それで、続きだけどね、
アンドレア・デル・サルトの。
糸井 うん、うん。
インターネットで検索というものをした結果、
『吾輩は猫である』に出てきた、
実在の画家であることは、わかった。
ただ、どうして、その名前が、
歩いているときに不意に出てきたのか。
中学校以来、読んでないはずなのに。
糸井 そうだね。
で、自分の本棚を調べてみると、
『吾輩は猫である』の文庫版があるんだ。
オレは中学校のときしか
『吾輩は猫である』を
読んでないはずなのになァ、
なんで、文庫本があんのかなぁと思って
糸井 うん、うん(笑)。
で、まぁ、
アンドレア・デル・サルトってのは、
どのへんで出てくるのかなと思って、
その文庫版のページを開いてみてたらさ、
6ページ目ぐらいでもう出てくる。
糸井 ははははは。
早いよ、もう出てきたよ、
って思ったんだけどね。
なんで、オレがアンドレア・デル・サルトを
覚えちゃってたのかっていうのは
それで判明したんだ。
つまり、6ページ目以降、そのへん近辺で
ちょこちょこちょこちょこ出てくるんだ。
糸井 ああ(笑)。
「アンドレア・デル・サルトが
 そんなこと言ったかねぇ」とかさ。
糸井 なるほど。
もう、あちこちに、
「アンドレア・デル・サルト」の文字がね。
糸井 わざと言ってるんだ。
わざと言ってる。
だから、きっと、まぁ、夏目漱石も
「アンドレア・デル・サルト」っていう
名前が音としてさ。
糸井 おかしかったんだ。
そうそう(笑)。
糸井 言いたいんだな(笑)。
そうそう。オレも言いたいの、ふふふ。
糸井 あのさ、『吾輩は猫である』を
全部読んだ覚えある?
いや、それでさぁ、
文庫版の話にも戻るんだけど、
読んだと思ってたわけ。
糸井 オレもなんだよ!
そう、とっくに読んだと
思ってたんだけど‥‥。
糸井 やめてんだよ、途中で。
そうそうそうそう(笑)。
やめて、しかも何度か
挑戦しなおしてるの!
糸井 そうそうそうそう(笑)。
だからね、6ページぐらいまでは
何度も読んでるわけ。
糸井 あ、ふははははは!
だから、つまり、
「アンドレア・デル・サルト」に関しては
むちゃくちゃ反復学習してるんだ。
糸井 なるほどねー。
いや、辻褄が合ったね、キレイに。
そうなんだよ。
反復したが覚えたつもりじゃない。
それで、歩いてるとき、急に出てきた。
「毎度おなじみの
 アンドレア・デル・サルトですが‥‥」って。
糸井 なーるほどねぇ。
「アンドレア・デル・サルト」。
そう、「アンドレア・デル・サルト」。


(アンドレア・デル・サルトの話がまだ続くかも?)


2010-05-26-WED