ひとつ食べると、もうひとつ、もうひとつ。「POMPON CAKES」のクッキーボックス
HOBONIKKAN ITOI SHINBUN
鎌倉にあるケーキ屋さん
「POMPON CAKES(ポンポンケークス)」
ご存知でしょうか。
2022年の生活のたのしみ展では
ケーキボックスで出展し、大好評でした。
おいしいお店めぐりを日課にしている
ほぼ日のおかし担当が
はじめてここのクッキーを食べたとき、
ひとつ食べるともうひとつ食べたくなって、
なんとぺろりと平らげてしまいました。
今回「ほぼ日」で特別に販売するクッキーも、
試食時のみんなの手が、
もうひとつ、もうひとつと伸びていました。

どうしてそんなお菓子が作れるのか、
店主の立道嶺央(たてみちれお)さんと
嶺央さんのお母様でもある有為子(ういこ)さんに
お話をうかがってきました。

いくつでも食べたくなる理由

――
有為子さんのお菓子の原点はどこにあるのですか?
有為子
子供が産まれる前に、夫の仕事の都合で
サンフランシスコの近くにしばらく住んでいました。
近所にフランス人のマダムが
フランス料理とお菓子を教えてくださるお教室があって、
通っていたんです。
そこで覚えたお菓子料理を息子が
「フレンチアメリカンだね」って
おもしろがってくれて。
だから私のつくるものは、
アメリカのおおざっぱで大きいところと、
フランス菓子のきれいなかわいいところが、
合わさったようなお菓子かな、と思います。
――
嶺央さんはその有為子さんのお菓子を
「たくさん食べたわけじゃない」
ということをおっしゃっていましたね。
嶺央
はい。
子供の頃から母は、
食に関して気を使って育ててくれたイメージがあります。
有為子
私がお菓子のお教室をしていることで、
家族の体が悪くなるような食生活にしてはいけない
ということは一番思っていました。
それと、さっきもお話ししましたけれど、
「ケーキは特別だ」っていうことを
子供たちに教えたかった。 
その2つが私の基本でしたね。
毎日の食事に使う材料も、
子どもたちの体の中に入るものだから、
できる限りいい素材を選びたいと
ずっと思ってきました。
――
その考えは「ポンポンケークス」のお菓子にも
受け継がれているのですか?
有為子
そうですね。
嶺央
母の作るものって
「やさしいほっこりしたお菓子」と思われがちですが、
そういうわけではないんです。
キチッとしたお菓子を作ってはいるんだけれども、
なんていうか‥‥
ルセット(レシピ)を大事にするけれど、
グラニュー糖100gって書いてあったとして、
「101gになるんだったら99gにしなさい」みたいな。
そういうちょっとした意識があって。
僕はそこをいいなと思っています。
――
お菓子を食べる人に対してやさしいのであって、
作っているお菓子そのものは
「やさしい」という表現とはまた違うってことですね。
嶺央
そう、そうなんです。
家族が毎日食べても負担にならない、
というような気持ちで作られているものなので。
そういう意味では「やさしいお菓子」
なのかなとは思いますけどね。
――
では「ポンポンケークス」のお菓子そのものは、
どんな特徴があると思われますか?
嶺央
昔からある西洋菓子みたいなお菓子です。
なにか奇をてらった新しいものではなくて、
トラディショナルな、オーセンティックなものを、
僕が少し「リミックス」する、みたいなイメージなんです。
――
リミックスというのは?
嶺央
僕らは「Traditionally new.」
という言葉を使っているのですが、
昔からある洋菓子を、
もっと気軽に、
サンフランシスコのコーヒーショップのスタイルで、
みたいなイメージです。
そこで、古いものと新しいものを
リミックスしていくのが僕の役割というか。
――
なるほど。
「ポンポンケークス」のお菓子には
やっぱり新鮮さがあります。
それがリミックスだったんですね。
嶺央
彼女のレシピを守りながら、
それをお店で出すために
どう形を切り替えたらおもしろいかな、みたいな。
そういう視点で、数ミリ単位で変えていく
ということをしています。
――
嶺央さんが厨房に立つようになったのは
どうしてだったのですか?
嶺央
手が足りなかったからです(笑)。
――
あ、そっか(笑)。
嶺央
母はずっと優雅にお菓子教室をやっていた人なのに、
なんかいきなりめちゃくちゃ働かせてしまって(笑)。
有為子
(笑)
――
実際に作り始めてどうでしたか?
嶺央
建築と似ているように思いました。
たとえばクリームとスポンジとをどうつないでいくとか、
どうしたら滑らかに外側までつながっていくかとか、
そういうところが建設的なんですよね。
多分その構築をもっと進めていくと、
より専門的になっていくと思うんですけど、
僕はどちらかというと、
町場のお菓子屋さんとして
そういうことをやっていくのが、
おもしろいなと思っています。
有為子
彼と一緒にやっていると、
「ああ、そうか。そういう考え方か」とか
「そういう組み合わせとか
新しいスパイスの使い方をするのか。すごいな」
と感心するのです。
――
お店を構えて、
作るお菓子は変わったりしましたか?
有為子
基本的にあまり変わっていないと思います。
嶺央
はい。
ただ僕らはずっと家庭用のオーブンで作っていたので、
業務用のオーブンを入れたら
自分たちが思うようなお菓子が
全然できないってことはありました(笑)。
有為子
そうそう(笑)。
嶺央
業務用の機械でどう「家庭用のお菓子」を作るか、
というところは、めちゃくちゃ大変でした。
最初の3年ぐらいは
「ここはケーキ屋さんなの?」って聞かれるほど、
ケーキが並ばなかったんですよ。
量が作れなくて。
朝に並べてもすぐなくなっちゃうし。
有為子
そうそうそう(笑)。
朝も間に合わなかったね、開店に。
嶺央
そんなレベルでやっていたのが、
だんだんだんだん、チームが成熟してきて。
いつのまにか関係する人たちも増えてきて。
自分たちもがんばっているけど、
いろんな人ががんばってくださって。
「ケーキがない、ケーキがない」って中でも、
ずっと来てくださる方もいて。
そういうことが
今も続いている理由のひとつなのかなと、
日々思います。
――
きっとそれは「また食べたい」って思うから
何度でもお店に行くのだと思います。
嶺央
ケーキ屋さんのシェフってきっと、
自分の味を、食べた方の脳にガツッと響かせて、
「このケーキ、おいしい、また食べたい」
って思わせるような、
そういうイメージつくっていらっしゃる方が
多いんじゃないかな、と思うんです。
でも僕らは脳に響かないケーキを作りたい。
なんとなく思い出した時に、
「なんかおいしかったね」ぐらいがいいと思っています。
わりとそこは大事にしてます。
有為子
お店に来てくださった方が、
「おいしくて、
もうひとつ、もうひとつ、もうひとつって
3つも食べちゃった」って言ってくださって(笑)。
――
今回のクッキーボックスの担当者も
「お店に来てひとつ食べると
追加してふたつ食べてしまう」
と言っていました。
有為子
ふふふ。
おうちでケーキを切って、
「もうちょっとちょうだい、もうちょっとちょうだい」
というような感じで
召し上がってくださっているのかなって。
――
保存料などは全く使っていないそうですね。
有為子
そうなんです。
だから本当に
おうちで作って子どもたちに食べさせてたものを、
お店で出してるっていうイメージです。
(つづきます。次回はクッキーボックスのお話です)
2022-10-31-MON
写真:川村恵理
取材・文:中川實穗

もうひとつ食べる?
「POMPON CAKESの
クッキーボックス」を
お届けいたします。

鎌倉にあるケーキ屋さん
「POMPON CAKES(ポンポンケークス)」
ご存知でしょうか。
2022年の生活のたのしみ展では
ケーキボックスで出展し、大好評でした。
おいしいお店めぐりを日課にしている
ほぼ日のおかし担当が
はじめてここのクッキーを食べたとき、
ひとつ食べるともうひとつ食べたくなって、
なんとぺろりと平らげてしまいました。
今回「ほぼ日」で特別に販売するクッキーも、
試食時のみんなの手が、
もうひとつ、もうひとつと伸びていました。

どうしてそんなお菓子が作れるのか、
店主の立道嶺央(たてみちれお)さんと
嶺央さんのお母様でもある有為子(ういこ)さんに
お話をうかがってきました。

POMPON CAKESの
クッキーボックス

3,400円(税込・配送手数料別)

2022年11月2日(水)午前11時 抽選販売開始
※POMPON CAKESのクッキーは、
ひとつひとつが手焼きのため、生産量が限られます。
このたびの販売は、
「11月11日~11月22日出荷分」、
「11月25日~12月6日出荷分」の2回に分けて
お届けいたします。
2022112日(水)午前11時 〜
119日(水)午前11

※お申し込みが商品数を上回る場合は抽選販売となります。
※おひとりさま1点までの購入とさせていただきます。
※常温便でのお届けです。

「POMPON CAKES」の
クッキーボックス
~7種類の焼き菓子の詰め合わせ~
ほぼ日オリジナルのクッキーとグラノーラ、
そしてお店で人気の定番クッキー5種類。
バラエティにとんだ内容のクッキーボックスです。
それぞれのおいしさを損なわないよう、
種類ごとに包装し、詰め合わせました。
  • レモンティー

    レモンティーほぼ日オリジナル
    自家製のレモンピールと
    紅茶をあわせたクッキー。
    心地よい紅茶の香りが口中に広がります。
  • ウインターグラノーラ

    ウインターグラノーラほぼ日オリジナル
    オートミールにナッツや
    ドライフルーツを合わせた
    自家製のグラノーラ。
    今回はクローブやシナモン、紅茶が入った、
    オリジナルの味に仕上げています。
  • はちみつ

    はちみつ
    くまさん型がキュートなクッキー。
    はちみつの風味がクセになるおいしさです。
  • メープル

    メープル
    やさしい味のクッキー。
    メイプルシロップの甘みだけで
    仕上げています。
  • ココア

    ココア
    サクサク食感が特徴的なクッキー。
    しっかりとココアを感じる味わいです。
  • アーモンド

    アーモンド
    お店の人気No.1クッキー。
    ジューシーな甘さとザクザク食感をおたのしみください。
  • きなこ

    きなこ
    香ばしいきなこ味のクッキー。
    軽めの食感なので止まらないおいしさです。

PONPOM CAKES BLVD.
(ポンポンケークス ブールバード)

住所
神奈川県鎌倉市梶原4-1-5 助川ビル
アクセス
鎌倉駅もしくは藤沢駅からバス「梶原口」下車徒歩すぐ
湘南深沢駅から徒歩10分
定休日
月曜日と最終日曜日、不定休(SNSにて告知)

https://www.instagram.com/pomponcakes/