第3回 描くべき絵はすでに頭の中にある
糸井 まあ、こういうこと訊くのは野暮ですけど、
伸坊さんともなれば、
絵っていうものは、描くまえから
頭の中にできてるものなんでしょうね?

うん?

糸井 ‥‥伸坊さんともなれば、
絵っていうものは、描くまえから
頭の中にできてるものなんでしょうね?
うん? あ!
それはそうですよ(笑)。
もう隅々までできてますよ!

一同 (爆笑)

糸井 いや、たぶん‥‥
そうなんだろうなって
思ったんですけどね。
そうです!
それです!
糸井 『最後の晩餐』という絵は、
ダヴィンチの頭の中では
とっくに完成されていて、
あとは描くだけだったというような‥‥。
うん。そうそう。そう。
昔の人は、みんな、
そういうことを言いますよね。
石を見たとき、その中に仏像が見えて、
あとはいらない所をとっていくだけ、
みたいなことをね、うん。
糸井 ですから、もう、
あの、そういう意味では、
すでに伸坊さんの頭の中には、
何枚もの「のんきな絵」が‥‥。
どーんと、できているとこですよ(笑)。
糸井 それを仕上げるときは、
もう、烈火の如く、鬼の形相でね(笑)。
そんなような勢いで(笑)。
糸井 まだ1枚もできてませんけどね。
一般的な考え方からすると、
そこに矛盾を感じるかもしれませんが。
まぁ‥‥そういうものですよね。
糸井 いや‥‥お客さんは、もう
すっかり安心したと思いますよ。
あぁ、よかった。
糸井 南さんのその心意気に。
ぜひ観てみたいと思ってくれただろうね。
一同 (爆笑)
糸井 何枚描くんだっけ?
いちおう、20枚くらいは
飾りたいみたい。
糸井 2時間くらいでできちゃうんじゃないか?
一同 (爆笑)
そんなこと!
まずいよ、そういうこと言ったら(笑)。
糸井 ははははははは!
ははははははは!
糸井 この人はね、
はやいんだよぉ、描くの(笑)。
そんなことないです!
糸井 字を書くくらいの速度で
描いてるでしょう(笑)?
い、いや、そんなことないですよ。
1枚描くのは、たぁ〜いへん!
糸井 いや、だって、もうほら、
描くべき絵は、頭の中にあるんだから。
あぁぁ、頭の中にあるからね。
糸井 脳内に完全に絵ができてて、
ゆすると絵が揺れるくらい(笑)。
だからあんまり揺すらない。
糸井 それくらいだから、
土日が一回あれば、
簡単に描けますよね!
そう‥‥だから‥‥ええと。
どっちの立場で話していいのか
わからない(笑)

一同 (爆笑)



(爆笑しながら、続きます‥‥)

2007-11-11-SUN



HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN