これまでの予告では
「きほんのスピーカーキット」について
お伝えしてきましたが、
キットを組み立てて音楽を聴くときに
欠かせないアイテムがふたつあります。
音が鳴る部分の「スピーカーユニット」と
音を鳴らすための機械の「アンプ」です。
何を選ぶか迷ってしまいそうなかたのために、
このふたつのアイテムについても、
このキットと相性のいいものを
森 友治さんがセレクトしてくれました。
ほぼ日ストアと生活のたのしみ展では、
「きほんのスピーカーキット」と
いっしょに販売します。
スピーカーユニットの
選び方
P800K ¥1,620(税込)
*左右で、ひとつずつ必要になります。
FF85WK ¥5,184(税込)
*左右で、ひとつずつ必要になります。
「スピーカーユニット」とは、
CDプレイヤーやスマートフォンといった
音源から流れてくる電気信号を
空気の振動に変換して、
私たちの耳にも聞こえるように
音にする装置のことです。
このスピーカーユニットを箱に固定させることで、
響きかたが変わってきます。
ユニットは左右の箱にひとつずつ、
合計ふたつが必要になります。
スピーカーユニットといっても、
メーカーも、値段も、個性もいろいろ。
はじめてスピーカーを作る人が選ぶと、
迷ってしまうかもしれない、と考えました。
「きほんのスピーカーキット」の開発にあたり、
まず最初に、森 友治さんは、
ユニットの大きさを8センチと決めてから、
キットの設計をしました。
「きほんのスピーカーキット」のために
森さんが選んだスピーカーユニットは、
フォステクス製の2種類のユニットです。
フォステクスは、何十年も前から
自作用のユニットを作っている
定番中の定番の国産ブランドです。
森さんはフォステクス製のユニットを
選んだ理由について、
このように話してくださいました。
「フォステクスさんのスピーカーユニットは、
人の声が生き生きと聴こえてきて、
低音が過度に強調されたりしていないんです。
ぼくもはじめて音を聴いたときは、
なかなかの衝撃がありました。
8センチという小さなユニットから
『こんな音が出るとは思わなかった!』
という感動を味わってほしいですね。
じぶんでフォステクスさんのユニットを
いろいろ買ってみて、付け替えてみて、
いいなと思ったふたつを採用しています。
できるだけ値段を抑えたい人もいると思うので、
値段帯の異なる2種類のユニットを選びました。
ふたつを聴き比べたときには差が出るんですけど、
安いほうが悪い音かといえばそんなことはなくて、
じぶんでスピーカーを作って聴いてみたら、
『わぁっ!』と驚くほどの音であることは確かですよ」
それぞれのユニットについて、
フォステクスショールームでお話をききました。
森さんが視聴をしてみての感想とあわせて、
どんな個性があるのかを簡単にご紹介します。
フォステクス
P800K
¥1,620(税込)
「P800K」は、フォステクスブランドの中でも
入門用のスピーカーユニットです。
価格が安くて、見た目はぶっきらぼうな感じですが、
音楽を楽しむための性能は十分に備えています。
とりあえず音楽を鳴らしてみたいかたにおすすめ。
コストパフォーマンスは抜群です。
フォステクス
FF85WK
¥5,184(税込)
「FF85WK」は、高音もきれいに表現されていて、
聴いていて心地のいいスピーカーユニットです。
「2層抄紙コーン」という技術を使っていて、
強度の高い紙と、音の伝播速度の速い紙を
2層に組み合わせることで優れたバランスを実現。
“自作スピーカーの決定版”との呼び声も高い商品です。
アンプの選び方
AP15d ¥10,584(税込)
AP20d ¥15,984(税込)
TU-8150 ¥48,600(税込)
アンプは、CDプレイヤーやスマートフォンといった
音源からの電気信号を増幅させて、
スピーカーを鳴らす役割をしています。
手軽にスピーカーを鳴らせる
フォステクス製のデジタルアンプを2種類と、
とことん気持ちのいい音を聴きたいという人のために
エレキット製の真空管アンプを1種類。
あわせて3種類から選べます。
アンプをセレクトした森さんから、
コメントをいただきました。
「入門用のアンプは何にしようかなって考えて、
フォステクスさんから
オーディオ初心者向けに出されているアンプを
じぶんでも買ってみて聴き比べてみました。
聴いてみると、素直でいい音だなと思いました。
過度に強調されていなくて、
『きほんのスピーカーキット』の
コンセプトに合っているなと思って採用しました。
『AP15d』と『AP20d』の価格の差は、
そのまま音の差にも現れているように聴こえました。
それともうひとつが、エレキットさんの真空管アンプ。
ぼくはスピーカーを自作するよりも先に、
真空管アンプキットを組み立てるのが趣味でした。
真空管アンプって、独特の気持ちよさがあるんです。
アンプから出る音のひずみがね、もう心地よくって。
はじめてスピーカーを組み立てる人に、
『さらにここまで気持ちいい音が出るんだ』
ということを伝えたくて真空管アンプも選びました。
真空管アンプは自作する必要があって、
じぶんで半田づけまでしなければいけないんですけど、
劇的に作りやすいメーカーがエレキットさんです。
『真空管アンプの音を聴いてみたい』という人がいたら、
絶対に後悔させないアンプだと思います」
それぞれのアンプについて、
フォステクスショールームと、
エレキットブランドの企画開発を手がける
株式会社イーケイジャパンを訪ねて、
担当の社員さんからお話をうかがいました。
森さんが視聴しての感想も交えて、
簡単にアンプの特徴を紹介します。
フォステクス
AP15d
¥10,584(税込)
手軽にスピーカーを鳴らすことができる
シンプルなパーソナル・アンプです。
携帯プレイヤーなどで気軽にサッと鳴らして
音楽をたのしむように設計されています。
アンプとしては低価格に抑えられていますが
迫力はあって、十分にいい音が鳴ります。
フォステクス
AP20d
¥15,984(税込)
「AP15d」をベースに、あらゆるパーツを見直して、
より高いクオリティになったパーソナル・アンプ。
ワンランク上のパーツを使っている分、
性能にも反映されて、より緻密な音になりました。
より力強い低音を出すためのサブウーハーなどを
じぶんで拡張することもできるので、
好みの音に近づけるたのしみもあります。
オートスタンバイ機能がついているので、
スイッチを切り忘れる心配もなく、
寝室用として選ばれることも多いそうです。
長く使っていくことを考えると、
かなり使い勝手のいいアンプです。
エレキット
[(株)イーケイジャパン]
TU-8150
¥48,600(税込)
「きほんのスピーカーキット」で聴くなら最高のアンプ。
細かい音までよく表現されていて、丁寧な音という印象。
真空管アンプならではのボーカルのやわらかさ、
全体のまとまりを感じられます。
真空管アンプをはじめて体験するのにはぴったりの、
もっともオーソドックスなシングルアンプ
(1本の真空管で音を増幅するアンプ)です。
「TU-8150」は自作するアンプで、
電子部品の半田づけの作業もあります。
工作に慣れた人でも5時間程度はかかりますが、
製作キットの説明がとても親切なので、
いつの間にかできあがっている感じです。
時間をかけて完成したときの達成感はひとしおですよ。
スピーカーユニットとアンプ、
それぞれを選ぶ参考にしていただけたら嬉しいです。
この説明だけで選べないというかたでも
「生活のたのしみ展」に来ていただけたら、
森さんへの相談や視聴もできますよ。
7月中旬の「ほぼ日ストア」での発売前には
もうすこし具体的な紹介も予定しています。
あしたはいよいよ、全5回でお届けしている
「きほんのスピーカーキット」の予告の最終回です。
ほぼ日乗組員がキットを組み立てているようすを
短い動画でご紹介します。
じぶんで作ったスピーカーの音が鳴ったときの
リアルな反応を、どうぞおたのしみに!
(つづきます)
2018-05-31-THU