後編日本の文化を感じられる手帳
- (エイプリルさんのほぼ日手帳を見ながら)
すごく分厚いね!
私の手帳はごちゃごちゃなんだけど、
あなたのレイアウトとデザインはほんとに素敵。
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- 最初のほぼ日手帳から、スタイルがあまり
変わっていないみたいですね。
- 私なりのスタイルを考えてみたんです。
スケッチしたり、日記をつけたり、あとは
気になったフレーズを書き写すのも好きです。
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- エステルさんの手帳もすごく素敵です。
日本語版を使っているのはなぜですか?
- 日本語版は24時間の時間軸があって、
ページもカラフルで好きなんです。
日本の七十二候や祝日も載っていたり、
後ろのほうにあるおまけページも好き。
いつか、おまけページが読めるようになりたいんです。
私は日本暮らしも長いし、日本語の会話はできるのに、
仕事でスペイン語か英語を使ってしまって、
読めないので。
今年の大きな目標はそれかな!
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- 七十二候を知っているなんて、
日本の文化に詳しいですね。
- ありがとうございます。
私は、NHKのスペイン語のラジオ番組で
日本の文化や日常生活をレポートする仕事を
しているんですが、
2014年に、ほぼ日手帳などの日本の手帳を
日本の文化として紹介したんです。
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- そうなんですか!
ありがとうございます。
なんでもない言葉が、おもしろい
- Facebookのグループで、
「日々の言葉」を英語に翻訳している人もいるんですよ。
訳し方も上手なんです。
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- 「日々の言葉」を翻訳するのは、すごく難しいですよね。
なかには詩のような言葉もあるし。
- そうなんです。
今年の手帳のなかで
猫が小説を書かせてくれない、みたいな言葉が
ありましたよね。
- でもこれ、英語で読むと
意味がはっきりとわからなかった人もいたみたい。
書かれていない部分を読み手に推測させるところに、
日本の文化があるんですよね。
この場合でいうと、
机で仕事をしているときに
じゃまをしにくる猫への愛情‥‥。
でも、それは文に書かれていないから、
わからなかったんだと思うんです。
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- そうですね。
書かれてはいないけど、町田康さんが
仕事をじゃましたがる飼い猫のようすを
いとおしいと思っている気持ちが
読み取れますね。
- 猫を飼っている人なら
書いていなくても
すぐわかるんですけどね(笑)。
- そんな「日々の言葉」が、
ほぼ日手帳の魅力ですよね。
気まぐれな言葉だったり
おもしろい出来事だったり、
インスピレーションをくれたり、
モチベーションを上げてくれたり。
私は、この猫の言葉みたいな、
なんでもない、ふつうの生活に関する
言葉がおもしろいなって思うんです。
1日ひとつの「ホボニチチャレンジ」
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- ほぼ日手帳は、いつもどんな時間に書いていますか?
- 夜が多いですね。ときどき朝にも。
週末は友達といっしょに、
コーヒーを飲みながら書いたりもするし、
5時間ぐらい書いていることもあります。
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- どのページも素敵ですね。
- 子どものころから落書きするのが‥‥
特にペンギンの絵を描くのが大好きだったんです。
だからインスタグラムやブログのアカウント名も
「Penguins Creative」にしているんですけど。
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- ええ。
- アメリカに留学してからは、
毎日ほぼ日手帳を描いているうちに
いろんな絵の具や筆記具を使うようになったり、
街のスケッチをするようになったり‥‥
より絵を真剣に描くようになっていったんです。
ほぼ日手帳が、私のクリエイティブな世界への冒険に
連れていってくれたんですよね。
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- うれしいエピソードを、ありがとうございます。
- 1年前ぐらいからは
アメリカ、ドイツ、シンガポールなどの友人たちと
「#hobonichichallenge」も始めました。
1日ひとつ、あらかじめ決めておいたテーマの絵を
ほぼ日手帳などに描いて
インスタグラムにアップして、見せ合うんです。
今では、アメリカでけっこう大きな
コミュニティになっているんですよ。
エイプリルさんが仲間とともに楽しんでいる
「#hobonichichallenge」。
「11月1日:お気に入りのホットドリンク」「11月2日:りんご」など、
毎日のお題には、絵に描くと楽しい、季節のテーマやものを選んでいるそう。
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- すごい。みなさんで独自の楽しみ方も
考えてくださっているんですね!
ほぼ日手帳を続けている理由
- ほぼ日手帳には日本以外にもたくさんのファンがいます。
海外の人はたいてい、最初に手帳とカバーを買うんだけど、
ほぼ日のサイトを見ているうちに、
いろいろ文房具も買うようになって‥‥
みんな、ほぼ日ストアで何度も注文して
「今度はこれを買ったよ」みたいに
SNSにアップしていますよ。
- 海外では2015年ぐらいから
ますます盛り上がってきている気がします。
今、グループのメンバーも増えてきているし、
YouTubeでは、届いた箱を開けるところから
ほぼ日手帳の解説をしている動画があったり、
アメリカでは、手帳を書いている手元の映像を
30分ぐらい撮ってアップしている人がいたり。
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- 毎日書き続けられるモチベーションは
どこからくるんでしょう?
- ほぼ日手帳を始めた2015年は、
台北で仕事を探していたときだったから、
やることがいっぱいで。
どこかに書きつけていなければ
毎日が捨てられていく‥‥みたいな感じだったんです。
そして今はボストンで勉強しながら、
すばらしい経験をできているから、
この瞬間を、ずっと捨てたくない。
ほぼ日手帳に、20代の思い出を残しておきたいんです。
私が何をしたかすべてを見返せるように。
エイプリルさんの2015年の手帳には
台湾でのイベントで会った糸井重里の書き込みも。
- 私の場合は、忙しい仕事を
うまくスケジューリングしたいと思って
ほぼ日手帳を始めたんです。
紙に予定を書き出すことで、
やるべきことを忘れていないか
心配しなくてすみますよね。
今も、忙しくて絵を描く時間がない日もあります。
反対に、気がつけば
絵を描き始めちゃっている日もありますけど(笑)。
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- これから先、おふたりの「ほぼ日手帳ライフ」は
どうなっていくのでしょう?
- 私はTraveling Hobonichiが楽しみです。
今ちょうど、2017年のTraveling Hobonichiが
私の手元にあるので持ってきたんです。
このあとヨーロッパとアメリカを回る予定なんですが
ほぼ日のスタッフの方にも
書き込んでほしいと思って!
エステルさんが参加している2017年の「Traveling Hobonichi」。
メモページには、メンバーに向けたエステルさんの自己紹介が。
2015年版のTraveling Hobonichiについてはこちらからどうぞ。
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- ありがとうございます。
私たちも書き込ませていただきますね。
- 私は、今年から「アーバン・ジャーナリング」を始めたんです。
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- アーバン・ジャーナリング?
- いろんな人たちが日記やスケッチブック、ノートを
どんなふうに書いているのか、
その違いを研究していきたいんです。
ウェブサイトを作って、ユーザーミーティングを開いて、
動画を撮って‥‥ということを続けていく予定です。
もしアメリカでほぼ日手帳のイベントを開くときは、
ぜひ、教えてくださいね!
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- もちろんです!
今日は、ありがとうございました。