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LIFEのBOOK ほぼ日手帳

LIFEのBOOK ほぼ日手帳

たんぽぽ・川村エミコさんと11年を歩んできた手帳。

2おかっぱシャワーLIFE。

――
ネタ帳はまた別に、
ノートがあったりするんですか?
川村
ネタはノートに書いていて、
いまも持ってますけど、
中はたぶん、私にしかわからないかも。
思いついたものを書くっていう感じです。
――
「たんぽぽ」でのネタ担当は、
川村さんなんですか。
川村
「たんぽぽ」を2008年に結成するまでは、
もともとお互いにピン芸人だったので、
「私、こういうのやりたい」って言ったのを、
ふたりで一緒につくっています。
――
2008年ということは、
「ほぼ日手帳」を使い始めた頃には、
まだ、結成していなかったんですね。
川村
そうです、1人でやってたときです。
死んでいるっていう設定で、着物を着て、
「ドロンドローン、ドロンドローン」って
言いながら出てきて、
虐げられたエピソードとかを話す
復讐のネタをやっていたんですけど。
――
わははは!
それ、怖いですねえ。
川村
えへへ、怖いですよねえ。
占い師さんから、そのネタを続けたら、
病気になるよって言われたんで、
やめなきゃと思ってやめました。
――
そういう意味では、
2007年のスケジュールのページの
混沌具合にもすごく説得力が‥‥。
川村
病んでましたよね、本当に(笑)。
――
でも、いまは生きてますね。
川村
いまは生きてますか? よかったあ!
でも私、「ほぼ日手帳」のひとことに、
すごく助けられたっていう思いがあるんです。
本とかも、全部を読み切らないと、
言葉に触れることってできないんですが、
「ほぼ日手帳」はパッと見たときに、
誰かの琴線に触れたようなことが
書かれているじゃないですか。
そういう言葉を覗けるっていうのは、
すごく得をした気分になれる手帳ですよね。
そういうのも含めて「ほぼ日手帳」が好きです。
――
ああ、嬉しいです。
ありがとうございます。
川村
私がよく行く焼き肉屋さんでも、
言葉のおみくじみたいなのをくれるんです。
「本番は1回」とか、ドキッとするような、
いまの自分に必要な言葉が不思議と出るんです。
「ほぼ日手帳」にもそういう言葉がありますよね。
それで、その焼肉屋さんに
ご一緒させていただいていた
森三中の大島さんと一緒に
自分達でも言葉のおみくじを作って、
遊んでいたことがあります。
――
えっ! そんなことまで!
作った言葉はどうされたんですか。
川村
紙に書いて、おみくじみたいにみんなに配りました。
――
へぇーっ! 「川村語録」みたいな言葉が。
川村
「ちょっと、いいこと言ってるな」っていうものと、
全然くだらないものもあるんですけど。
普段思っていることを、
自分のひとことにして作ったことがあります。
――
そういう言葉の影響もあって、
手帳を書かれている内容にも、
変化はありましたか。
川村
最初はけっこう、こんなのが嫌だったとか、
ネガティブなことを書くことが多かったけど、
いまは、すごく前向きな言葉が多いですね。
――
10年前は、交通費もなかった時代だから。
川村
すごく悩んでましたもん。
「私に何ができるだろう」、
「なんでこんなに欲ばかり。きょうも何も食べてない」
って書いてある。
――
きょうも何も食べてない‥‥。
川村
きょうも何も食べてない。
どんだけお金ないんですかね。かわいそう。
――
かわいそうな20代‥‥。
川村
風呂なしアパートに住んでいた時期もあったんで。
目黒の事務所に近いところがいいなと思って、
白金の風呂なしアパートに住んでいました。
――
白金って高級住宅街のイメージですけど、
風呂なしのアパートがあるんですか?
川村
ええ、あるんですよ。家賃は3万8000円でした。
白金の「シロガネーゼ」に掛けて、
自分で「フロガネーゼ」って呼んでました。
――
フロガネーゼ(笑)。
川村
目黒駅前にあるマンガ喫茶によく行ってました。
マンガ喫茶だと基本料金が200円で、
シャワーを借りるのに300円、
だから500円かかるんですよ。
銭湯の460円に比べたら40円高いんですけど、
マンガ喫茶はジュースが飲み放題なんで!
――
はー、なるほど。
川村
ただし、10分の勝負です。
10分を過ぎると追加料金が足されちゃうから、
10分で全部洗って店を出る。
シャワーはものすごく速かったですよ。
だからいまでも、カラスの行水なんです。
――
その頃の習慣が残っちゃった。
川村
マンガ喫茶に通いすぎて、
「また、おかっぱシャワーが来た!」って、
店員さんにあだ名をつけられていました。
もう、何も言わなくても、
シャワーセットの袋を出してくれましたよ。
――
おかっぱシャワー(笑)。
あだ名で呼ばれるほど、
毎日通っていたんですか。
川村
そうですよ。
女子はやっぱり、毎日シャワーに入りたいので。
仕事終わりとか、バイト終わりとかに
目黒の駅前に寄ってちゃんと毎日シャワー。
――
ああ、なるほど。
しかも、アルバイト先も焼き鳥屋さんだから、
煙のにおいがついちゃうだろうし。
川村
そう、特に私は板場で働いていたから、
においがキツくて‥‥。
だから、バイト帰りには必ずシャワーに寄って、
「おかっぱシャワーが来た!」って言われながら。
――
でも、そのマンガ喫茶の店員さんも、
テレビで「おかっぱシャワー」の活躍を見て
驚いているかもしれませんね。
川村
もしかしたら、見てくれているかなあ。
そうだったら嬉しいですね。
本当に、ほぼ毎日通っていましたから。
――
風呂なしアパートの時期は、
けっこう続いていたんですか。
川村
風呂なしアパートに住んでいたのは、
2011年までの2年間。
――
フロガネーゼ時代を乗り越えて、
今があるんですね。
(つづきます)