第17回 刑事伸坊。
糸井 『最後の晩餐』ってちっちゃいの?
『最後の晩餐』はけっこう大きいね。
糸井 大きい。その、なんていうの、
そこの壁の端から端くらいの‥‥。
いや、あんなもんじゃない、もっと大きいよ。
教会の壁面に描いてあるものだから。
糸井 ああ、そうか、壁面にね。
でも、絵に描かれた人間の大きさを
実際の人間の大きさとくらべると、
絵のほうがちょっと小さい、とかない?
うーん、どうだろう。
糸井 絵のほうが、ちょっと小さくない?
まぁ、ちょっと小さい感じはするかな。
糸井 そうじゃないかなぁ。
あのね、原寸大っぽい絵ってさ、
計ってみると、だいたいちょっと小さいのよ。
で、その「ちょっと小っちゃい気味悪さ」こそが
「これは絵なんですよ」って
見る者に伝えるんじゃないかと
ぼくは思ってるんだけど。
うーん。
糸井 実際、「ちょっと小さい」って
いうくらいの絵のほうが、
「ウソです感」みたいなものがあって、
なんかおさまりがいいような気がする。
へー。
糸井 あなた、そんなふうに
思ったことはないですか。
別にないですね。
糸井 そうですか‥‥申し訳ない。
一同 (笑)
糸井 いま、自分だけの主張を、
強引に通そうとしちゃってたよ。
いやいや、いいんだよ。
糸井 申し訳ありませんでした。
ま、ま、頭をあげてください。
糸井 すいませんでした! 刑事さん!
いいから(笑)。
糸井 あっ、伸坊って、
そういえば、刑事みたいだな!
ええ? ああ、そう(笑)?
糸井 ずいぶん刑事だよ。
ご覧よ、みなさん、伸坊の格好を。
はっはっはっはっ。
糸井 かなり刑事だよ。
張り込み中だと言ってもいいくらいだ。
(渋い表情でポーズを決める)
糸井 刑事伸坊だ。
「黄昏刑事編」!
ははははははは。
(け、刑事編‥‥読みたいかも。つづきます)


2010-06-17-THU