Hobonichi Striped-T Institute

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完成まであと一歩の「原点のボーダーシャツ」。
井伊さんとわたしたちのミーティングが
ひんぱんになってきました。
さまざまな最終確認や微調整が必要だからです。


そのようすを、かいつまんでお伝えしましょう。

◆最終的な色を決める

プロジェクトがはじまって最初のころ、
配色の候補色をいくつかえらびましたが、
そのビーカーテスト(試験的に糸を染色したもの)が
あがってきました。


座談会のときに尾崎さんに見せていただいた
ヴィンデージボーダーにつかわれていた
「フレンチブルー」にチャレンジしたいため、
いくつかの紺色を候補にしていましたが、
最終的な色をえらぶ必要があります。



ほぼフレンチブルーに近い色もあったのですが、
じっくり見比べた結果、井伊さんはそれを避け、
もうちょっと赤みをひかえた紺色をチョイスしました。
井伊さん、フレンチブルーは追求しないんですね?


「フレンチブルーに近い色は、
 実際にボーダーシャツになったとき紫色に見えそうで、
 すこし着る人をえらぶ気がしました。
 それよりは、着やすさを重視したいです。」


なるほど、いくら色として魅力的でも、
着たくなければしょうがないですよね。
では、この色でいきましょう!

◆ボーダーの本数を最終チェックする

井伊さん、お待たせしました。
無地ですが、全サイズのサンプルが届きました。
以前、ボーダーの本数と白場の位置を決めましたが、
念のため、全サイズで確認しましょう。



床に並べて、



ひとつずつ、ていねいに



サイズごとの見えかたを考慮しつつ、
縞と余白のバランスを心地よく感じる
ポイントを探っていく井伊さん。



この最終調整の結果、なんと、
この時点でボーダーの本数を変えることになりました。
S、SSはボーダーの本数を15本、M、L、LLは17本。
これで、ぜんぶのサイズで、
ボーダーの入りかたの印象が統一されるはずです。

◆ハンコをおす位置を決める

「袖をまくったときにあらわれる、うれしさ」として
井伊さんが選んだのは、昇文堂さんの手作り印鑑。
ひとつしかない印鑑をそのままつかう訳にはいかないので、
それをもとに、ゴム製のハンコをつくりました。



井伊さん、ゴム印ができましたよ!
試しおししてみませんか?





躊躇することなく、
ぽんぽんと軽快におしていく井伊さん。


「なんか、たのしい!
 見ためもいい雰囲気ですね。
 昇文堂さんにお願いして、ほんとうによかったです。」


「原点のボーダーシャツ」の
アイデンティティになってくれそうですね。
さて、井伊さん、
ハンコは袖のどのあたりにおしましょうか?



「だいたい、
 袖をふた折りしたくらいの位置かな?」



サイズごとに、このへん、というところに印をつけ、
ハンコの位置が決まりました。

さあ、これで、製品の仕様はすべて決まりました。

あとはカラーバリエーションを決めるだけ。
完成はもう間近です!


井伊 百合子(いい・ゆりこ)

スタイリスト。
東京生まれ。
2004年文化服装学院アパレルデザイン科
メンズデザインコース卒業。
在学中よりスタイリスト ソニア パーク氏に師事。
2008年独立。
現在、「GINZA」や「装苑」などの雑誌や広告等、
幅広い媒体で活躍する人気スタイリスト。
「実際に使える」ことが、しっかりと考えられている、
ナチュラルで上品なスタイリングを得意としている。

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