「最近、あちこちに 自転車が 放置されている?!」
最近ね、パリを歩いていると あっちこっちで 自転車が転がっているのを 見かけるんだ。
「自転車が転がっている」 ってなんだかおかしな表現だけれど、 本当に道の真ん中に転がっていたり、 自転車を停めるには あきらかに似つかわしくない場所に 放置されていたり‥‥
▲エッフェル塔(ちょっと右の奥)に向かう散歩道に放置。 こういう感じで放置されているのをしょっちゅう見かけます。
そして、前にもこのコラムで、 パリでは超がっつりした鍵で つないでおかないと (自転車本体より重いんじゃないか と思うくらいの鍵!) あっという間に盗難される、 という話を書いたけど そんな鍵がかかっている気配もない。
だから、 がっつり鍵でつなぐことのできない場所に 自転車が放置されていること自体 パリではおかしなことなんだ。
一体だれが?! なぜこんなところに?!
というこの放置自転車。 実はこの1年くらいで急激に増えている 『シェアリングサイクル』。
乗り捨てられている好きな自転車に乗って 自分の好きなところで乗り捨てられる。 という誰でも使える自転車システムなのです。
▲黄色いタイヤの自転車がシェアリングサイクル。
驚くくらい急激に広まっていて、 今ではいくつかの会社が同じような サービスを展開しているよ。 (自転車の色でどこの会社のサービスかが わかるよ)
携帯のアプリを入れて課金しておいて、 QRコードを使って解錠。 時間ごとに課金額から料金が引かれる という仕組みだよ。
▲横断歩道にまで放置?!
『好きなところに乗り捨てられる』 ということで、その乗り捨て方は本当に自由。
人の家の門の前あり。 横断歩道あり。 道のどまんなかあり。 パン屋の前あり。 バス停あり。
この自由すぎる自由さこそが おフランスっぽい感じ満載! 日本だったらあっという間に 社会問題、ニュースになりそうですが そこはおフランス。 このくらいのことでは騒ぎにならない?!
今後どうなるかはわからないけどね?! 今のところ街のあちこちで 自由に乗り捨てられている シェアリングサイクルを見かける頻度は 増えるばかりなんだ。
▲がっつりした鍵でつながないシェアリングサイクル。 やっぱり盗難も多いようで撤退する会社も出てきた模様。
自由すぎるシェアリングサイクルの乗り捨て。 パリを歩く機会があったらぜひ観察してみてね!
もちろん観光客も使える 便利なサービスでもあるので パリ観光の足に使ってみても楽しいかもね。
※この連載を再編集し、 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。 こちらをぜひご覧ください!
2018-04-03-TUE