生活のたのしみ展

前田有紀さんと 世界の花々。

11月15日からはじまる「生活のたのしみ展」では、
世界中の花々を並べた
とくべつな花屋さんがオープンします。
店長は、元アナウンサーの前田有紀さん。
ケニアで育った大輪のバラ、
アフリカやイスラエルからきた
めずらしい草花が並ぶ予定です。
‥‥でも、いったいなぜ
アナウンサーを辞めて、花屋さんに?
前田さんが3年間修行していたという
自由が丘の花屋「ブリキのジョーロ」さんで
そのあたりのこと、うかがってきました。

その
3
花と緑であふれた街に。

――
お話をうかがっていても、
とにかくたのしんでいる感じが伝わってきます。
前田
そうですね。やりたいことがたくさんあって、
一生かかっても追いつかないかもしれません。
私、東京を、もっと花と緑で
あふれた街にしたいと思っているんです。
――
花と緑であふれた街。
前田
はい。イギリスで勉強していたとき、
都会でも花や緑が
身近にあふれていることに驚いたんです。
ロンドンでは庭を持ってない人も多いんですけど、
ベランダでありとあらゆる野菜やハーブを
育てている人がいたり、
公園で一般の人が参加できる
ワークショップがあったり、
花屋でも自分用の花を買う人が多かったり。
スクールで学んだことよりも、
そういうイギリス人たちの姿を
目の当たりにできたことが
一番勉強になったと思っています。
――
都会でも花や緑が
そんなに身近にあるってすごいですね。
前田
そうなんです。
欧米の20代から40代の方に比べて、
日本の20代から40代は
圧倒的に花を買う人の数が少ないという
データがありました。
それがやっぱり残念で。
私がおばあちゃんになるころには、
東京のどこを通っても、どの窓からも
花や緑が見えるような、
そんな風景を実現したいと思っています。
――
11月15日からはじまる
「生活のたのしみ展」も、
そのきっかけになるといいですね。
前田
はい。私もすごくたのしみにしています。
――
どんな花を用意される予定ですか?
前田
「世界の花屋」は、
グリーンパックスさんという商社と
いっしょに組ませていただいてまして、
生花はケニアのソジャンミ農園というところで
作られたバラを並べます。
あまり知られていないんですが、
ケニアって、バラの栽培で有名な国なんですよ。
これが現地の写真なんですけど。
――
わあ、すごく大きなバラ!
お花を持ってらっしゃるのが、
作り手の方ですか?
前田
はい、ケニアの農園で働く女性です。
みなさん
「自分たちの作るバラはかっこいいんだ」という
プライドを持って作られていて、
グリーンパックスのみなさんも
「足を運ぶうちに、働くみんながいつでも笑顔で、
農園に笑い声があふれていることに気づいた」って
おっしゃっています。
そういうふうに大切に育てれらた花って、
とくべつに輝いている感じがすると思うんです。
――
本当にきれいですね。
受け取った人にも、
大事に育てられた花なんだな、ってことが
伝わるように思います。
ただ、ケニアはかなり遠いですし、
生花を運ぶのも大変ではないですか?
前田
そうなんです。
ケニアから日本には直行便がないので、
ドイツを経由して輸入しています。
出荷する前に一度3度まで冷やして、
さらに各空港での温度管理も厳重にして、
手間はかかるんですけど、
ベストな状態で日本に届くようにしています。
そこに至るまでも、かなりの試行錯誤がありました。
日本の検疫は厳しいことで有名なんですけど、
それに対しても、農園のなかに
日本に輸出するための専門チームを作って、
品質のいいものを作ろうと
熱意をもって取り組んでいらっしゃって。
▲農園のみなさんと、グリーンパックスのみなさん。
――
みなさんの表情がとてもいいですね。
それにしてもこんなバラ、
あまり見たことないです。
前田
花弁がすごく多かったり、
なんともいえない
淡く美しい色のものだったり。
「世界にはこんなにきれいなバラがあるんだ」って
自分もすごく衝撃を受けたので、
その驚きとか新鮮な感動を
お客さんにも感じてほしいなと思っています。
それから、世界で初めて持ってきた、
新種のバラも並べる予定です。
名前がまだついていないので、
みなさんに自由に名前を考えていただいても
たのしそうだなと思います。
――
いいですね。
後々名前がついたときに
「あのときこう呼んでいた花だ」って話せますし。
前田
あとは、「スワッグ」といって、
吊るしておくとそのまま
ドライフラワーになる花束も用意する予定です。
日本であまり見かけない、
アフリカやイスラエルの
めずらしい形をした草花も、
スワッグに組み込もうと思っています。
▲スワッグのイメージ。
▲吊るして飾ります。
――
アフリカやイスラエルの草花?
前田
スタッフが直接足を運んで、
農家の人たちと話し合って仕入れたものです。
ドライフラワーになるので、
「花はすぐ枯れちゃうから」と
敬遠しがちな人でも長くたのしめます。
もし、すぐドライにするのがもったいなかったら、
しばらく水につけて生花として楽しんで、
枯れそうな頃合いを見て
ドライにしてもいいです。
それから「ヤドリギ」も用意します。
ヤドリギは「木の下を通ると幸せになる」
という言い伝えがあるんですよ。
実際にディスプレイしていくなかで
変えていくところもあるかと思いますが、
世界中の花を集めた屋台みたいな
にぎやかな雰囲気にしたいです。
――
お花の屋台!
たのしそうです。
普段花を買わないような人も、
気軽にのぞいていただいて、
好きになってもらったらいいですよね。
前田
はい。お花って、ギフト用に買う方が
やっぱりすごく多いんです。
もちろんそれも素敵なことですけど、
ギフト用だけじゃなくて、
自分の暮らしを豊かにするアイテムの一つとしても
お花を見に来てくれたらうれしいです。
――
当日は前田さんも
お店に立たれるんですよね?
前田
はい。時間は調整中ですが、
できるかぎり立ちたいなと思ってます。
私自身、いまは店頭で販売をしているわけではないので、
お客さんと直接会話する機会がないんですよ。
今回のたのしみ展で、いろんな方と触れ合って
お話ができるのをすごくたのしみにしています。
――
どんなお店になるのか、
いまからすごくたのしみです。
どうもありがとうございました。

(インタビューはこれで終わりです。
「生活のたのしみ展」にオープンする
「世界の花屋」をどうぞおたのしみに!)

2017-11-08 WED

取材協力:自由が丘 ブリキのジョーロ