“感じるジャム”シリーズの第1弾は
「みっくすベリージャム」。
こちらの完成をきっかけに、
糸井重里と、レシピを担当した小菅くみさん、
関わったほぼ日乗組員とで
ちょっとしたブランチを食べながら、
ジャム完成までをふりかえりました。
そのときの話を、全2回でお届けします。

小菅くみさんプロフィール

後編(変な作り方が、大発明)をみる

<前編>いいジャム、いいジャム。

くみ
今日はよろしくおねがいします。
糸井
よろしくお願いします。
―――
パン、よかったらトーストするので
言ってくださいね。
糸井
じゃあさっそく、
食パンを1枚おねがいします。
くみちゃんもトースト、するよね?
くみ
はい、おねがいします。
それにしても、すごい。うれしい。
―――
今日は、飯島奈美さんの『LIFE』シリーズから
作ってみました。
糸井
『LIFE』でこんなふうにも作れるんだね。
くみ
いいね。
本、チェックしてみよう。
糸井
だけど、ブランチのセットも盛り上がるけど、
今回はなんたってこれだよね、
『感じるジャム』。
―――
ついにできました。
くみ
できた!
糸井
このガラスの器に盛ったのも、いいね。
―――
「みっくすベリージャム」に使われている
ベリーを集めてみました。
季節柄ブラックベリーだけないのですが、
ほかはぜんぶあります。
ブルーベリー、ストロベリー、ラズベリー、
クランベリーの4種類です。
くみ
おしゃれだ(笑)。
糸井
そっか、このナツメみたいに見えるのが、
クランベリーなんだ。
生のもの、はじめて見たかも。
食べてみよう‥‥すっぱい!
くみ
ほんとだ、すっぱい。
―――
クランベリーやラズベリー、ブラックベリーは、
単体でジャムを作るとすっぱすぎたり、
くせの強すぎる味になるので、
基本的にはミックスして使われるそうです。
糸井
クランベリーって、ベリーじゃないみたいだね。
ベリーってくしゃっとつぶれるじゃん?
だけどこれはそうじゃない。
くみ
そうですね。
パインアップルとか、そんな感じ。
糸井
うん、食感がアップル系かも。
トースター
‥‥チン!
―――
パンが、焼けました。
糸井
じゃあ、おれは本格的にジャムにいくぜ。
くみちゃんはゆっくりどうぞ。
くみ
はーい。
―――
今日は、デニッシュっぽいもの、バゲット、
さっぱりした食事パン、定番の食パンなど、
いろいろとりそろえてみました。
糸井
まずはやっぱり、
焼きたてのトーストでいきます。
ジャムをたっぷりのせて‥‥
―――
いかがでしょうか。
糸井
‥‥わぁ。
(大声で)ん、ま―――い!
くみ
わたしもパンいきます。
(食べてみて)
‥‥わ!
糸井
でしょう?
くみ
おいしい。おいしい!
いいジャム、いいジャム。
糸井
このパンのおいしさのおかげも
たぶんちょっとあるけど、
このジャム、パンにものすごく合うね。
くみ
すごく合います。
おいしいです。
糸井
これ、うまいなぁ。
くみ
あと、この準備してくれた
ホイップバターやクリームチーズと
一緒に食べるのも、ものすごく合う。
糸井
こうやって試作のときから
ちょっと時間をおいて食べてみると、
すごくよくわかるね。
この「みっくすベリージャム」の配合、
ものすごくよかったんだね。
くみ
このジャム、おいしいです。
糸井
まんぞくだなぁ。
くみ
まんぞく。
糸井
‥‥じゃあ、くみちゃんもこのジャム
気に入ったのね?
くみ
気に入りました。すごく。
おいしかったです。
糸井
よかったぁ。
くみ
今回、おいしくて、たのしかったです。
試作していてわたし、
ジャム作り、とにかくたのしくて。
毎日ジャムを作りながら、
ゆーないとに何度も
「これすごい、向いてるわ―――!」って
言ったりしてました。
ゆーないと
そう、すごい向いてたんだよね。
―――
読んでいるかたにむけて補足しますと、
小菅くみさんは
「ほぼ日」のゆーないとに紹介してもらって
出会ったひとです。
糸井
ミックスジャムを作るなら
大量の試作が必要と思ったんだけど、
ぼくにはそういうことがまったく向いてないから、
誰かにお願いできたらと思ったんです。
そうしたら、
ゆーないとがくみちゃんを紹介してくれた。
ゆーないと
ジャムチームがジャムの試作をする人を
探してるって聞いて、
「くみ、やりそうだな」って思ったんです。
本業が刺繍作家だし、
ひとつの作業にすごく没頭するタイプだから、
向いてるんじゃないかと思ったんです。
‥‥ここまでとは、思わなかったけど(笑)。
くみ
わたしも、予想してなかった。
一同
(笑)
―――
くみさんは、もともと家で
ジャムを作ったりはしてたんですか?
くみ
パンはもともとすっごい好きで
いろんなパン屋さんをまわったりしてたけど、
ジャムをぬる習慣は特になかったんです。
田舎からブルーベリーやいちごが
大量に送られてきたときに、
ジャムにするとかはあったけど、そのくらい。
そのときも、分量もなにも量らずに煮てたし、
何もしてなかったに等しいと思います。
糸井
だけど、それがよかったんだよね。
今回はおれと似た「しろうと」の立場で
たのしみながら実験してくれる人に
やってもらいたかったから。
くみ
でも、わたし基本的に
ものすごく、適当なんです。
刺繍でもなんでも、
「見本どおりにやりなさい」というのが
すごく苦手で。
今回のジャム作りは
「自分で自由にどうぞ」だったから、
それがすごく良かったです。
糸井
「適当」というよりも「感覚的」?
レシピの分量はぜんぜん適当じゃなく、
誰がやっても作れるように
しっかり記録してくれてたし。
あれ、助かったよね。
―――
はい、あのおかげで
あとで選ぶときに迷いませんでした。
くみ
いやいやいや。
―――
そして送ってくださるものが
ぜんぶおいしくて、びっくりしました。
糸井
そうなんです。
実はもともとお願いしたときは、 
「何と何の組み合わせがおいしいか、わかればいい」
くらいに考えていたんです。
だけど、できあがってきたものが
「これもおいしい」「こっちもまたおいしい」
みたいな。
―――
ミックスジャムって
こんなにおいしいんだ!と思いました。
糸井
そう。みんなおいしいから、
これはくみちゃんのレシピを活かしたほうが
きっといいな、と思ったんです。
良いのがありすぎて、
「‥‥どうしよう。ひとつに選べない」
とは思ったけど。
一同
(笑)
糸井
だから、さんざん考えたんだけど、
最後にどれを製品化するかは
完全におれの好みできめちゃった。
ぼく自身にとっては
「他の人が何を言おうがこれを出す!」
みたいに答えが出たので、よかったですね。
くみ
そのことも、ありがたかったです。
わたしはいろいろ作りすぎてて、
自分ではこれ、と決められなかったので。
糸井
試作は結局、どのくらい作ったの?
すごい数を作ってたよね。
くみ
それが、毎日ものすごい量を作ってたから、
わたし自身もわからないんです。
ただ、ざっくりですけど
持って来たものの倍くらい試作はしていて、
大失敗もけっこうあったんです。
酸っぱすぎて胃が痛くなるようなジャムとか‥‥。
一同
(笑)
糸井
とにかく、すっごい数だった。
くみ
はい。
糸井
それぞれを食べくらべるのもたのしかったです。
分量はそれぞれこうで、
ABCDの特徴はそれぞれこうで‥‥みたいに。
―――
社内でもいろんな人に聞いてみて、
「女の人は酸味が強いのが好き」
ということが、みんなの反応からわかったり。
そして結局、第1弾の
「みっくすベリージャム」は
みんなに好かれる安定した味のものに決めました。
糸井
そう、結局、
一瞬「わっ」と話題になるのじゃなく、
「毎日食べたとき、いちばんうれしいもの」に
したんだよね。
(後編につづきます)

「ほぼ日の試食フェス」で食べたかたの声。

2014年12月6、7日に
HOBONICHIのTOBICHIで開催した
ほぼ日の試食フェス」では、
来てくださったお客さまの一部に
ひとあし先に
「感じるジャム(みっくすベリージャム)」を
召し上がっていただきました。
そのときの感想を、ご紹介します。

◎(ひとくち食べて、味わってから)
 ‥‥うわっ、おいしい!
◎ジャムだけで、何杯でもいけそう。
◎ヨーグルトにたっぷりのっけて食べたい。
◎ブルーベリーのジャムが好きなので、
 このジャムはとても好きです。
◎甘さがちょうどいい。
◎さわやか!
◎今日売ってたら、ぜったい買って帰ってました。
◎ブルーベリーだけじゃなくて、
 もっと複雑な味がします。
◎発売たのしみです。買います!

2015-02-05-THU