Hobonichi Striped-T Institute

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「XS」のサンプルをつくってみて、
形はほぼ決まった「スマートボーダー」。
井伊さん同様、サイズ展開を検討します。


サンプルのXSを出発点として、
ふだんの「ほぼ日」とおなじ感じで、
XS、SS、S、M、Lの5サイズでいける気がするのですが、
轟木さん、いかがでしょう?


「はい、いいと思います。」


と、そこで、パタンナーの森さんが、
ひかえめに口をひらきます。
「あ、ちょっと待ってください」


おっと、森さん、なにか問題が?


「はい、XSのかたちは、かなりレディース寄りなので、
 そのまま大きなサイズをつくると、
 男性が着たときに、違和感があると思います」


なるほど、「女性が着たときにきれいなシルエット」が、
男性サイズになると、逆にあだとなるわけですね。
どうしたらいいんでしょう?


「むずかしいですね。
 ユニセックスにすると、
 いまのシルエットのよさがなくなってしまうし‥‥。」


悩んでいると、
轟木さんがひらめいたように、おっしゃいました。
「今回はいっそ、レディースとメンズを、
 はっきり分けちゃいましょうか。
 XS、SSをレディース、
 S、M、Lをメンズ、という感じで。」


たしかにメンズはメンズで
きれいなシルエットにできれば、
コンセプトからずれないし、いいかもしれませんね。


「森さん、XSでつくっていただいた
 シルエットの雰囲気は残しつつ
 男性用のパターンをつくることって、可能ですか?」



「はい、大丈夫だと思います。」


「よかった!」


さっそく森さんに、
再度、メンズ用のパターンをつくってもらいました。
できあがったサンプルがこちらです!



おおー!
XSサイズのときのきれいなラインが、
男性でも再現されていますね!


サンプルを着てみた
ほぼ日乗組員のひろせも、思わず笑顔に。


「着た感じ、すごくいいね! サイズもジャスト!」


お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、
「スマートボーダー」のメンズとレディースで
大きく異なるところは、首回りと袖。
首もとが広めに開いたボートネックのレディースに対して、
ボートネックに苦手意識のある男性も着やすいよう、
開き加減を、かなり控えめにしています。
また、レディースの袖は七分丈でしたが、
メンズのほうは手首を覆うくらいの長さに設定しています。


ほぼ完璧に見えましたが、轟木さん、
ちょっと首がつまっているように見えるのが
気になるようす。



「このくらいまで左右に開いていると、
 ボートネックの感じがより出て、すてきなんですけど、
 男性にとってはハードルがあがっちゃいますか?」


ひろせはちょっと考えてから、
「左右だけでなく、上下の空きも調節すれば、
 大丈夫かも?」


結果、約1cmほど全体的に広げることになりました。



メンズのかたち、これで大丈夫そうです。
レディースに続き、
メンズも「スマート」なボーダーができました!


次回は座談会で宿題になっていた、
「六甲成分」について考えます!


轟木 節子(とどろき・せつこ)

スタイリスト。
1972年、熊本生まれ。
ファッション誌、カルチャー誌、広告などで幅広く活躍。
シンプルな中にスパイスの効いた、
独自の空気感が漂うスタイリングが人気。
ナチュラル志向なライフスタイルも注目されている。
モデル・女優の今宿麻美さんのフォトエッセイ
『HEART BALANCE』(双葉社刊)で
フォトグラファーとしてもデビュー。
日々のスタイリングのヒントがつまった
『毎日のナチュラルおしゃれ
着こなし手帖』
が発売中。

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