うまけりゃうれるべ市。

──: 昨日の更新は、「いわて丸むらさき」に
話が及ばないうちに終わってしまいました。
今日は、おいしいしょうゆについて
もっと糸井さんに訊きたいと思います。
なお、今日がこの「しょうゆインタビュー」の
最終回なので、一気に訊きます。
よろしくお願いいたします。
糸井: よろしくお願いいたします。

▲おいしいしょうゆとは何か、という
　インタビューです。

──: では、しょうゆと糸井さんの出会いを‥‥。
糸井: ぼくも若い頃は、ひとり暮らしをしていました。
友だちの家にも、よく遊びに行ったものです。
みんな、たいてい自炊をしていました。
そこで、食べたものは‥‥
焼いた餅、
缶詰の野菜や焼き鳥、
たまごかけごはん。
──: しょうゆが活躍するメニューですね。
糸井: 黒くなっちゃったようなしょうゆが、
みんなは平気なんだ。
困ったなぁ、なんて思ってね。
友だちだしなぁ。

▲困ったしょうゆ現場に立ちあってきた
　昔を思い出す。

その後、ぼくは働きはじめ、
自分で稼げるようになって、
1980年代のはじめごろ、
原宿のコープオリンピアにある「重よし」に
行くことになりました。
そこのお料理を食べて、しょうゆだけでなく、
米や調理料、料理の素材を集めること、
作り手が栽培のしかたを知り管理すること、
素材をプロデュースしていくことの
たいせつさを知りました。
「すごいなぁ！」と心を動かされたわけです。

「このお米、何これ！」と驚いたりしていると
ご主人がいろんなことを教えてくれました。
ご主人は、うれしそうにこう言っていました。
「まずは、素材を手に入れるのが、
　たいへんなんだよ！」

そういうご主人の話を聞いて、またお料理を食べて。
ときにはおいしいお米をおにぎりにしてもらって
持って帰ったこともありました。
とにかく、こんなぼくにも、
ご主人がそうやって集めた素材、作った料理のことは
「わかるもんだなぁ」と思ったのです。
その「重よし」のしょうゆは、
とてもおいしかったのです。

──

友だちの家のしょうゆと、「重よし」のしょうゆは
まったく違うものだったのですね。

糸井

そうです。
我が家では、いま、
どんなしょうゆを使っているかというと。

──

わ、興味あります。

糸井

これです、
広島の「きぢ醤油」。
ずーっと、これです。

──

へぇえ！！
教えていただいてありがとうございます。

糸井

さきほど（前回の更新です）、
しょうゆは日本酒と似ている、と
言いましたよね。

──

はい。

糸井

しょうゆも、日本酒も、
そのお店の、

そこにあるものがおいしいのです。
お店の人が選んで、
管理をそれなりにちゃんとして、出しているのです。
わざわざ「ことさらうまいな」と思ったりしない。
しょうゆは、これがいいなとか、
これがいちばんだ、とかじゃないのです。

ぼくの家では、きぢ醤油をずっと使っていますが、
これじゃないとだめだ、と強くいうものでもなく、
ときどき「試し」でほかのものを買ったりもするけど、
戻ってくる、というような感じです。
しょうゆとはそういうものです。

──

はい。

糸井

そこで、八木澤商店のことです。

──

「いわて丸むらさき」の製造メーカーは
岩手の陸前高田、八木澤商店さんです。

糸井

これまで「うまけりゃうれるべ市。」で
扱っている、
「君がいないと困る」は、おいしいです。

──

大好きです。

糸井

あれは、地元の人たちの「ひいきめ」だけじゃない、
全国レベルで見て、おいしいぽん酢です。
弱点は「値段が高いこと」です。
でも、ぼくは
おいしく作ると高くつくことがよくわかります。
社長の河野さんが
どこに原価と手間をかけるか、必死になって、
真剣に値づけしているのもわかっています。
でも、あの
「君がいないと困る」は
よその会社の工場で作ってもらったしょうゆを
使ってるんだよね？

──

震災で設備が流されましたので、
これまでは、しょうゆの製造の一部を
ほかの工場に頼っていたんですね。

糸井

我が家で揺るがない位置にいる「きぢ醤油」と、
おいしさの基準が全国レベルの八木澤商店。
その八木澤商店さんが、
「とうとう自分の工場で
　しょうゆを作ることができました」
というではありませんか。
そうやってできた、第１号、
「希望の醤」を、ぼくはいただきました。
（※「希望の醤」は現在完売しています）
これが、おいしかった。
ぼくのよく行くお寿司屋さんも
買いたい、と言ってました。

──

「希望の醤」は、再開記念の
限定品だったんですよね。

糸井

そう。
いつ量販できるのかな？
と思っていたところ、できたのが
「いわて丸むらさき」です。

──

八木澤商店が、震災後に建てた
新しい自社工場で仕込んだもろみから絞った
はじめての量産しょうゆですね。

糸井

でも、ぼくは、じつは
「希望の醤」のほうが、おいしく感じたのです。

──

あ、そうなんですか。

▲同じ作り方なのに、なぜか？

糸井: うーん、すこしだけだけど、
まだなじみがよくないのかもしれなし、
八木澤商店の、河野さんのお父さんも
「まだ息子に100点満点は、やれないな」
と言っていました。
──: そうなんですね。
17日の夜の生中継の本番に、
河野さんもいらっしゃるようですから、
そのあたり、ぜひ伺ってみたいですね。
糸井: そうだね。
でもね、このしょうゆは、
──: 味の、すじは、いいんですね。
糸井: そう。
さっき、お寿司につけたら
おいしかったでしょ？
──: はい。
お寿司をとてもおいしく味わえました。
糸井: しょうゆって
「なめる」という食べ方はしないし、
いまの「いわて丸むらさき」も
充分おいしく、すじがいい。
でも、これからもっとおいしくなるんじゃないかな、と
ぼくは思います。
──: 八木澤商店の、ほんとうの意味での
再出発ですからね。
糸井: そう。
いまの「いわて丸むらさき」は
若々しい、という味です。
これから変わっていく。
期待をこめて、今回から
「いわて丸むらさき」を味わっていくのも
いいと思います。
──: わかりました。
ありがとうございます。
糸井: 「きぢ」と「八木澤」の
たたかいがはじまっていくなぁ。
──: 糸井家では、そうですね。
では、17日の販売と生中継を
たのしみにしたいと思います。
17日には、
「うれるべ家族」の「おとうさん」が作った
クロスワードパズルもやります。
お買い物しなくても、プレゼントがあたりますので
下の「クロスワードの枠」をダウンロードして
準備しておいてくださいね！

※拗音（ちいさな「ャ」「ュ」「ョ」と撥音（ちいさな「ッ」）は、
　ちいさく書かずに、大きな文字のままマス目に埋めてください。
　例／「ショッピング」は「シヨツピング」と入れます。

気仙沼をテーマにした、クロスワードパズルです。
タテ・ヨコのカギをヒントに、
マス目を文字で埋めていきましょう。
マス目が完成してＡ～Ｌの文字を並べると、
質問文があらわれるはず。
その質問への解答が、最終的な「答え」です。

←左の画像をクリックするとマス目をダウンロードきます。
　プリントアウトして解きましょう！

あれ？タテ・ヨコのカギはどこに？？

このパズルを解くためのタテ・ヨコのカギは、
４月17日（木）午後７時ころからはじまる
ユーストリームの配信中に、この場所にドンとあらわれます！
マス目をプリントアウトして準備しておきましょう。
みんなでいっしょに、せえので、パズルを解きますよー。

いちばん早く正解を送ってくれた方には豪華賞品が！！

スピードキング賞（１名様）
〈タテ・ヨコのカギ〉を発表してから、
いちばん早く正解を書いてメールを送ってくださった
スピードキング１名様に、
「春の行楽ちらし寿司セット」をまるごとプレゼント！！

カロリーメイツ賞（10名様）
応募締め切りまでにご応募くださった
すべての正解者の中から抽選で５名様に、
「ほぼ日グッズ・けっこういいセット」を進呈！
カロリーメイツ（スガノ・トモコ・ユミエ）が選んだ
けっこういいグッズが入っています。
中身は届いてからのおたのしみ！

このページをお買い物をしていない方でもご応募できます。
ふるってご参加ください！