HOBONICHI

つきのみせ。2022 私たちのほしい、心地いいもの。

人と会ったり遠出をしたり、
外に出られる日々がかえってきたこの頃。
今季は、アクティブな気持ちと
一緒になってたのしめる
晴れやかな色のラインナップになりました。
うつくしい光をあびたような色に、
ちょっとした遊び心をしのばせて。
また、シグネチャーラインは素材がアップデート!
特別なシルク100%のma.to.waに全身包まれたい、
という願いを叶えるラインナップも。
また、アーティスト・ひがしちかさんの
アートワークをプリントしたアイテムも登場。
身につけるだけで、
気分がうきうきするアイテムたちです。
ご一緒した方々にくわしいお話を聞きました。
東京から特急に乗り、
長野の標高1180mの八ヶ岳山麓にある
アーティスト・ひがしちかさんの
ご自宅とアトリエにうかがいました。

ひがしさんのアートワークをほどこした
つきのみせの下着もお見せするために。
まずは、あたらしくできたアトリエと
住居のまわりを探訪させてもらいます。
ひがしちかさんのプロフィール
1981年、長崎県諫早市生まれ。
文化服装学院卒業後、アパレルの仕事などを経て独立。
1点ものの日傘ブランドとして
「Coci la elle(コシラエル)」を2010年にスタート。
ひがしさんが一本ずつ手書きや刺しゅうを
ほどこした日傘を製作した。
2022年にブランドをクローズし、
現在は依頼されたアートワークなど、
自身の創作活動を行っている。

「今日は泊まっていかれますか?
ここに来て、日帰りなんてもったいない」

はじめてお会いするひがしさんが
笑顔でたずねてくださった言葉を、
帰り道、何度も反すうしました。

「ああ、もっと居たかった。もったいなかった」。

その日のことを、何日経っても思い返すほど、
とても気持ちのいい場所でした。

ひがしさんの暮らす場所は
青々とした緑にかこまれ、
鶏やヤギなど動物たちものびのびと暮らし、
庭にあるサウナの横には川が流れ、
アトリエにはひがしさんの「好き」が
隅々までたっぷりとつめこまれています。

もちろん、山の中なので、
厳しい自然と対峙しながら、
ときに大変なこともあるかもしれません。
ですが、不便なことはないと
ひがしさんは話します。
「鶏を飼っているので毎朝卵をもらって、
育てている畑で野菜をとってきて、
ニホンミツバチの養蜂もやっているんですよ。
自分の手でつくるっていうところが、
創作活動とつながっている気がして、
とても楽しいんです」。

あたらしくできたばかりの
アトリエの入り口にも、
ひがしさんが「育ててみたい」という気持ちで
直感的に選んだという、
ハーブや花が植わっていました。

ひがしさんとつきのみせで一緒につくった
アイテムを見てもらう前に、
まずは、あたらしいアトリエを
散策させてもらおうと思います。

ひがしちかさんとほぼ日の出会いは、2013年。
(「ほぼ日のいい扇子」では
繊細なデザインですずやかな扇子
デザインしてくださいました。)

ひがしさんは日傘ブランド
「Coci la elle(コシラエル)」を主宰し、
ひとつひとつ手描きの絵柄や刺繍をほどこした
一点モノの傘を製作してきました。
手をつくし、心をつくした
丹念なものづくりで、
東京と神戸に直営店を営む盛況ぶり。

ひがしさんの作品といえば、
日々の風景や感情から生まれるという
独創的な色彩が魅力的です。
ハンカチや洋服など
さまざまなアイテムにもプリントされ、
なかには何度も生まれ変わる絵柄も。
手にする人や目にする人の日常を彩る、
詩的な絵柄は唯一無二のものです。

2017年にアトリエと住居を
現在暮らす長野県に移し、
創作活動を続けられてきました。
2010年に「コシラエル」がスタートし、
ちょうど1年前の2022年8月、
ブランドをクローズすることを発表。
現在、ひがしさんは、
あたらしい創作の種を育んでいます。

自宅とアトリエのある場所は山のなか。
家の前には鶏小屋があり、
ケージに入れず自由に歩き回れる環境で
飼育する「フリーレンジ」という方法で、
鶏を30羽ほど飼っています。
その横にはしらすという名前のヤギ、
向かいには愛犬のあんこ。
すこしさびしがりやなふたりは、
活発な鶏たちの仲間に入れてもらいたさそう。
そんな、愛くるしい動物たちに出迎えられ、
自宅をぐるっと見せてもらいます。

ひがしさんが生活のなかで大事にしていること、
それは「地球に負担のない暮らしをする」
ということ。
「なるべく、壊したり新しく買ったりせず、
身の回りにあるものや
廃材になってしまったものを再利用して、
暮らしたいと思っています。
どんなエネルギーを使うか、
考えることは大切ですよね。

たとえば、玄関にある
イエルカ・ワインさんの薪ストーブは、
自宅をあたためてくれるのと同時に
料理にも使うことができます。
小枝を拾ったり、薪割りをするのは
手間がかかることだけれど、
化石燃料や電気エネルギーを使わず
身の回りのもので暖を取れる。
あたたかさも充分ですし、
火が燃える姿もきれいなので
すごく気に入っています。

庭にあるサウナは、
リサイクルショップで買った
廃材でつくったもの。
サウナのあとは
目の前に流れる滝に飛び込んで、
自然の中でサウナを満喫します」。

アトリエは、最近完成したばかり。
もともと近所にあった別荘を買い取り、
リノベーションしました。
「太陽光の自然な光で家をあたためる」
という建築家ベングト・ヴァーネの
考えに影響を受け、
温室のなかに家を建てる原理で設計。
暖房をつかわなくても
おうちの中があたたかいのです。

ガラス張りの入り口スペースには
使われなくなった家具やバスタブを用いて、
たくさんの種類の野菜やハーブが植わっています。
「赴くままに」植えられたという植物たちも、
どこか自由気ままで気持ちよさそう。
アトリエの製作スペースから庭を望むこともでき、
モネが慈しみ続けた庭のように、
ひがしさんにとってもここが
“創作の源泉”になっていました。

中は、壁を壊してひとつの広い部屋に。
母屋とはおもむきがことなり、
置いてあるものひとつひとつに
ひがしさんらしさが宿っています。

「壁にかけてあるお面は、
近くにある民芸品屋さんに何度も通って
購入を決めたもの。
母屋は家族も一緒に長い時間過ごすので
居心地の良さを重視していて、
アトリエには私の好きなものや
お店で飾りに使っていたものなど、
思い入れのあるものがならんでいます」。

向かって左、庭側は大きな机に画材が並んだ、
創作用のスペース。
押し花やつんできた植物も見受けられました。

山を望む裏庭側にも広い窓枠があり、
小さめの机に鉛筆やノートが広がっています。
気がつけば、頭のなかでずっと考えごとを
しているというひがしさん。
ここは、窓の景色を眺めながらゆっくりと、
思考をめぐらせるための大切な場所なんだそう。
「山の景色は時間や天気によって様変わりします。
なので、窓の外の景色が毎日のように違う。
自然の雄大さを感じる、お気に入りの場所です」。

見学の時間は、
いくらあってもたりません。
淹れていただいたお茶をいただきながら、
すこし、ひがしさんのいまの暮らしぶりについて、
お話を聞きたいと思います。

(つづきます。)

つきのみせ。× ひがしちか
8.2(WED)ON SALE
コットンのブラ
¥6,820(税込み)
コットンのショーツ
¥5,500(税込み)