第3回 バッグの中身、机の上。
- ――
- さて、今日は卓さんがふだんから
どんな目線でもの選びをしているかを
見せていただきたいなと思っています。
ふだんお使いのバッグの中身や
デスクまわりに置いているお気に入りのものを、
紹介していただけますか。
- 佐藤
- はい。持ってきましたよ。
ここに並べてみましょうか。
- ーー
- わあ、すてきです。
これらの持ち物も、やはり時間をかけずに
ピンと来たものをパッと直感で選んだんですか?
- 佐藤
- はい、そうですね。
サングラスは、まさにそうでしたね。
バッグの中で探しやすいように、
ケースはオレンジ色にしているんです。
- ーー
- このイヤホンやUSBもスタイリッシュです。
- 佐藤
- このUSBケーブルは
コードがバッグの中でからまったりしないから
すごくいいですよ。
グッドデザイン賞も取っていました。
- ーー
- やっぱり卓さん、イメージ通りと言いますか、
シンプルで無駄のないデザインで
なおかつ機能的なものを
選ばれている感じがします。
では続いて、デスクでお使いの
文房具などを見せてください。
- 佐藤
- このあたりが、
デスクの上にあって、いつも使っているもの。
他にもまだありますけど‥‥。
長いことずっと、
ほとんど無意識で使っているようなものです。
- ーー
- 無意識で使っている、ということは、
先ほどの「直感」と同じように、
理屈ではなく、感じているものですね。
なんだか、かたちがおもしろいものばかりです。
- 佐藤
- これは、碍子(がいし)といって、
電信柱の上にある、電線を止める所で使う道具なんです。
ハワイのアンティーク屋さんで
いろんな形のものをいっぱい見つけたんですよ。
- ――
- 碍子。はじめて見ました。
- 佐藤
- 一般に手に入るものではないんですけど、
たまに、古いものがアンティーク屋さんに並んでるんです。
きれいだし、ちょっと不思議な形をしていて、
大きさもいろいろあるんです。
これ、すごくおもしろいなぁと思って。
デスクで、書類のペーパーウェイトにしています。
ちょっとかわいいでしょう?
- ――
- はい、かわいいです。
- 佐藤
- そして、こっちはね、
刑務所で作られているものなんです。
- ――
- 刑務所で?
- 佐藤
- 以前、『刑務所良品―Made in PRISON』
という本を出している都築響一さんに、
刑務所内受刑者によって作られた製品の
販売会場へ連れて行ってもらったんです。
そこでは、刑を受けている方が
職人の指導を受けて、プロダクトを作ってるんです。
社会復帰するためのシステムなんですね。
そこで作られているものが、おもしろいんですよ。
あんまり「売らんがな」のデザインがないの。
- ――
- ああ。
- 佐藤
- すごくいいから、ぼく、びっくりしまして。
その中に、このペーパーウェイトがあったんです。
形がきれいでしょう?
- ――
- はい、すごく。
アート作品のようです。
- 佐藤
- これも、いくつも持っています。
ちょっと優しい感じがするし、
すごく使いやすいんですよ。
- ーー
- では、このマグカップは?
- 佐藤
- これは青山で見つけたマグカップですね。
なんかすごく素敵だなぁと思って、
自分用に買ったものです。
毎朝これで、ミルクコーヒーをガブガブと(笑)。
質感がいいでしょう?
- ――
- あ、これは「ARTS&SCIENCE」ですね。
- 佐藤
- そうです、ソニア・パークさんのお店です。
これもまた、一瞬で気に入ってしまって。
少し傷はついたけれど、それも
なかなかいい味になってきています。
- ――
- そして、卓さんの愛用文房具といえば、
ほぼ日手帳といっしょに使っている
ロットリングですよね。
- 佐藤
- これはもう長年使っていて、
何本目かわからないくらい使い倒しています。
それから、ぼくはデザインを
パソコンではなく手描きでやるので、
修正液とか消しゴムは使います。
この、インクが出るタイプの修正液がいいんだよね。
- これは、ぺんてるのサインペン。
黒と赤は定番ですよね。
水色のは、この間、『21_21 DESIGN SIGHT』で作った
オリジナルカラーのものです。
- それから、これも気に入っているんですが、
LAMYのボールペン。
これも本当に名作で、素晴らしいと思います
- あと、パイロットのVコーン。
これが何しろ使いやすいんですよ。
- ――
- 黒、赤、青の3色あるんですね。
- 佐藤
- で、これは買ったものじゃないんだけど、
お気に入りのメモラック。
以前、武蔵野美術大学の図書館の
再建計画のデザインをしたときに、
テーブルや椅子なんかといっしょに
図書館用のメモ置きもデザインしたんですよ。
- ――
- かっこいいですね。
何でできているんですか。
- 佐藤
- 鉄板に塗装している、シンプルな作りです。
武蔵美オリジナルなので、買えないんですが、
工場の人にお願いして、自分用にも作ってもらったんです。
要らなくなった紙をこのサイズに切って入れておいて、
僕はこれに、アイデアを描くんです。
- ――
- デザインのアイデアを?
- 佐藤
- そうすると、この大きさだし、
すごく気楽に描けるわけですよ。
新しい紙だと緊張するけど、
これは、どうせ捨てる紙だしね。
スタッフにメモを渡す時や
何かアイデアが浮かんだ時は
パッと紙を取り出して、ささっと。
シンボルマークなんかも、
こんなちっちゃい感じで描いたりしますよ。
- ーー
- 本当だ、ちっちゃい。
- 佐藤
- シンボルマークって、遠くから見るものだから
ちっちゃく見えるでしょ?
だから、ちっちゃく見たときにも、
ちゃんとアイデンティティがなきゃいけない。
実はただ大きく描けばいいって
いうわけじゃないんですよ。
- ーー
- このメモから、
卓さんのデザインが生まれるんですね。
今日は、いろいろな持ち物を見せていただきましたが、
卓さんの目線、そして直感で選ばれているものは、
どれも見応えがあっておもしろかったです。
あらためて、
ふだん使っているもの、選んでいるものを見て、
いかがでしたでしょうか。
- 佐藤
- 自分で使うものだから、
人目を気にせず自然に選んでいますが、
そういうものが並んだところに
個性みたいなものが
出ちゃうんだろうなと思いました。
「どうしても出ちゃう個性」が。
ちょっとはずかしいですね。
毎年使ってくださっている佐藤卓さん。
2017年の手帳の中身を
見せていただきました。
- ――
- 以前の「ほぼ日手帳公式ガイドブック」でも
取材させていただきましたが、
卓さん独自のスケジュール記入法が
印象的でした。
- 佐藤
- こんな感じです。
毎週末に、次の週の予定を
1週間分、書き込んでいます。
- ――
- わあ、すごい!
時間ごとに、線が引き出されていますね。
- 佐藤
- 全部、ぼくなりのルールがあるんですよ。
24時間の時間軸から線を引っ張り、
秘密の縦ラインの左側に時刻、
右側に予定を書くんです。
線を曲げるときはどの間隔で曲げるか、
線をのばすときはどこまでのばすか。
ルールにのっとって、書いています。
- ――
- どの線も重ならないように、
きれいな間隔で引かれていますものね。
- 佐藤
- 線が重ならないように、方眼をうまく使って。
ときどき、引いた線が
自然といいかたちに出たりするのが
おもしろいなあと思います。
今回、佐藤卓さんが選んだ革「バトラー」で作った
トートバッグ「バトラー/トート」を受注販売いたします。
受注期間は2017年9/1(金)午前11時~9/11(月)午前11時です。
くわしくはこちらのページをご確認ください。
- TS2018 バトラー(オリジナル)
- 21,600円(カバー&本体セット)
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- 21,600円(カバー&本体セット)
- TS2018 バトラー(カズン)
- 30,780円(カバー&本体セット)
- TS2018 バトラー(カズン)
- 30,780円(カバー&本体セット)
- TSブラック ベーシック(オリジナル)
- 10,260円(カバー&本体セット)
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- 10,260円(カバー&本体セット)
- TSブラック ベーシック(カズン)
- 16,200円(カバー&本体セット)
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- 16,200円(カバー&本体セット)
- バトラー/トート
- 64,800円
- バトラー/トート
- 64,800円