西本 |
つまり、プロデューサーといっても
BJさんは、おもに
バッジやライターまわりを担当する
プロデューサーであった、と。 |
BJ |
映画界に
そんな担当はありませんが、
まあ、そういうことになりますね。 |
西本 |
撮影現場にはどれくらい行ってたの? |
BJ |
できるだけ現場にいたい、
というのがあったので
ちょくちょく行ってましたが、
自分の都合で勝手に顔を出して、
勝手にバッジとか配ってるという‥‥。
気分は「優作イズム」を継承してる
つもりでしたけど、
当然、誰も自分を求めてはないですよね。
(註:BJさんは
松田優作さんの大ファンです)
そして、少しでも現場になじもうと、
わざとヨレヨレのTシャツ姿で、
タオルを首に巻いたりして‥‥。 |
西本 |
身体を動かすような仕事が
とくにあるわけでもないのに、
「現場感」を演出してたんだ(笑)。 |
BJ |
だから、スタッフの方々はたぶん、
なんなんだアイツは、って
思ってたんじゃないですかね。
うさん臭いというか。 |
西本 |
名前は横文字だし、相当ウザい(笑)。 |
BJ |
かなりね(笑)。
でもそのときは、こういう人間でも
現場で必要とされるときが
やってくるのではないかと思ってましたけど、
結局、最後まで所在ない感じでした(笑) |
西本 |
でも、原作側のプロデューサーとしては
キャスティングにも口を出すわけでしょう?
主演の樹木希林さんや
オダギリジョーさんはともかく、
えっ、こんなところに?
というシーンに
小泉今日子さんが出てたりしますよね。 |
BJ |
そういうのも、
映画界の常識を知らないから、
「小泉今日子さん、出てくれるといいですね」
とか、軽々しく口にしてしまったりして。
プロのみなさんからしたら、
「そんな簡単に
出演してくれるわけないだろ!」って
感じだったのかもしれないですけど、
でも、お願いしてみないと分からないですよね?
とか言って、素人精神で。 |
西本 |
そのほかにも、
仲村トオルさん、小島聖さん、宮崎あおいさん、
柄本明さん等、そうそうたる顔ぶれの方々が
出演されてるじゃないですか。 |
BJ |
ダメでもともとという精神で
オファーさせていただいた方々も、
「いやいや、全然出演しますよ」
と言ってくださったり、
1シーンだけの撮影の方でも、
撮影が終わったら、
「帰るの寂しいなぁ」といって、
名残惜しいそうな顔で
撮影場所を後にするというような。 |
西本 |
いい雰囲気の現場だったんですねぇ。 |
BJ |
それに、これは
プロデューサーの、孫家邦さんの
すごいところなんですけど、
今回は、最後のキャストのテロップでも
誰ひとり、特別扱いしていないんです。
「友情出演」とか
「特別出演」も入っていないし、
テロップの順番も、
出演してる順に並んでいるんですよ。 |
西本 |
ああ、だから、
途中の特に目立たないタイミングで
「小泉今日子」さんとかが出てくると。 |
BJ |
そういったことも含めて、
現場をとりまく雰囲気があったかくて、
そこにいるのが、心地よかったですね。
<つづきます> |