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糸井 |
まあ、こういうこと訊くのは野暮ですけど、
伸坊さんともなれば、
絵っていうものは、描くまえから
頭の中にできてるものなんでしょうね?
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南 |
うん?
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糸井 |
‥‥伸坊さんともなれば、
絵っていうものは、描くまえから
頭の中にできてるものなんでしょうね? |
南 |
うん? あ!
それはそうですよ(笑)。
もう隅々までできてますよ!
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一同 |
(爆笑)
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糸井 |
いや、たぶん‥‥
そうなんだろうなって
思ったんですけどね。 |
南 |
そうです!
それです! |
糸井 |
『最後の晩餐』という絵は、
ダヴィンチの頭の中では
とっくに完成されていて、
あとは描くだけだったというような‥‥。 |
南 |
うん。そうそう。そう。
昔の人は、みんな、
そういうことを言いますよね。
石を見たとき、その中に仏像が見えて、
あとはいらない所をとっていくだけ、
みたいなことをね、うん。 |
糸井 |
ですから、もう、
あの、そういう意味では、
すでに伸坊さんの頭の中には、
何枚もの「のんきな絵」が‥‥。 |
南 |
どーんと、できているとこですよ(笑)。 |
糸井 |
それを仕上げるときは、
もう、烈火の如く、鬼の形相でね(笑)。 |
南 |
そんなような勢いで(笑)。 |
糸井 |
まだ1枚もできてませんけどね。
一般的な考え方からすると、
そこに矛盾を感じるかもしれませんが。 |
南 |
まぁ‥‥そういうものですよね。 |
糸井 |
いや‥‥お客さんは、もう
すっかり安心したと思いますよ。 |
南 |
あぁ、よかった。 |
糸井 |
南さんのその心意気に。 |
南 |
ぜひ観てみたいと思ってくれただろうね。 |
一同 |
(爆笑) |
糸井 |
何枚描くんだっけ? |
南 |
いちおう、20枚くらいは
飾りたいみたい。 |
糸井 |
2時間くらいでできちゃうんじゃないか? |
一同 |
(爆笑) |
南 |
そんなこと!
まずいよ、そういうこと言ったら(笑)。 |
糸井 |
ははははははは! |
南 |
ははははははは! |
糸井 |
この人はね、
はやいんだよぉ、描くの(笑)。 |
南 |
そんなことないです! |
糸井 |
字を書くくらいの速度で
描いてるでしょう(笑)? |
南 |
い、いや、そんなことないですよ。
1枚描くのは、たぁ〜いへん! |
糸井 |
いや、だって、もうほら、
描くべき絵は、頭の中にあるんだから。 |
南 |
あぁぁ、頭の中にあるからね。 |
糸井 |
脳内に完全に絵ができてて、
ゆすると絵が揺れるくらい(笑)。 |
南 |
だからあんまり揺すらない。 |
糸井 |
それくらいだから、
土日が一回あれば、
簡単に描けますよね! |
南 |
そう‥‥だから‥‥ええと。
どっちの立場で話していいのか
わからない(笑)
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一同 |
(爆笑)
(爆笑しながら、続きます‥‥)
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