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糸井 |
『最後の晩餐』ってちっちゃいの? |
南 |
『最後の晩餐』はけっこう大きいね。 |
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糸井 |
大きい。その、なんていうの、
そこの壁の端から端くらいの‥‥。 |
南 |
いや、あんなもんじゃない、もっと大きいよ。
教会の壁面に描いてあるものだから。 |
糸井 |
ああ、そうか、壁面にね。
でも、絵に描かれた人間の大きさを
実際の人間の大きさとくらべると、
絵のほうがちょっと小さい、とかない? |
南 |
うーん、どうだろう。 |
糸井 |
絵のほうが、ちょっと小さくない? |
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南 |
まぁ、ちょっと小さい感じはするかな。 |
糸井 |
そうじゃないかなぁ。
あのね、原寸大っぽい絵ってさ、
計ってみると、だいたいちょっと小さいのよ。
で、その「ちょっと小っちゃい気味悪さ」こそが
「これは絵なんですよ」って
見る者に伝えるんじゃないかと
ぼくは思ってるんだけど。 |
南 |
うーん。 |
糸井 |
実際、「ちょっと小さい」って
いうくらいの絵のほうが、
「ウソです感」みたいなものがあって、
なんかおさまりがいいような気がする。 |
南 |
へー。 |
糸井 |
あなた、そんなふうに
思ったことはないですか。 |
南 |
別にないですね。 |
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糸井 |
そうですか‥‥申し訳ない。 |
一同 |
(笑) |
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糸井 |
いま、自分だけの主張を、
強引に通そうとしちゃってたよ。 |
南 |
いやいや、いいんだよ。 |
糸井 |
申し訳ありませんでした。 |
南 |
ま、ま、頭をあげてください。 |
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糸井 |
すいませんでした! 刑事さん! |
南 |
いいから(笑)。 |
糸井 |
あっ、伸坊って、
そういえば、刑事みたいだな! |
南 |
ええ? ああ、そう(笑)? |
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糸井 |
ずいぶん刑事だよ。
ご覧よ、みなさん、伸坊の格好を。 |
南 |
はっはっはっはっ。 |
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糸井 |
かなり刑事だよ。
張り込み中だと言ってもいいくらいだ。 |
南 |
(渋い表情でポーズを決める) |
糸井 |
刑事伸坊だ。
「黄昏刑事編」! |
南 |
ははははははは。 |
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(け、刑事編‥‥読みたいかも。つづきます) |