――

そんな「ポンポンケークス」さんが
今回、「ほぼ日」のために
オリジナルのクッキーボックスを
作ってくださることになりました。
全７種類の詰め合わせで、
定番人気のクッキー５種に加え、
新しいものを２種類も入れてくださるそうですね。

嶺央

レモンティークッキーと、ウィンターグラノーラは、
今回のためのオリジナルです。

――

レモンティークッキーは
どんなクッキーですか？

嶺央

うちはレモンを大量に使うのですが、
基本的に皮まで全部使うようにしているんです。
レモンピールはストックしておいて、
毎年、１年分をクリスマスのシュトーレンに
使うんですけど、
今回はそのレモンピールに
タンカンなどの柑橘のピールも少し混ぜて、
紅茶も加えて、
レモンティークッキーにしました。

――

レモンピールがたまらないと
作れないクッキーということですか？

嶺央

そうです。
発売が冬のはじまりの時期ですし、
シュトーレンの季節の前に
ちょっとだけクリスマスのホリデー感を感じてもらえる
お菓子になればいいかなと思って。

――

クリスマスを予感させる香りがするのですね。

嶺央

はい。グラノーラのほうも同じく、
カルダモンとかアニスとかジンジャーとか
クリスマスのお菓子に使われるスパイスを
入れて作りました。
そのまま食べてもおいしいと思いますよ。

――

普段売られているグラノーラは
スパイスは全く入っていないのですか？

嶺央

入っていないです。
うちのスパイスは、
極楽寺（鎌倉市）にある
スパイス専門の「アナン」さんのものなのですが、
「アナン」のスパイスってすごく香りが豊かなんですよ。

――

定番の味についてもうかがいたいのですが、
どんな特徴がありますか？

嶺央

僕は、スーパーパティシエの方々の考え方に
とても影響を受けているのですが、
焼き菓子の「粉の一粒一粒の奥まで火を入れる」
という言葉は大切にしています。

粉に関しても一つひとつ選んでいて、
例えば「はちみつクッキー」であれば、
普通の薄力粉と中力粉と、
フランスの中力粉と藤沢でとれた粉を
混ぜたものを使っています。
そこにしっかりギリギリまで火を入れてあげる。
そういう考え方は、母の教えというよりは、
スーパーパティシエのみなさんの影響です。

有為子

クッキーって小さいけれど、
食べて「あ、おいしい」っていうのは
お粉の味がすぐわかります。
火入れに関しては、しっかり入れたい
というのは試行錯誤しながらで、
たまに焦がしてるんです（笑）。

嶺央

そうですね（笑）。
パッと見「やさしいクッキー」なんだけど、
そういう部分はしっかりやりたいという思いが
すごくあります。

――

どれも、
コーヒーにも紅茶にも合うなと思いました。

嶺央

そうですね。
アーモンドクッキーやメープルクッキーはコーヒーと、
レモンティークッキーなんかは紅茶と、
楽しんでもらうといいかもしれません。

有為子

私なんかは牛乳が好きなので、
ミルクティーとか、カフェオレとか、
ホットミルクとかで召しあがってもいいかなと思います。

――

ちなみにお店では、ケーキより後に
クッキーを販売されるようになりましたが、
始める理由があったのですか？

嶺央

クッキーを始めたのは、
母からパリの量り売りのクッキー屋さんの話を聞いて、
いいなと思っていたんです。
ブリキ缶に好きなように詰める、みたいな。

有為子

そうそうそう。

嶺央

それに、やっぱりケーキは特別なものなのですから。
もうちょっと日常的な、
お子様のおやつのようなお菓子を売るお店が
POMPONCAKESの延長線上でできないかな
と思っていた時に、
クッキーの量り売りは、
ちょっと駄菓子屋的な感じでおもしろいなって。
小学生がカンカンだけ持って
買いに来てくれたりしたらすごくいいし。
「１g何円」なら
おこづかいでも買えない価格ではないかなって。
そういう思いから生まれたものです。

――

実際、缶にいろんな種類のクッキーを
量り売りで入れてくださいますよね。

嶺央

クッキーもレシピが山ほどあるんですよ。

有為子

最初のひとつはアメリカのミセスからのレシピです。
子どもたちが毎日のように食べられるように、
シリアルを固めてポトポトポトって焼いたもので。
よく焼いていました。

嶺央

そういうスタイルでクッキーを楽しんでもらいたくて。
だから最初は「日常のお菓子」だったんですけど、
やっぱりクッキーは、ギフトとしても楽しいものなので。

――

はい、今回のボックスは
ギフトにも良さそうだと思っています。
いろんな味が子袋で小分けにしてあって、
そこがすごく楽しいなと思いますし。

嶺央

実は僕らは、ギフトってどうしていけばいいのかが
あまりわかんなかったんですよ。
それが「ほぼ日」さんと今回のお話しをする中で、
カンカンにあれこれ入れるのもいいけど、
小袋に入ったクッキーを箱に詰めるのも、
いろいろ選べて楽しいねって話になって。
それでこの小袋を作りました（笑）。

――

そうだったんですか！

嶺央

「店頭にはないけれど」というようなものが
作れたらうれしいなという気持ちで。
今回は、ちょっと特別なものとして
ご一緒できたら楽しいなと思い、作りました。

――

わあ、ありがとうございます。
ボックスも「ほぼ日」オリジナルカラーで
作ってくださって、とてもうれしいです。

嶺央

はい、黄色いボックスにしました。

――

オリジナルの商品がレモンティークッキーなのは、
黄色とかけてくださったのですか？

嶺央

あ、いや、そこはたまたまです（笑）。

――

そうでしたか（笑）。
お客様にお届けするのが楽しみなボックスです。
今日はお話を聞かせていただき
ありがとうございました。

嶺央

こちらこそありがとうございます。

有為子

ありがとうございます。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。