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タンピコ・レポート
くたくたになっても。
タンピコは、素材から縫製まで
すべてフランスで手づくりされています。
日本だと、その素材から「完璧であること」を
求めるところがありますが、
フランスの考え方は、すこしちがいます。
たとえば、もともと繊維にある「ネップ」。
生地の表面に見える黒っぽい点々が、ネップです。
繊維がからみあうことでできる糸の節、かたまりですが、
これを「あることが、自然」と考えます。
革製品の表面にある、「血筋」とよばれる模様や、
バッグをつくるさいについてしまう
ちいさなかすり傷のようなもの、
こういったことまで含めて「そういうもの」と考えます。
黒の生地の表面には、
つくる時についてしまった擦れた跡のようなものが、
うっすらと見えることがあります。
革にも、工程上ついてしまう小さなかすり傷のようなものや、
裁断のときに落ちきれなかった小さな毛羽だちがあります。
つくり手であり、みずからが使い手でもある
ニコルさんたちにしてみると、
使っていくうちにつく傷と同様に、
それは、バッグが完成するまでの手間を反映した、
いとおしい個性のひとつです。
けれども輸出先によっては(とくに日本では)、
ニコルさんたちが自信を持って送り出した製品が
「B品」扱いになってしまうことがあります。
取引先によっては、厳しい品質基準をクリアできず、
返品されてしまうこともあるのだとか。
今回、いくつかそういうバッグを見せてもらったのですが、
私たちが思ったのは
「けっして、遜色はない」ということでした。
すべて同じように「完璧にぴかぴか」だということは、
タンピコが機械で大量生産するものではなく、
自然の素材から手づくりをしていることを考えたら、
無理なことだと感じました。
ですから、使い勝手にかかわるようなものは別として、
あるていどの「ばらつき」を許容し、
入荷することにしています。
縫い目から、ほんの少し黒い糸が見えることがあります。
下の写真のバッグは、日本でタンピコの仕入れを担当している
スタンプスの吉川さんが、数年来、持ち歩いてきたもの。
最初は硬く、なかに何もいれなくても
自立するほどだった2枚仕立ての布が、
使ううちにやわらかく、くたっとなってきたことが、
吉川さんはたまらなく嬉しいそう。
ニコルさんたちが言うように、タンピコは、
「日常の道具」として使い、
いっしょに経年変化を楽しむ相棒。
こんなふうになるまで、使い込んでもらえたら、
とても嬉しく思います。
そのほか、知っておいてほしいこと
・摩擦・水濡れ・汗・湿気などにより色落ち、
衣服などに色移りする場合があります。
特に白色や淡色の物との組み合わせや、
摩擦や汗、雨などの湿気にはご注意ください。
・日光及び蛍光灯による多少の変色があることも
あらかじめご了承ください。
・素材本来の風合いをいかすため、
防水加工は施しておりません。
水や雨などの水滴はシミや表面が膨張する
原因となりますので、十分ご注意ください。
・この製品は水洗い出来ません。
ほこりや汚れは、ブラッシングまたは乾いた柔らかい布で
軽く取り去ってください。
汚れのひどい場合は、専門のクリーニング業者へ
ご相談ください。
・保管の際は風通しの良い場所を選び、
高温多湿の場所はお避けください。