- くみ
- 今日はよろしくおねがいします。
- 糸井
- よろしくお願いします。
- ―――
- パン、よかったらトーストするので
言ってくださいね。
- 糸井
- じゃあさっそく、
食パンを1枚おねがいします。
くみちゃんもトースト、するよね?
- くみ
- はい、おねがいします。
それにしても、すごい。うれしい。
- ―――
- 今日は、飯島奈美さんの『LIFE』シリーズから
作ってみました。
- 糸井
- 『LIFE』でこんなふうにも作れるんだね。
- くみ
- いいね。
本、チェックしてみよう。
- 糸井
- だけど、ブランチのセットも盛り上がるけど、
今回はなんたってこれだよね、
『感じるジャム』。
- ―――
- ついにできました。
- くみ
- できた!
- 糸井
- このガラスの器に盛ったのも、いいね。
- ―――
- 「みっくすベリージャム」に使われている
ベリーを集めてみました。
季節柄ブラックベリーだけないのですが、
ほかはぜんぶあります。
ブルーベリー、ストロベリー、ラズベリー、
クランベリーの4種類です。
- くみ
- おしゃれだ(笑)。
- 糸井
- そっか、このナツメみたいに見えるのが、
クランベリーなんだ。
生のもの、はじめて見たかも。
食べてみよう‥‥すっぱい!
- くみ
- ほんとだ、すっぱい。
- ―――
- クランベリーやラズベリー、ブラックベリーは、
単体でジャムを作るとすっぱすぎたり、
くせの強すぎる味になるので、
基本的にはミックスして使われるそうです。
- 糸井
- クランベリーって、ベリーじゃないみたいだね。
ベリーってくしゃっとつぶれるじゃん?
だけどこれはそうじゃない。
- くみ
- そうですね。
パインアップルとか、そんな感じ。
- 糸井
- うん、食感がアップル系かも。
- トースター
- ‥‥チン!
- ―――
- パンが、焼けました。
- 糸井
- じゃあ、おれは本格的にジャムにいくぜ。
くみちゃんはゆっくりどうぞ。
- くみ
- はーい。
- ―――
- 今日は、デニッシュっぽいもの、バゲット、
さっぱりした食事パン、定番の食パンなど、
いろいろとりそろえてみました。
- 糸井
- まずはやっぱり、
焼きたてのトーストでいきます。
ジャムをたっぷりのせて‥‥
- ―――
- いかがでしょうか。
- 糸井
- ‥‥わぁ。
(大声で)ん、ま―――い!
- くみ
- わたしもパンいきます。
(食べてみて)
‥‥わ!
- 糸井
- でしょう?
- くみ
- おいしい。おいしい!
いいジャム、いいジャム。
- 糸井
- このパンのおいしさのおかげも
たぶんちょっとあるけど、
このジャム、パンにものすごく合うね。
- くみ
- すごく合います。
おいしいです。
- 糸井
- これ、うまいなぁ。
- くみ
- あと、この準備してくれた
ホイップバターやクリームチーズと
一緒に食べるのも、ものすごく合う。
- 糸井
- こうやって試作のときから
ちょっと時間をおいて食べてみると、
すごくよくわかるね。
この「みっくすベリージャム」の配合、
ものすごくよかったんだね。
- くみ
- このジャム、おいしいです。
- 糸井
- まんぞくだなぁ。
- くみ
- まんぞく。
- 糸井
- ‥‥じゃあ、くみちゃんもこのジャム
気に入ったのね?
- くみ
- 気に入りました。すごく。
おいしかったです。
- 糸井
- よかったぁ。
- くみ
- 今回、おいしくて、たのしかったです。
試作していてわたし、
ジャム作り、とにかくたのしくて。
毎日ジャムを作りながら、
ゆーないとに何度も
「これすごい、向いてるわ―――!」って
言ったりしてました。
- ゆーないと
- そう、すごい向いてたんだよね。
- ―――
- 読んでいるかたにむけて補足しますと、
小菅くみさんは
「ほぼ日」のゆーないとに紹介してもらって
出会ったひとです。
- 糸井
- ミックスジャムを作るなら
大量の試作が必要と思ったんだけど、
ぼくにはそういうことがまったく向いてないから、
誰かにお願いできたらと思ったんです。
そうしたら、
ゆーないとがくみちゃんを紹介してくれた。
- ゆーないと
- ジャムチームがジャムの試作をする人を
探してるって聞いて、
「くみ、やりそうだな」って思ったんです。
本業が刺繍作家だし、
ひとつの作業にすごく没頭するタイプだから、
向いてるんじゃないかと思ったんです。
‥‥ここまでとは、思わなかったけど(笑)。
- くみ
- わたしも、予想してなかった。
- 一同
- (笑)
- ―――
- くみさんは、もともと家で
ジャムを作ったりはしてたんですか?
- くみ
- パンはもともとすっごい好きで
いろんなパン屋さんをまわったりしてたけど、
ジャムをぬる習慣は特になかったんです。
田舎からブルーベリーやいちごが
大量に送られてきたときに、
ジャムにするとかはあったけど、そのくらい。
そのときも、分量もなにも量らずに煮てたし、
何もしてなかったに等しいと思います。
- 糸井
- だけど、それがよかったんだよね。
今回はおれと似た「しろうと」の立場で
たのしみながら実験してくれる人に
やってもらいたかったから。
- くみ
- でも、わたし基本的に
ものすごく、適当なんです。
刺繍でもなんでも、
「見本どおりにやりなさい」というのが
すごく苦手で。
今回のジャム作りは
「自分で自由にどうぞ」だったから、
それがすごく良かったです。
- 糸井
- 「適当」というよりも「感覚的」?
レシピの分量はぜんぜん適当じゃなく、
誰がやっても作れるように
しっかり記録してくれてたし。
あれ、助かったよね。
- ―――
- はい、あのおかげで
あとで選ぶときに迷いませんでした。
- くみ
- いやいやいや。
- ―――
- そして送ってくださるものが
ぜんぶおいしくて、びっくりしました。
- 糸井
- そうなんです。
実はもともとお願いしたときは、
「何と何の組み合わせがおいしいか、わかればいい」
くらいに考えていたんです。
だけど、できあがってきたものが
「これもおいしい」「こっちもまたおいしい」
みたいな。
- ―――
- ミックスジャムって
こんなにおいしいんだ!と思いました。
- 糸井
- そう。みんなおいしいから、
これはくみちゃんのレシピを活かしたほうが
きっといいな、と思ったんです。
良いのがありすぎて、
「‥‥どうしよう。ひとつに選べない」
とは思ったけど。
- 一同
- (笑)
- 糸井
- だから、さんざん考えたんだけど、
最後にどれを製品化するかは
完全におれの好みできめちゃった。
ぼく自身にとっては
「他の人が何を言おうがこれを出す!」
みたいに答えが出たので、よかったですね。
- くみ
- そのことも、ありがたかったです。
わたしはいろいろ作りすぎてて、
自分ではこれ、と決められなかったので。
- 糸井
- 試作は結局、どのくらい作ったの?
すごい数を作ってたよね。
- くみ
- それが、毎日ものすごい量を作ってたから、
わたし自身もわからないんです。
ただ、ざっくりですけど
持って来たものの倍くらい試作はしていて、
大失敗もけっこうあったんです。
酸っぱすぎて胃が痛くなるようなジャムとか‥‥。
- 一同
- (笑)
- 糸井
- とにかく、すっごい数だった。
- くみ
- はい。
- 糸井
- それぞれを食べくらべるのもたのしかったです。
分量はそれぞれこうで、
ABCDの特徴はそれぞれこうで‥‥みたいに。
- ―――
- 社内でもいろんな人に聞いてみて、
「女の人は酸味が強いのが好き」
ということが、みんなの反応からわかったり。
そして結局、第1弾の
「みっくすベリージャム」は
みんなに好かれる安定した味のものに決めました。
- 糸井
- そう、結局、
一瞬「わっ」と話題になるのじゃなく、
「毎日食べたとき、いちばんうれしいもの」に
したんだよね。
(後編につづきます)
2014年12月6、7日に
HOBONICHIのTOBICHIで開催した
「ほぼ日の試食フェス」では、
来てくださったお客さまの一部に
ひとあし先に
「感じるジャム(みっくすベリージャム)」を
召し上がっていただきました。
そのときの感想を、ご紹介します。
◎(ひとくち食べて、味わってから)
‥‥うわっ、おいしい!
◎ジャムだけで、何杯でもいけそう。
◎ヨーグルトにたっぷりのっけて食べたい。
◎ブルーベリーのジャムが好きなので、
このジャムはとても好きです。
◎甘さがちょうどいい。
◎さわやか!
◎今日売ってたら、ぜったい買って帰ってました。
◎ブルーベリーだけじゃなくて、
もっと複雑な味がします。
◎発売たのしみです。買います!
2015-02-05-THU