リリー・フランキーさん(原作者)
『東京タワー』の大幹事、リリーさんが2回目の登場。
最終回の今回は、このページではすでにおなじみ、
プロデューサー・BJさんについてお聞きしました。
おおむねBJさんが現場でしていた仕事とは‥‥!?
辻修さん(「ホセ」役)
原作では「はらぺこチャンピオン」の
異名をとっていた「ホセ」さん役の辻さん。
劇中に出てきた「オカン」の料理、
すっごく、おいしかったみたいです。
花井京乃助さん(「麻雀仲間」役)
雀荘でいきなり泣き出す「ボク」を
「大丈夫?」と気遣う麻雀仲間役として出演。
そんなところにまで!? という
メイクさんの細かい仕事に、脱帽したとか。
池本晋さん(監督助手)
監督の指示や撮影意図をキャストに説明するなど、
おもに現場の仕切り役だった池本さん。
なかでも、あの女優さんのエピソードは特別だったよう。
人柄の滲み出てくるようなお話を聞かせてくれました。
内田也哉子さん(「若い頃のオカン」役)
和やかな雰囲気で、お話をして下さった内田さん。
この『東京タワー』で、本格的に映画出演。
初めて自分の姿をスクリーンで見たときの気持ちを
内田さんならではの表現で語ってくださいました。
大塚学さん(録音助手)
真夏のクランクインから編集作業、「音入れ」まで
すべての行程に関わった大塚さん。
作業が終了し気づいたら「明日はクリスマスイブ」。
それだけに作品への思い入れもひとしおのようです。
冨浦智嗣さん(「中学・高校時代のボク」役)
現場では「しーちゃん」の愛称で
みんなから可愛がられていた冨浦くんです。
真夏だった撮影期間中、
「めちゃくちゃ努力したこと」とは?
小林薫さん(「オトン」役)
最後を締めくくってくださるのはこの人、
ぶっきらぼうな「オトン」役の小林薫さん。
でも、インタビューでは普段と同じ気さくな語り口で、
「オトン」という役について話してくださいました。




リリーさんのマネージャーとして『東京タワー』を見続け、
物語のなかにも登場する、BJさん。
映画版ではプロデューサーとしても関わった「いちばんの目撃者」に、
他では聞けない、映画製作のこぼれ話をうかがってきました。
なお、聞き手の「ほぼ日」西本が妙になれなれしいのは、
ふたりが草野球チーム「ヤングジャイアンツ」の
チームメイト同士だからです。あらかじめ、ご了承下さい!





西本 『en-taxi』での連載1回目が発表されたときに、
孫さんが、すぐに飛んできたんですよね。
「本物」のほうのプロデューサーが。
BJ そうです。映画化させてほしいと。
西本 世間では「東京タワー」が一冊の単行本になり、
その後、単発ドラマ、連続ドラマ化され、
映画化され、そして
舞台にもなるという順序だけど。
じつは映画化のお話がどれよりも早いんだ。
BJ そうです。
映画化のお話を先にいただいていて、
その後、ドラマ化、舞台化と
お話しをいただいたんです。
西本 リリーさんは
このような現象をどう捉えてると思います?
BJ この本を読んで、
作品にしたいと感じてくれた方は、
たぶん、自分(原作者)の話を
作品にしたいのではないと思うから、
お断りする理由もないし、
そう思っていただいた方々の気持ちに対して、
こちらとしては、ただお願いします、と
応えることでしかない。
というようなことを言ってたことがあります。
西本 オダギリジョーさんも
完成披露試写会で言ってましたもんね。
「これはリリーさんの話ではありません。
 自分の話であり、映画をご覧いただいた方々、
 すべての人達のお話です」と。
BJ その通りだと思います。
西本 そう言われたら、
僕も自分の両親のことを想いながら
読んでたもんね。
BJ 僕もそうですよ。
西本 制作に関わっているのは、映画だけ?
BJ こんなウザい人間を
受け入れていただけるのは、ねぇ‥‥。
西本 ノベルティプロデューサーとして(笑)。
リリーさんが映画の制作に対して
何か言ってたことはありますか?
BJ なにも言ってませんが、
松尾スズキさんに
脚本を書いていただきたいということだけは、
孫さんに伝えていましたね。
それと、孫さんに自分を笑かしてほしいと。
西本 笑かしてほしい‥‥?
BJ 笑かしてほしいというのは、
孫さんとの長いつき合いの中での
独特な表現なんですけど、
システムを変えると言ったら
大袈裟かもしれませんが、
そういうことが少しでもできたら
おもしろいというか、
自分たちの役割じゃないか、
ということだと思うんですけど。
今回でいうと、
松竹プレミアムという名称になっていることや
エンドクレジットの配列。
数多く試写会をしたり、
100ページ近くに及ぶ
劇場用パンフレットを作ったり‥‥
西本 ノベルティプロデューサーの導入とか(笑)。
BJ (笑)。
西本 これまで、
いろんな「ここだけの話」を
お聞きしてきたわけですが、
最後に月並みな質問をしたいと思います。

BJさんにとって『東京タワー』って、
どんな映画でしたか?
BJ 当たり前のことしか言えないんですけど。
西本 ええ、どうぞ。
BJ 映画が好きな方、映画を観る機会のない方。
どちらの方々が観られても、
楽しんでもらえる素晴らしい作品ですので、
とにかく、
たくさんの方々に観ていただきたいです。

気の利いたこと言えなくて申しわけないですが、
もう、それだけですね。
西本 ありがとうございました!
BJ あっ、それと‥‥、

「映画を愛してくれ」
と‥‥。
西本 ‥‥やっぱりウザいなぁ(笑)。

<おわります>


2007-04-12-THU


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