的に反省して終わることもあれば、
近い先輩に相談をすることもよくあります。
遠藤
同僚からの相談を受けることで、
「じゃあ、今後はこうしていこうよ」と、
また新しいご提案が生まれることもあります。
反省で終わらずに、解決ができたり、
何か得られるものがあるといいですよね。
ただ、どうしてもセンチメンタルになる時は、
退勤の打刻を押したあとに、感情を出します。
髪をバッとほどいたら、
周りから見ても終わりの合図になるので。
「もう、今は何も質問しないで」って(笑)。
写真
──
ホテルで働いているみなさんなら、
他人の変化に気づいてくれそうですね。
石山
いつもと違うなって気づいて、
仲間が声をかけてくれることもありますし、
逆に、今は話しかけてはいけないんだなって
お互いに察することも大切ですよね。
仲間への心配りは必要です。
そうそう、このホテルで働いていれば
滑走路を見に行くこともできますし。
──
すぐお隣に羽田空港があるから、
そのまま飛行機に乗りたくなっちゃいそう。
ふたり
もう、本当に!
カタカタカタッ!(地震が起きる)
遠藤
‥‥地震ですね。
──
本当ですね、揺れてます。
遠藤
(トランシーバーに向かって)遠藤です。
震度がわかったら共有をお願いいたします。
石山
事務所のかた、事務所のかた、
テレビをつけて確認をお願いします。
遠藤
はい、はい。よろしくお願いします。
‥‥失礼しました、ホテル内は特に問題ありません。
最大震度は3だったようです。
──
ああよかった、大丈夫でしたか。
本当に、日常の中に突然やってくるものなんですね。
びっくりしました。
写真
(後半につづきます)
2023-11-06-MON
写真
目の前のわたしに、おちつけ。

ほぼ日の「おちつけ」レザーミラー
2023年11月9日(木)午前11時発売

6,600円(税込)
緊張するような場面を迎えたときに
目元や口元をチェックできる
スリムなレザーミラーです。
手によくなじむ牛革製で、
書家の石川九楊さんによる
「おちつけ」の書を施しました。

スライドすれば、鏡が現れます。
身だしなみを整えながら
書が目に入ることで、心も「おちつけ」。
さあ、おちついたら顔を上げて
自信を持って前に進みましょう。