西本 |
『en-taxi』での連載1回目が発表されたときに、
孫さんが、すぐに飛んできたんですよね。
「本物」のほうのプロデューサーが。 |
BJ |
そうです。映画化させてほしいと。 |
西本 |
世間では「東京タワー」が一冊の単行本になり、
その後、単発ドラマ、連続ドラマ化され、
映画化され、そして
舞台にもなるという順序だけど。
じつは映画化のお話がどれよりも早いんだ。 |
BJ |
そうです。
映画化のお話を先にいただいていて、
その後、ドラマ化、舞台化と
お話しをいただいたんです。 |
西本 |
リリーさんは
このような現象をどう捉えてると思います? |
BJ |
この本を読んで、
作品にしたいと感じてくれた方は、
たぶん、自分(原作者)の話を
作品にしたいのではないと思うから、
お断りする理由もないし、
そう思っていただいた方々の気持ちに対して、
こちらとしては、ただお願いします、と
応えることでしかない。
というようなことを言ってたことがあります。 |
西本 |
オダギリジョーさんも
完成披露試写会で言ってましたもんね。
「これはリリーさんの話ではありません。
自分の話であり、映画をご覧いただいた方々、
すべての人達のお話です」と。 |
BJ |
その通りだと思います。 |
西本 |
そう言われたら、
僕も自分の両親のことを想いながら
読んでたもんね。 |
BJ |
僕もそうですよ。 |
西本 |
制作に関わっているのは、映画だけ? |
BJ |
こんなウザい人間を
受け入れていただけるのは、ねぇ‥‥。 |
西本 |
ノベルティプロデューサーとして(笑)。
リリーさんが映画の制作に対して
何か言ってたことはありますか? |
BJ |
なにも言ってませんが、
松尾スズキさんに
脚本を書いていただきたいということだけは、
孫さんに伝えていましたね。
それと、孫さんに自分を笑かしてほしいと。 |
西本 |
笑かしてほしい‥‥? |
BJ |
笑かしてほしいというのは、
孫さんとの長いつき合いの中での
独特な表現なんですけど、
システムを変えると言ったら
大袈裟かもしれませんが、
そういうことが少しでもできたら
おもしろいというか、
自分たちの役割じゃないか、
ということだと思うんですけど。
今回でいうと、
松竹プレミアムという名称になっていることや
エンドクレジットの配列。
数多く試写会をしたり、
100ページ近くに及ぶ
劇場用パンフレットを作ったり‥‥ |
西本 |
ノベルティプロデューサーの導入とか(笑)。 |
BJ |
(笑)。 |
西本 |
これまで、
いろんな「ここだけの話」を
お聞きしてきたわけですが、
最後に月並みな質問をしたいと思います。
BJさんにとって『東京タワー』って、
どんな映画でしたか? |
BJ |
当たり前のことしか言えないんですけど。 |
西本 |
ええ、どうぞ。 |
BJ |
映画が好きな方、映画を観る機会のない方。
どちらの方々が観られても、
楽しんでもらえる素晴らしい作品ですので、
とにかく、
たくさんの方々に観ていただきたいです。
気の利いたこと言えなくて申しわけないですが、
もう、それだけですね。 |
西本 |
ありがとうございました! |
BJ |
あっ、それと‥‥、
「映画を愛してくれ」
と‥‥。 |
西本 |
‥‥やっぱりウザいなぁ(笑)。
<おわります>
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