糸井 | 今日のお話、とってもおもしろかったです。 |
高橋 | そう言っていただけると‥‥ありがとうございます。 |
糸井 | なかでも、がんばってダイエットしても 必須アミノ酸の欠乏で 元気をなくしちゃったら、元も子もない‥‥ という話は、すごく腑に落ちました。 |
高橋 | そうですか。 |
糸井 | ここ数カ月、体重を計るだけのダイエットで 自分なりにうまくいってたんですけど、 そこに、今日の話をプラスすることができたのは すごく‥‥よかったなぁ。 |
高橋 | それは、うれしいです。 |
糸井 | ダイエットについてはね、 ぼく、ひとつ、思い込みをしていたんです。 パンとか米とかモチなんかの炭水化物って、 みんな大好きじゃないですか。 あれが、そのまま脂肪になるんだろうって。 |
高橋 | ノンカーボン・ダイエットなんかも 流行しましたしね。 |
糸井 | そうそう、あれでうまくいったよって人が 目立ってたもんだから、 みんな炭水化物を目の仇にしてましたけど、 本当は、ちがうんですよね。 |
高橋 | そうですね、炭水化物が悪いというより、 食事量を減らすことで 必須アミノ酸の摂取量が減ってしまう、 そのことのほうが問題ですよね。 つまり、カロリー摂取を減らしても タンパク質をなるべく減らさないようにすれば、 必然的に炭水化物の量が減りますから。 |
糸井 | なるほど。 |
高橋 | ノンカーボン・ダイエットについては 良し悪しの両論あるようですけど、 日本人の場合、 米とかおモチとかって、 欲望として我慢しにくいのかもしれません。 |
糸井 | なにせ「ご飯を抜いて成功した」って人がいても 最後までうまくいったの、見たことないからなぁ。 |
高橋 | 炭水化物、いまは「糖質」と総称されることが 多いですけれど、これを摂取すると 「グリコーゲン」として、体内に貯蔵されます。 |
糸井 | ええ、ええ。 |
高橋 | 週末に、ちょっと食べすぎちゃったりして、 仮にグリコーゲンが 「2000キロカロリー」溜まったとします。 これは「水」といっしょに溜まるんですが、 重さにすると「2キロ」くらいになる。 |
糸井 | 2000キロカロリーのグリコーゲンは。 |
高橋 | そう。 だから「週末、2キロ太ったー」なんていう場合、 基本的には グリコーゲンが2000キロカロリー溜まった状態。 でも「脂肪」が2キロも溜まっちゃうと、 「16000キロカロリー」もあるんです。 |
糸井 | え? へぇー‥‥。 つまり、同じ2キロでも 脂肪より炭水化物のほうがチャラにしやすい、 ということですか? |
高橋 | そうです。 で、2000キロカロリーというのは、 たとえば、月曜日に一生懸命ものを考えたら、 けっこう、なくなっちゃうと思う。 |
糸井 | え、本当ですか!? |
高橋 | ええ、本当です。 グリコーゲンは「水と一緒に溜まって」ますから‥‥。 |
糸井 | はい、はい。 |
高橋 | 頭を使ってものを考えると、グリコーゲンが燃焼する。 で、グリコーゲンが燃焼すると、 グリコーゲンを溜めていた水が要らなくなって、 これを「結合水」と言いますが、 とにかく、おしっことなって、出てくるんです。 |
糸井 | おもしろーい! |
高橋 | ですから、一生懸命、月曜日に頭を使って、 おしっことして出せばですね、 週末の食べすぎくらいは解消できるんです。 |
糸井 | ははー‥‥。 |
高橋 | ぼくの場合、月曜の午前中から夕方にかけて 5〜6回おしっこに行かないと、 「なんか今日は、頭を使ってねぇな」と。 |
糸井 | つまり「どれだけ考えてるか」ってことが どれだけおしっこに行くかで、わかるんだ。 |
高橋 | そうそう(笑)。 |
糸井 | 頭を使うと、おしっこが出るとは。 |
高橋 | 脂肪が燃えた場合は、そんなに水が出ませんが、 グリコーゲンだと、バシバシ出てきます。 |
糸井 | ものすごくリアリティのある話ですね。 |
高橋 | ぼくみたいに、週末いろいろと食べすぎちゃって、 月曜日に「しかたがない、働くか」 なんて生活をしてると、すごくよくわかりますよ(笑)。 |
糸井 | じゃあ「月曜日に難問を」ですね。 |
高橋 | そうそう、「月曜日に難問を」。 いいですねぇ(笑)。 |
糸井 | ブルー・マンデーだなんて言ってると 「太るぞ!」と(笑)。 |
高橋 | あはははは、そのとおりですね。 ‥‥でね、そうそう、糸井さん、 これが先ほどの辛くないトウガラシです。 |
糸井 | おお、これが。 |
高橋 | 冷凍のままタイから持ってきたんですが‥‥。 |
糸井 | ‥‥(かじってみる)。 |
高橋 | ほんのちょっとは、辛いかもしれません。 |
糸井 | ‥‥でも、ふつうのトウガラシにくらべたら ぜんぜん辛くない。 ぼく、辛いのダメなんですが、大丈夫みたい。 |
高橋 | これをサプリにした「カプシエイト ナチュラ」は 2粒たべると、 だいたい50キロカロリーくらい燃焼します。 つまり、今日お話させていただいた 「1年に1キロ太る」ための 「1日に20キロカロリーの積み重ね」なんかも これで、カバーできちゃう。 |
糸井 | へぇーーー‥‥なるほど。 いやぁ、今日は本当に、ためになるなぁ。 |
高橋 | うれしいです。 |
糸井 | 以前、NHKの「ためしてガッテン」という番組の ダイエットの回に出たとき、 「本当の自分に会えるような気がする」って言ったら、 みんなが納得してくれたんですね。 |
高橋 | へぇ、しゃれてますねぇ。 |
糸井 | なんか、ダイエットで変わっていくと、 「いちばん自分らしい自分に 会えるような気」が、したんですよ。 |
高橋 | ‥‥あの、余談ですけど、おなかが空くと 「食べたい」という欲求が生じますが、 その欲求を満たす、つまり「何かを食べる」と 「快楽」がもたらされますね。 |
糸井 | いわゆる「報酬系」の話ですか? |
高橋 | そう、なんらかの欲求が満たされた、 あるいは 満たされることがわかったときに活性化して、 快楽をもたらす神経系のことを 報酬系といいますけど‥‥。 |
糸井 | ええ。 |
高橋 | いまの糸井さんの言葉って、 現代の「ダイエット」にまつわる心理構造を 象徴しているように思うなぁ。 |
糸井 | えーと、そうですか。 |
高橋 | つまり「美しくなって、人に褒められること」 あるいは 「太っているときより、 美しくなったと自分で満足すること」を 報酬と設定することで初めて、 「ダイエット」は、報酬を手に入れる手段として 成立するわけですから。 |
糸井 | つまり「本当の自分に会える」という報酬のために 「ダイエットをがんばる」という心理ですね。 |
高橋 | 放っておくと太ってしまう現代だからこそ、 「いかに痩せるか」が欲求となり、 その結果、そういう本も たくさん出版されることになるわけですが‥‥。 |
糸井 | つまり、やっぱり、 成功の鍵は「脅迫型」じゃなくて‥‥。 |
高橋 | 「報酬系」なのかもしれません。 |
糸井 | 肥満の話って、ホント、いろいろあるんだなぁ。 |
高橋 | 単に体型の話だけじゃないんですよね。 |
糸井 | うん‥‥そうですね。本当にそうだと思います。 今日は、ありがとうございました。 |
高橋 | こちらこそ、ありがとうございました。 |
<終わります> | |
2010-10-20-TUE |