ほぼ日刊イトイ新聞

うまけりゃうれるべ市。とは?

2017年秋の「うまけりゃうれるべ市。」は、
「相馬で気仙沼さんま寄席」の開催を記念して、
福島県相馬と宮城県気仙沼のおいしいものをそろえる
売り場にいたします。
ほぼ日WEBストアでの販売は9月15日(金)11時から。
いったいどんなものが並ぶのでしょうか。
福島で高校時代を過ごした
オリジナル・ラブの田島貴男さんと、
ほぼ日の食いしん坊トリオカロリーメイツ
今回のラインナップから好きなものを選び、
作って食べてみることにしました。

うまけりゃうれるべ市。とは?

今日は、福島で
中学3年生から高校時代をすごされた、
ミュージシャンの田島貴男さんにおいでいただきました。

金のさんまを湯煎に。
常温でもOKですが、あたためてもおいしいのです。

私たちは、震災後から
「うまけりゃうれるべ市。」をはじめて、
気仙沼のおいしいものについては
くわしくなっている気がするのですが、
福島や相馬については知らないことが多いので、
田島さん、この機会にぜひ教えてください。

「いやぁ、僕も高校生だったからね。
自転車通学で高校に通って、
当時は冬はまだ雪が深かったから、
信号待ちをしていると
自転車の車輪が凍って
動かなくなっちゃうことがありました。
だからみんな遅刻しちゃうんだよね。
だけど、福島市や相馬市の方は行かなかったし、
あんまり知らないんだよ」

高校時代のエピソードがいろいろおもしろそう。

「福島はかなり広いし、
浜通り、中通り、会津地方では
文化も違うんですよ。
僕が住んでいた郡山と相馬では
食べるものもけっこう違うと思います」

ああ、そうなんですね!
たしかに相馬は海沿いで、海のものがおいしいです。
私たちが今回はじめて食べた魚があって、
それは「メヒカリ」という名前なんですが、
田島さん、ご存知ですか?

「あ、食べたことがあります。
うまいよ、メヒカリ。
でもそれを、高校時代に食べたのか、
おとなになって、ツアーで訪れたときに食べたのか、
わからないけど」

小さいお魚なんですが、あとでまるごと
唐揚げにしますので、
たのしみにしていてください。

極上相馬味噌を使って味噌汁を作ります。
豆の、いいかおりがする。

このお味噌、無添加の生味噌で、
味が濃いのにまろやかです。
今日は味噌の味がわかるようにシンプルに、
具を「豆腐+ねぎ+わかめ」にしました。

2年熟成。生味噌はうれしいです。
金のさんまは湯につかったままでいいのかと
心配する田島さん。
いいんです、ちょっとあったまれば。

つぎに、気仙沼といえば、のカツオに
包丁を入れます。
冷凍でおうちに届くので、
袋のまま、流水か氷水で解凍して、
あとは切るだけ。

気仙沼じまんの鰹のタタキを解凍して切ります。

「これはかなりおいしそう」

はい、火の入れ具合もほんとうに絶妙なんです。
鰹をわかっている方が
加工なさってるんだなと感じます。
解凍するだけで香ばしいかおりがします。

切るときは、包丁を長く使って
引き切りにするといいのですね。
しそ、ねぎ、しょうが、にんにくなど、
好きな薬味を散らします。
添付のタレをかけて、鰹のタタキが完成。
これで今日のしあわせは約束されました!
「ああ、腹へったな」と、田島さん。

そして、本日のもうひとつのメインディッシュとなる
相馬牛ジューシーメンチを揚げます。

「メンチカツ! いいね。好物です。
そういえば、昨日も食べたなぁ。
あ、おとといも、メンチカツだった」

え‥‥3日連続!?

しまった、今日メンチカツを作ることを
伝えていればよかった。

「だいじょうぶ、腹へってるし、
メンチカツ好きだし、いまならほら、
メンチカツの微妙な味の違いがわかる気がする」

そうですね、よし(笑)!
じつはこれ、相馬牛使用の、
味つけが「塩コショウ」オンリーの、
肉に自信アリのメンチカツなんです。
私たちはただ揚げるだけですががんばります。

冷凍のまま、わりとじっくり、
7分くらい揚げます。
途中で返しましょう。
かなり大きくて重いので、箸のほかに、
平らな「揚げざる」を使うとうまくいきます。
揚げ物中に、うしろで
メンチカツの大きさについて言及する田島さん。

相馬牛ジューシーメンチは、ほんとうに大きいので、
揚がって少し冷めたら、
切り分けるのもよいと思います。
でもジューシーさが売りなので、できればまるごとで!

メンチカツがこんがり揚がりました。
これでふたつめの幸せも約束されましたよ。

まだ揚げものがつづきます。
今回のうまけりゃうれるべ市は、揚げものが多いのが特徴。
解凍なしで揚げられるものが多いので、
かなり便利だと思います。
(真タラのフライだけは、
解凍してから揚げるほうがきちんと中まで火が通ります)

真タラのフライを、鍋肌から滑らせるように、油に。

真タラのフライには
タルタルソースがあるとおいしさが増すと思い、
2種類の味つけのソースを
自分たちで作ってみました。
市販のマヨネーズやウスターソースでも、おいしいです。

飯島奈美さんの『難のがれレシピ』掲載の
柴漬けの入ったタルタルソースも作りました。
田島さんは、いつも飯島さんの『LIFE』
唐揚げを作っているそうです。
真タラのフライも、こんがり揚がりました。

フライを連続して揚げるときは、
1回ずつ揚げかすを網でさらうと、
衣がきれいにしあがります。

そして、最後に揚げるのは、
さきほど話に出ていた相馬名産のお魚、
メヒカリです。
衣がすでについているので、このまま揚げます。

「常磐産 目光唐揚げ用」を、油の鍋に。
1尾まるのまま、唐揚げにしていきます。

常磐産のメヒカリは、
骨がやわらかく、まるごと食べられます。
また、軽く干してあるので、
うまみがアップしているそうなんです。

「メヒカリって深海魚?」

すみません、まず私たちはいま、
川か海かもわかりません。
(後に調べました。深海に棲んでいるそうです)
でもたぶん、海‥‥ですよね?

「そうだよね。
どこでどう生きてるんだろう」

しかしいまは、油の海にいます。

「ええ、おいしそうになってきましたね」

カラッと、おいしそう。
ふっくらと、なおかつカリッと。
揚げ時間は5分ほどですが、メヒカリのようすを見て
「よし!」と見極め、ひきあげます。
3種のあげもの、完成。
キャベツの千切り、レモン、
プチトマトをいっしょに盛りつけます。
これらのつけあわせは、フライする前に
スタンバイさせておくといいですよ。
お味噌汁をついで。
さあ、食べよう!

(明日につづきます)

2017-09-11-MON
PHOTO: ERIC
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